某大学映画研究会の2011年映画ランキングに触発されたので書きます。東京事変が解散したことだし、そろそろブログを更新しないといけないですよね。
映画研究会の部員のくせに映画館で映画を観ないという悲しい若者なので、DVDなんかで観た映画を中心にランキングを組んでみました。まぁそう怒らないでください、まだ若いので質より量を重視しているのです。
第10位『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(大森立嗣、2010年)
ランキングを作ってみたら1本も2011年の映画が入らなかったので、せめてもと思って焦って入れた感はある。けれどもやっぱりこの映画は素晴らしいと思う。超イケメンスターが2人も出ていて、観る前はちょっと不安だったんだけれど、ファーストシーンの壁を砕くところで不安は吹っ飛んだ。あのイメージがいかに「現代」と共鳴するかとかそういうのを抜きにしても、あのカットだけでこの映画に通底するイメージが確定するのだ。
第9位『上海特急』(ジョセフ・フォン・スタンバーグ、1931年)
映画の全盛期は1930年代らしいということが段々うっすら分かりかけてきたけど、『上海特急』はそのような傑作30年代映画の中でも「不思議な」一本だ。いわゆる話の筋というものは途中でぐにゃりとねじ曲げられて、文字通り「脱線」する。それでもなお映画は突き進んでいく。なんてじゃじゃ馬な映画だろう。
第8位『タンポポ』(伊丹十三、1985年)
これはとても恐ろしい映画だ。食べ物にとりつかれた人々が食べ物で殺し合いをしている。これは比喩で、実際には死ぬのはたった1人であるし、その人の死は最初から予告されている。とてもエンターテインメント性のある映画なんだけど、それだけに食べ物に襲われるという感覚がより一層強くなる。恐ろしい映画だ。
第7位『グロリア』(ジョン・カサヴェテス、1980年)
映画を簡単に「映画的」にしない、思考し続ける監督がジョン・カサヴェテスだ。自分が最も好きな映画監督だ。『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』をここに入れたかったんだけど、どうやら観たのは2010年らしい。何か自分には分からない力で動かされているような、そんな運命を感じる瞬間は誰にでも一度はあると思うが、この監督の映画はそのような瞬間を極めて「非映画的」に処理してしまうのが素晴らしい。
第6位『ミツバチのささやき』(ビクトル・エリセ、1973年)
なぜにあんなフランケンシュタインに感動してしまうのだろうか。自分の中で未だにまったく整理がついていない映画だ。言葉にするにはあまりに曖昧で、あまりに多くのイメージが画面を横切っていき、『ミツバチのささやき』という一つのとてつもない神話を創り上げてしまったような印象。
第5位『七人の侍』(黒澤明、1954年)
お恥ずかしながらまだ観ていなかったので。これまで多くの人が大絶賛してきたとかそういうのはどうでもいい。菊千代が「こいつは俺だ…!」と漏らす瞬間、あの圧倒的な瞬間だけで本当に素晴らしい映画だと思う。
第4位『8 1/2』(フェデリコ・フェリーニ、1963年)
映画はすべての出来事、すべての生き物を祝福するものだと思っているが、これはそれをストーリーでやってみせた映画と言える。人生のすべてが一つの音楽を奏でる瞬間は、生きていて良かったとストレートに思わせてくれる。
第3位『黒猫・白猫』(エミール・クストリッツァ、1998年)
「なんだこれは」というのが正直な感想だった。こんなに圧倒的な力で流れていくような映画にはなかなか出会えない。クストリッツァはまだこの1本しか観ていないのだけど、イバヤシ曰くこんなもんではないらしい。まだまだ素晴らしい映画に出会えるというだけで嬉しい。
第2位『ヤンヤン 夏の想い出』(エドワード・ヤン、2000年)
「人生っていろいろあって難しいよね」と一言で嘆くのは簡単だが、映画でそれをやるのは単純ではない。この映画が達成したのは複数の視点から「世界」をありのまま描いてしまったところだろう。この映画にはすべてのジャンルの素晴らしい瞬間が凝縮されている、と言うのは言い過ぎか。台湾映画の超傑作。
第1位 『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(山中貞雄、1935年)
お恥ずかしながらまだ観ていなかったので。圧倒的に面白い映画。ただ身を委ねればいいという単純な面白さ。映画を作るものは、観るものを座席に縛りつけているという責任を感じながら「面白い」映画を作らねばなるまい。
おまけでランキングとは無関係に、印象的だった映画を3本。
・『イブの総て』(ジョセフ・L・マンキーウィッツ、1950年)
まず女たちがネチネチと裏で画策する周到さが見た目の美しさとかけ離れているのが素晴らしい。なんといってもラストカットだろう。鏡を用いた映画というのは古今東西山ほどあるけど、その中でも『上海から来た女』に次ぐくらいの美しさじゃないだろうか。とにかく美しい。ラストカットだけでも生き続けていける映画だと思う。
・『ラルジャン』(ロベール・ブレッソン、1986年)
恐ろしいほど淡々と全てが進んでいく。偽札が主人公と言ってもよいと思うが、そのような視点で観ると人間たちが機械的な単調さで罪を犯し、人を殺す。感情とかそういったものとは違うものがこの映画のエンジンになっている。なんだかよく分からないが恐ろしくて巨大で不気味で、とてつもなく素晴らしい映画だ。
・『緑の光線』(エリック・ロメール、1986年)
つまるところこの映画がどういうことかというと、緑の光線を観ただけである。いやたったそれだけの些細なことがどれほど素晴らしいか!この映画はどんな些細なことも無駄にはしない。大事な人、大事なもの、大事な出来事だけで作られた映画だ。
質より量と言っときながら、結局2011年は140本弱くらいしか映画を観ていない。まだまだ観たい映画を観ていないし、本当は年間365本は観たい。
2011年はいろんなことがありました。個人的には映画を作ることの難しさを痛感した1年間だったと思います。それでも映画を作ることは諦めませんが。
2012年も北大映研をよろしくお願いします!
ホントブログ書くの疲れる。モノを残す苦労とモノを使う苦労はほんとに比例しないよねとつくづく思う。
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映研昭和音楽部第2回(ナカミチ)
早速昭和音楽部第2回。参加者数は前回と変わりませんが、紹介数は2枚と少なくなっています。無念。
あがた森魚 – 乗物図鑑 (1980/04)(ウエニシ)
あがた森魚が1980年に300枚限定で発売した『乗物図鑑』は海外の音楽からの影響が濃厚すぎるほどに表れている。なんてったってあがた森魚の『サブマリン』は言い訳のできないほどJoy Divisionの『She’s Lost Control』の丸パクリなのだ。極僅かなレコーディング期間しか残されていなかったためにこのような形になってしまったのだろうが、今現在という視点に立ってこのアルバムを振り返ってみた場合、このような日本と海外の繋がりがあることに貴重性を感じずにはいられない。あがた森魚は1980年にJoy Divisionを聴いていたのだ!もしかしたら1980年の『Closer』もあがた森魚はリアルタイムで体験していたのかもしれない。このような想像を私たちに許してくれるところがこのアルバムの素敵なところなのではないだろうか。
山下達郎 – SPACY (1977/06/25)(ナカミチ)
数々のアーティストやアレンジャーたちに愛される77年の『SPACY』。77年リリースという時点で名盤じゃないわけがないのだが、このアルバムはいったい何が新しかったのだろうか。山下はソロとしての1stアルバム『CIRCUS TOWN』をNYとLAでレコーディングする。その際にアレンジャーのチャーリー・カレロは山下にスコアを譲る。スコアというのはアレンジャーのアイデアの結集であり、それを渡すというのはアレンジャーにとってあり得ないことである。しかし山下は本場NYのスコアを手に入れる。日本に帰った山下はそのスコアを徹底的に勉強したのだという。その努力の成果が『SPACY』なのである。『CIRCUS TOWN』での経験がなければ『SPACY』はあり得なかっただろうし、その後のシティポップスの隆盛もなかったかもしれない。
今回は見学のミチガミ君。
次回の昭和音楽部は部長の都合により、木曜日に開催します。ウエニシごめんなさい。
これまではクローズドでやって来ましたが、もし参加したい人は大歓迎するのでぜひナカミチまでメールを!
合宿(ナカミチ)
やっぱり映研の中で最高のイベントであり続けてくれた合宿をナカミチ視点で振り返ってみようと思います。
合宿スタートの朝からギリシャ彫刻のような凛々しさ。サングラスは調子に乗りすぎたと語る。
女子が先に集合し男子は8割方遅刻。
我らがナカミチ車は小樽へ。スケベアーとおはまんべさん。
逆光なのに眩しそう。
基本的に何も買わなそうな人たち。
視線の先には。
「夏のセックス教室 海と山の誘惑 ドクトル・チエコ著」
飯はお前らが決めな!のポーズ。
カメラマンのくせに一番画になる。
小樽は歩いているだけでなんだか楽しい。
立ち位置とポーズまでカメラマンに指定されたおはまんべさん。
試食という他人の善意を骨の髄までしゃぶり尽くす方々。
金を払って幸せを五臓六腑に染み渡らせる方々。
究極の運転放棄法に1年生は唖然。
余市のそれほど綺麗でもない海岸。
それほど綺麗でもない海岸に降り立つ。
早速遊び道具を見つけ出す。
立ち位置とポーズまで指定されたウジ。お金のない売れないバンドのアー写のようにキマっています。
海は人を笑顔に!
いざ神威岬。カメラを意識する人には罰としてフォーカスを当てません。
登山コースが既に絶景。
日没までみんなで待とう。
菊池曰くブラジルでは今ちょうど陽が昇っているところ。
はしゃぎまくるカメラマンたち。
今日もお疲れ様。
直前に下ネタをしゃべってゲラゲラ笑っているコンノさん。
コテージに着くやいなやジェンガ大会。
目がマジ。
カメラマン泥酔により夜の写真がポッカリ抜けております。
合宿の朝って毎年死ぬほど空気が綺麗な感じがして好きです。
合宿の朝の片付けは過酷を極めます。
左のイバヤシさん「片付け大変よねー(キクわー)」
棺桶の中身みたいと話題。起きない。
起きない。
起きた。
おはよう。
どんなに辛くても朝はやってきます。おはよう。
集合写真撮るよー!
はい、チーズ!
次はポーズを変えて!土下座の2人には悲しい過去が。
帰り道には宇宙に寄り道。
いざ宇宙!
「宇宙もちょろいな」
宇宙の次は深海を攻めるぜ。
「深海も思ったよりちょろいな」
「ファー…」
ミチガミ「口めっちゃキモいっすね!」
魅惑の深海パーティ。
釣りができなくて仕方なく餌をあげる方々。
コンノ「どうやったら餌がもう無いの理解してもらえるかねぇ…」
タラフクにいる時のツシマさんに激似と各方面から大絶賛。
ショーからショーへ歩きついで行くのがキツい。
無茶苦茶飛ぶ。
ミチガミファン応募者全員サービス記念ブロマイド。
さぁ帰ろう。
映研昭和音楽部第1回(ナカミチ)
「毎週水曜19時半、ナカミチ宅、各自今週の1枚とそれについてのA41枚レジュメ持参、酒は各自持参」というシンプルなルールに基づいて行われる映研昭和音楽部がついにスタートしました。第1回目の様子を少しだけレポートしてみようと思います。結果から言えば大成功だったと言えましょう!
いしだあゆみ&TIN PAN ALLEY – アワー・コネクション (1977/04/25)(イバヤシ)
まずイバヤシが紹介したのはいしだあゆみとTIN PAN ALLEYのコラボ作『アワー・コネクション』。シティポップスの大名盤として名高いこのアルバムはとにかく歌詞が素晴らしい!全曲の作詞を担当しているのは橋本淳で、この人は「ブルーライト ヨコハマ」も担当した売れっ子作詞家。さらに作曲を担当しているのは細野晴臣と萩田光雄の2人で、細野は紹介不要だと思いますが、萩田は岩崎宏美やH2O、太田裕美まで手がける作曲家。と、このように信じられないようなメンツによって支えられたこのアルバム。
しかし一番の魅力はやはりいしだあゆみの語り!「一人ソファーに寝転んで…」という入りだけで鳥肌が立ってしまう、そんな魅力を持ったこのイントロがなければこのアルバムはあり得ないように思います。歌う前にしゃべる文化というものが昭和の音楽には根付いていたはずですが、現在はあまり見かけないように思います。これから昭和音楽部は「歌う前にしゃべる文化」というものも一つのターニングポイントとして昭和音楽を散策していくでしょう!
参考ページ:Music Avenue : いしだ あゆみ&TIN PAN ALLEY FAMILY_アワー・コネクション
歌う前にしゃべりまくる連中、Parliamentについてはこの素晴らしい本を読んでね。
ブラック・マシン・ミュージック―ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ (2001/08) 野田 努 |
大貫妙子 – SUNSHOWER (1977/07/25)(ナカミチ)
次にナカミチが紹介したのは、こちらも「黄金の年」77年の名盤、大貫妙子の『SUNSHOWER』。ほぼ全ての編曲を坂本龍一が担当しており、ドラムにNYのAORバンドStuffのクリス・パーカーを迎えたこともあってかなり都会的な一枚。しかし歌詞をよくよく見ていくと、作詞家「大貫妙子」が叫んでいるのは「都会からの脱出」というキーワードなのである。皮肉なことだが、時代が大貫妙子のこのアルバムをシティポップス的な都会アレンジへとまとめてしまったのである。私たちは目に見えづらい「時代」というものをうまくパッキングしたアルバムとしてシティポップスの大名盤『SUNSHOWER』を受け止めると同時に、ライターとしての「大貫妙子」を正しく評価する必要がある。
荒井由実 – MISSLIM (1974/10/05)(ウエニシ)
最後にウエニシが紹介したのは荒井由実の『MISSLIM』。文句なしの名盤ですが、特に注目したいのは「12月の雨」!荒井由実の作詞家としての才能は素晴らしく、「優しく牙を剥く」的な詩的センスで紡ぎだされる歌詞はこのアルバムに既に出現しており、「12月の雨」における「時はいつの日にも親切な友達 過ぎていくきのうを物語にかえる」という歌詞にはハッとさせられます。歌詞に東京各所を登場させるといった都会的センスも兼ね備えており、そのような意味でも後のシティポップス全盛期に与えた影響は大きいと考えられます。
昭和音楽部はこんな感じでこれからも毎週やっていきます。今週の昭和音楽部のように、昭和音楽部が終了したあとはみんなでDOMMUNEを観ながら踊ったり、音楽を聴きながら酒を飲んだり、映画を観たりしたいと思います。
それでは来週もお楽しみに。
’77 0811(ナカミチ)
すべての昭和音楽にありがとう。映研昭和音楽部部長のナカミチです。
1977年の音楽がやばすぎということで、この熱い心をブログにまとめることでみなさんのSNSを汚すのを避けます。
とりあえず77年にちなんで7曲。シティポップスを中心に集めてみました。ティン・パン・アレーや山下達郎や坂本龍一なんかが素晴らしい仕事をしてます。映研昭和音楽部は各自このあたりレコードやらCDやらアレしてください。
Chart 0808(ナカミチ)
レポートが煮詰まったのでブログを更新しに来ました。
例によって最近聴いたアルバムとその中から一曲です。
Machinedrum – 『Room(s)』 – “Come1“
Room(s) (2011/07/29) Machinedrum |
SebastiAn – 『Total』 – “Kindercut
Total (2011/06/14) Sebastian |
Gil-Scott Heron & Jamie XX – 『We’re New Here』 – “My Cloud“
We’re New Here (2011/03/01) Gil Scott-Heron & Jamie XX |
Best Coast – 『Crazy For You』 – “Crazy For You“
Crazy for You (2010/07/27) Best Coast |
tUnE-yArDs – 『w h o k i l l』 – “Gangsta“
Who Kill (2011/04/19) Tune-Yards |
The Greg Foat Group – 『Dark is the Sun』 – “Uncle Bessie“
Dark Is the Sun (2011/06/28) Greg Group Foat |
Atari Teenage Riot – 『Is This Hyperreal?』 – “Activate“
Is This Hyperreal? (2011/07/26) Atari Teenage Riot |
Katy B – 『On A Mission』 – “Lights On“
On a Mission (2011/09/13) Katy B |
Ras G – 『Down 2 Earth』 – “Harlem Negus Wild“
Down 2 Earth (2011/08/02) Ras G |
ももいろクローバーZ – 『Battle and Romance』 – “ワニとシャンプー“
【アマゾンオリジナルブロマイド付き】バトル アンド ロマンス(初回限定盤A) (2011/07/27) ももいろクローバーZ |
Katy Bという素晴らしいボーカリストを手に入れたダブステップ・ドラムンベース。あのダブステップのBengaがプロデューサーとして参加しています。なんでもすぐにごちゃまぜにしてしまって結果的にかっこいいものを作ってくるといういかにもイギリスらしいアルバム『On A Mission』は結構良い。
ちなみに最近観た映画では『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』がベストです。
Chart 0723(ナカミチ)
一度たくさんYouTubeの動画を載せてたくさん文章を書いてブログ記事を更新していたのですが、調子に乗りすぎてPCが固まって記事が全部消えたので生きる気力を失いそうになりましたが、泣く泣くまた更新しています。前よりもぐっと文章が減ったことをみんなに嘆いてもらいたいです。
最近聴いて良かったアルバムとその中から一曲を載せていきます。かなり音楽の趣味が偏っているので参考になるか分かりませんがどうぞ。
James Blake – 『James Blake』 – “Limit To Your Love“
James Blake (2011/03/22) James Blake |
Tyler, the Creator – 『Goblin』 – “Yonkers“
Goblin (2011/05/10) Tyler the Creator |
Toro Y Moi – 『Underneath the Pine』 – “New Beat“
Underneath the Pine (2011/03/08) Toro Y Moi |
Teams vs. Star Slinger – 『Teams vs. Star Slinger』 – “Close to Me“
TEAMS VS. STAR SLINGER (2011/07/01) TEAMS VS. STAR SLINGER、TEAMS 他 |
Fatima – 『Follow You』 – “Mind“
Follow You [12 inch Analog] (2011/01/25) Floating Points & Fatima |
Kode9 & The Spaceape – 『Black Sun』 – “Black Sun“
Black Sun (2011/04/26) Kode9 |
Keaver & Brause – 『The Middle Way』 – “Awake / Laastic“
The Middle Way (2009/06/10) Keaver & Brause |
SBTRKT – 『SBTRKT』 – “Sanctuary“
Sbtrkt (2011/07/12) Sbtrkt |
Shabazz Palaces – 『Black Up』 – “Are You Can You Were You (Felt)“
Black Up (2011/06/28) Shabazz Palaces |
この中で個人的に一番好きなのはShabazz Palaces『Black Up』です。一度聴いたら衝撃を忘れられないアヴァンラップで、Digable PlanetsのリーダーButterflyによるソロプロジェクトだというのも驚きです。
新歓上映会最終日告知等(ナカミチ)
昨日某サークルの新歓に潜り込んで非常になんというかその微妙な感じになって帰ってきたナカミチです。
映研もいよいよ新歓上映会最終日!ということで告知です。
『北大映画研究会 新歓上映会 最終日!』
日時:4月28日(木)18:30~
場所:高等教育推進機構(教養棟) E217教室 (2階) Google Map
上映作品:
『インスタント葬』(中道駿監督、7分、2011年)
『(タイトル未定)』(近藤絵監督、約20分、2011年)
『空守の夢』(房川立樹監督、11分、2007年)
上映後スタッフ等への簡単なインタビュー、映研の紹介映像などがあります。
上映会後には食事会(おごり)があります!(上映作品についての質問などが監督に直接出来るかも!)
今回の上映会は新作とクラシック作品の3本立て!出来たてホヤホヤの2本とクラシックで映研がよく分かるかも?
特別ゲストで札幌学院大学映画研究会の作品上映もあるかも。
映研に興味がある方はぜひいらしてください。上映会にゲスト呼ぶのってなんか良い感じですね。(無理矢理ゲストという枠にしてしまいました。すいません、札幌学院大学映画研究会様)
これからは他の映画研究会や映画製作団体とコラボで上映会を企画したりもしてみたいです。
話は変わって、つい先日新入生を交えた撮影会と称してモリモトの新作撮影がありました。といってもリハでしたが。普段は行わないのですが、今回はリハを本編の尺がっつり撮影して、本編をまた撮るという方法を採ることにしました。手間はかかりますが、本編が良くならないはずがないですね。時間がある大学生の底力を見せてやれ的なやる気で。
以下撮影会のスチールから数枚。スチール撮影はナカミチ、コンノ、新入部員のウエニシ。誰がどれ撮ったか分からなくなってしまいそうです。
それでは明日の上映会でお待ちしております!
新歓2回目告知等(ナカミチ)
現在第2作目の脚本執筆中のナカミチです。脚本を書くという作業が苦痛です。
明日の新歓上映会の詳細について告知したいと思います。(手遅れ感は否めませんが)
『北大映画研究会 新歓上映会 2日目!』
日時:4月22日(金)18:30~
場所:高等教育推進機構(教養棟) E217教室 (2階) Google Map
上映作品:
『軽い十字架』(對馬考哉監督、34分、2008年)
『M本君の逆襲』(菅原竜太監督、7分、2009年)
上映後スタッフ等への簡単なインタビュー、映研の紹介映像などがあります。
上映会後には食事会(おごり)があります!(上映作品についての質問などが監督に直接出来るかも!)
他大学の方、2年生以上の方大歓迎です!映画を撮ってみたいという気がある人ならどんな人でもどうぞ。いやむしろ撮る気がなくてもどうぞ。というより映画に興味が無くてもどうぞ。ということでどんなひとでも歓迎します。
合わせて映研とは直接関係がないのですが、主にナカミチとコンノが関わっている北大ショートフィルム第3弾の新入生歓迎イベントの告知をさせてください。
ノーベル化学賞受賞記念
『鈴木章先生と一緒に映画を作ろう!』
日時:4月23日(土) 13:00~14:30(第1部)、18:00~19:30(第2部)
場所:北海道大学内遠友学舎(北18条門から入って右手に見えるガラス張りの建物) Google Map
内容:
特別ゲスト・早川渉監督(『壁男』(2006年)、北大映画研究会出身!)による映画制作の紹介
江口彰プロデューサーによる北大ショートフィルムの紹介
北大映画館プロジェクト、北大映研、カタリバによるサークル紹介
現在製作中の北大ショートフィルム第3弾の紹介が主な内容になります。なんと今作ではノーベル化学賞を受賞された鈴木章先生がご出演されます!(なんというビッグプロジェクト)
プロの映画製作ってどんな感じなのか知りたい方にはぴったりの企画!早川監督に直接質問することも出来ます。
とまあ新歓イベント目白押しです。4月くらいしかこんなにがっつりイベントをやったりしないと思うので新入生は今がチャンスだと思います。(いやマジで)
現在北大映画研究会では、コンドウ作品(完成間近?)、モリモト作品(日程が合い次第撮影)、ナカミチ作品(脚本)、ツシマ作品(脚本)、マツモト作品(企画?)、コンノ作品(企画)、スガワラ作品(編集、企画?)などが動いている模様。(ざっと今思い出せる限り)
このほかにもきっと部長に隠れて企画を練っていたりする伏兵がいると思うので実際の数はもっと多いはず。精力的でなかなか良いですね。ぜひ全員の完成作が観たい!
最近観た『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が個人的には結構好きでした。「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」、それは日本のことなんですが、東京を飛び出した主人公達がどこにあるかも知らない網走目指して出発するあの興奮は、まさにアメリカンニューシネマのあの興奮!でもあんなに一筋縄でいかないのがこの日本という国の堅牢さなのです。彼等がぶち当たった壁とは何か。ぶっ壊したかったものとはなんだったのか。おすすめの一本です。
「海」というものが柔らかい壁として主人公達に立ち向かってくるという暗喩的表現が好きです。日本は島国で四方を「壁」に囲まれており、彼等は網走の先を知らないのです。
おやすみなさい。明日上映会でお会いしましょう!
チェホフスキの「眼」(ナカミチ)
昨日のブログにも書きましたが、ポーランド現代映画セレクションに合わせたワークショップがかでる2・7で開かれ、自分も参加してきました。ワークショップに参加した者の使命は参加出来なかった人たちに内容を伝えることである!(そして自分の中での理解力を高める!)と息巻いてカメラ携えてプラッと行ってきました。
ワークショップ会場。ホワイトボードの横には大きく「災い」の文字が。ホワイトボードにも「WAZAWAI」と書かれています。
ゲスト講師はポーランド人ドキュメンタリー作家、ヴァルデマル・チェホフスキ監督。チェホフスキ監督は1952年ソスノヴィエツ生まれで、テレビ・劇場問わず様々な場で数々のドキュメンタリー作品を残した、ポーランドドキュメンタリー界のリーダーとも呼べる人物です。日本ではあまり有名ではないのですが、ポーランドでは若手の育成にも力を入れており現在でも精力的に製作をしています。
講師のヴァルデマル・チェホフスキ監督。
まず監督は「ドキュメンタリーとは何か」ということについての自説を述べることから始めました。監督にとってドキュメンタリーとは製作者と観客の間の「疑問」によるコミュニケーションだそうです。製作者は作品によって観客に疑問を投げかけるが、同時に観客も作品を観た後では製作者に対して疑問を投げかけることが出来る。このようなコミュニケーションを経て、今まで見えなかった何かが見えるようになるのです。
監督は駐日ポーランド大使館の方から「今回の東日本大震災の被災地に向かうが同行しないか」と誘われ、福島県や宮城県を巡り、その様子をカメラにおさめました。そこで撮影した映像は『WAZAWAI』(2011年、27分、未完)としてまとめられ、ワークショップで上映されました。タイトルに「災い」を選んだ理由として監督は、「災い転じて福となす」という日本語のことわざに惹かれたためだと答えていました。ポーランドはチェルノブイリ原発事故があったウクライナのすぐ近くにあり、今回の福島第一原発の事故が他人事のように思えなかったと語っていました。
津波によって打ち上げられた漁船が田んぼのど真ん中に転がっていたり、商店街のど真ん中に転がっていたり、その被害は自分の想像以上でした。しかし自分にとってより衝撃的だったのは、自分の家が半壊したことを笑いながら語る女性の姿でした。「笑うしかない」というよりもむしろ、「もう片付けるしかない」といった諦めからの活力に満ちていて、衝撃を受けました。
もう一本『ヴィンツェンスの足跡を追って』(57分)の上映がありました。こちらは時系列順に映像を並べた『WAZAWAI』とは打ってかわって、構成力で見せるドキュメンタリー作品でした。ポーランドの文学者であり思想家のヴィンツェンス(フルネームメモれませんでした。無念)の生涯を、彼を知る人たちへのインタビューによって明らかにしていく作品で、ヴィンツェンスの生まれ育ったウクライナのフツル地方の雄大な自然が美しい作品でした。こちらの作品は製作に10年を費やしており、それだけに密度の高い作品でした。そのせいなのか自分としては非常に難しく感じ、若干退屈な印象を受けました。恐らくヴィンツェンスの著作に一度も触れたことがないのも原因なのでしょう。国外での公開を想定していないと思われるので仕方ないでしょうが、ヴィンツェンスが著した作品の雰囲気が読み取れず、ドキュメンタリー作品としては少々説明不足かもしれません。
ワークショップ全体を通しての感想としては、もうちょっと踏み込んだ話が聞きたかったかなという感じでした。映像専攻の学生や、映像業界の人は比較的少なく、一般の方が多かったので作品の内容の方に話が集中し、自分が一番聞きたかった「ドキュメンタリーの本質」の部分にはほとんど触れずに終了してしまった感じがします。
それでもドキュメンタリー作品において音楽を使う重要性や、ドキュメンタリー作品の構成法の応用など興味深い話もたくさんありました。これで参加費が無料なのは安すぎる!(作品も観られるし!)
映研から参加したのは自分とイバヤシの2名だけで若干寂しいかなとも思いましたが、時間的に仕方ないですね。このようなチャンスは何度もあると思うので、出来るだけ広範囲でアンテナを張ってあちこちに行けば貴重な体験が得られるはず。
意識の高い就活生のようなブログになってしまい読み直す気がなくなってきたのでそろそろ終わりにします。明日のポーランド映画が楽しみ。余力があれば成瀬巳喜男の『放浪記』を観て寝ます。おやすみなさい。