春新歓ブログリレー⑩「ザ・コンサルタント」

こんにちは、副部長の矢野根です。

一週間とはあっという間なもので、もう次の番がまわってきました。

まぁ、前回と同じように最近見た映画「ザ・コンサルタント」について書こうと思います。

 

まずは「ザ・コンサルタント」から

あらすじ

田舎町のしがない会計コンサルタント、クリスチャン・ウルフに舞い込んだ、大企業からの財務調査依頼。彼は重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に打ち切られる。その日から、何者かに命を狙われるウルフ。実は彼は、麻薬カルテル、武器商人、殺し屋、マネー・ロンダリングの達人など、世界で最も危険な顧客を抱える“裏社会の掃除屋”でもあった。数字に関して天才的頭脳を持ち、完璧な闇の会計術で悪人たちの裏帳簿を仕切る一方、命中率100%の狙撃の腕と暗殺術を身に着けた彼は決して彼らの餌食になることはない。アメリカ政府も彼の存在に目をつけ、身元を洗うが、名前は偽名、本籍・私生活も不明、すべてが謎に包まれたウルフの正体を掴めない。そして彼の周りで大量に挙がる死体の山―大企業の不正を暴き、マフィアと違法な取引を重ね、国に追われてまで危険な仕事に手を出す、この男の真の目的とは?(ザ・コンサルタント公式サイトより)

 

よくある「実はもとCIAの~」的なアクション映画と思いきや全然そんなことは無く、何とも奇妙なバランスではありますが、よく考えられた良作でございました。

正直このあらすじ、映画の中身と全然違います。おそらく配給が狙ったミスリードというか予告詐欺というか。かなり奇妙な映画なのでこう宣伝するしか他に方法が無かったんだと思いますが。まぁ騙されたほうが楽しかったということで別に悪いことではないですけど。

 

まずこのあらすじでは主人公、クリスチャン・ウルフはただの強くて凄いヤツ(語彙力が死んでいる)とイメージしてしまいますが、実は高度自閉症であるという設定があります。この設定が今作最大の特徴かつ旨みです。細かく配慮された演出、子役の熱演、そして何より主演のベン・アフレックのいつも以上に死んだ目の無表情演技より、ラストまでこの設定が風化せず重要なファクターとなっています。全く予告やフライヤーでは触れられてないですけどね。

ストーリーは複雑な時系列で展開されます。正直途中までは混乱しながら見ていたのですが、見終わった後にはスッキリと全体像が見えてくる作りで非常に感心しました。宣伝で使われているジグソーパズルのイメージ。まさにその例えがしっくりきます。トーンもシリアスかつ、丁度いいユーモアも含まれている絶妙なバランスが最高です。

あとネタバレになるのであまり言いませんが、本作には「家族」という大きな要素があります。個人的に「家族」がテーマだとグサッとくるのでたまらなかったですね。

キャストもとても良かったです。ベン・アフレックは勿論、J・K・シモンズ、アナ・ケンドリック等皆素晴らしかったです。中でも主人公を狙う殺し屋を演じたジョン・バーンサルが特に良かった。彼がデアデビル シーズン2で演じたパニッシャーもそうですが、敵に対しては冷酷だが、身内や仲間には情が厚いというキャラクターが非常によく似合う。一気に惚れ込みましたよ。

上に述べたように基本悪いところはないのですが、一つ文句を言うとすればアクションですかね。ベンアフもこの映画のためにインドネシアの格闘技シラットを学んだらしいのです。しかし本作ラストのアクションシーンは非常に画面が暗い。おかげでせっかくのアクションが見えません。何が起きているのかよくわからないというのは暗殺術として正解ですが、映画としてはどうなんでしょう。

 

文章力がない上に、本当に変わった映画で魅力を伝えるのが難しいため全然魅力が伝わっていないと思います。好き嫌いは分かれると思いますが、気になった方は是非見てみてください。

春新歓ブログリレー⑨「2/24」

どうも、副部長の三浦です。投稿がまたもや微妙に遅れそうですが、次の方は気にしないでください。ごめんなさい。

今日(昨日)、アカデミー賞の発表が行われましたね。『ラ・ラ・ランド』が総なめするかと思いきや、案外少なめの6部門受賞。さらに、まさかの作品賞を逃すという事態。プレゼンターが最初の発表を間違えるという始末。今回はこの『ラ・ラ・ランド』の話と、『ラ・ラ・ランド』公開日と同じ日に発売された村上春樹の新作『騎士団長殺し』についての話をしたいと思います。最初に言っておきますが別に共通点があるとかでは全くないです。

『ラ・ラ・ランド』
公開日に観にいったんですが、前評判以上に最高な映画だったと思います。『ロシュフォールの恋人たち』のオマージュと思われるオープニングから始まり、エマ・ストーン演じるミアが女友達と出かけるシーンは『ウエスト・サイド・ストーリー』や『雨に唄えば』、『スイート・チャリティー』に似たシーンが多数登場。ミアとセバスチャンがロスの夜景を背景に踊るシーンは『雨に唄えば』→『踊らん哉』→『バンド・ワゴン』の3コンボ。プラネタリウムのシーンは『ムーラン・ルージュ』の再現。そして、ラストのあるシーンのなかでは『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』をはじめ、『巴里のアメリカ人』、『躍るニューヨーク』などへのオマージュが。全体の撮影のトーンは『ブギーナイツ』を参考にしてる部分が多々あると思います。そして、散々指摘されてるのかもしれませんが、全体の下敷きになってるのはマーティン・スコセッシの『ニューヨーク・ニューヨーク』でしょうね。この『ニューヨーク・ニューヨーク』だけは、観る前でも後でもどちらでもいいですが、観てもらえると『ラ・ラ・ランド』が何倍も楽しめるのかなと思います。そして、『ラ・ラ・ランド』が普通のハリウッドミュージカル映画とは違った結末を迎えるにもかかわらず、これだけ愛される作品になり得たのかとかも理解が深まるのではないかと思います。

『騎士団長殺し』
申し訳ないんですが、こちらまだ読み終わっておりません。とりあえず第2部の最初の方まで読んだ感想を書きたいと思います。
村上春樹の長編小説は全て読んでる僕ですが(ハルキストではない)、本作は今までの村上春樹とは少し違った部分もあったりする作品かなと思います。まぁ、その感想とかを箇条書きで書いていきます。

その前にあらすじ↓
主人公の「私」は画家で、学生時代は抽象画を描いていたものの、結婚した後は生計を立てるために肖像画を専門とする画家に。物語はそんな「私」が妻にいきなり離婚されるところから始まります。そして、離婚後はずっと空き家になっていた、山の上にある友人の祖父の家に留守番代わりに住むことに。この友人の祖父は日本絵画の有名な画家で、その家から『騎士団長殺し』と題された不思議な絵がでてきて…。みたいな話です。

では、以下感想。
①主人公が思ったほどキザな喋り方をしない
画家で山の上に住んでてクラシック聴いているというだけで、まぁキザといえばキザなのだが、喋り方は今までになく普通である。Amazonのレビューとか見ると「相変わらずキザでうざい」みたいな意見も散見されるが、はっきし言ってかなりマシな方である。お決まりの「やれやれ」もかなり少なめ。そして、今まで(特に初期)の主人公が、不可解な出来事に対して恐ろしく淡白なリアクションで済ますのに対して、今回の主人公はかなり真っ当に困惑している。そういう意味で、本作は村上春樹初心者に易しい小説かもしれない。

②1部の350ページくらいまでが恐ろしく普通
今までの村上の大長編では割と早い段階で、常識的には考えられない展開が登場する。具体的には、井戸をすり抜けたり、猫と話せる中年オヤジがでてきたり、必殺仕事人みたいな女がでてきたり。しかし、本作は350ページくらいまで、若干怪談っぽいことが起こるにせよ普通に読み進められるレベル。

③350ページからの振り落し方がすごい
しかし、この小説、350ページからいきなりシュールになる。『海辺のカフカ』でもカーネル・サンダースの格好したおっさんが出てきたりとかなりシュールではあるのだが、それまでに散々色々起こってるせいで、読者的には「あー、はいはい」で済ませられる。しかし、本作はそれまでが割りかし普通なせいで振れ幅がすごい印象を受けてしまう。新劇場版エヴァの『破』→『Q』の感じに近く、もはやシュールギャグのレベル。慣れてしまえばなんてことはないものの、ここで断念する人も多いかも。

④その他印象
他の大長編に比べて少しこじんまりした印象。『1Q84』が壮大すぎたせいもあるかもしれないが。1人称であったり、隔章の構成になってないあたりは『ねじまき鳥クロニクル』に近いかな。あとキーキャラクターである免色さんの個性がかなり魅力的。『海辺のカフカ』の星野くんとナカタさんや『1Q84』の牛河を凌駕するレベル。

まぁ、雑な感想としては以上4点くらいです。村上春樹初心者にはおすすめしやすい類の長編ではあると思います。「村上春樹ってなんか難しそう」とか「村上春樹ってキザすぎて」みたいな印象を抱いてる方は読んでみると少し印象が変わるかもしれません。しかし、今のところかなり現実的なレベルで話が進んでいくので、『1Q84』とかが好きだった人の中には物足りなさを感じる人もいるかも。話全体としては(といっても読み終わってないんですが)、全体主義的な傾向に進んでいく世界に対する思いが強く反映されているのかなと思いますね。
ごめんなさい。予想以上に長くなりました。そして、遅くなりました。次回はちょっと旅行に出かけてて、書けない可能性もあるんで違う人がやるかもしれません。その時に『騎士団長殺し』全て読み終えた上で、またなんか少し書こうかと思います。それではまた。

春新歓ブログリレー⑧「シネマdeポリス」

こんにちは、部長の小竹です。

受験生の皆さん、受験お疲れ様です。昨日今日と悪天候ですがめげずに札幌に来てくれることをお待ちしてます。

先週から始めたブログリレーですが途切れずに続いていて感動しています。この調子で頑張っていきましょう。

 

さて、今日の話題は「シネマdeポリス」についてです。「シネマdeポリス」通称シネポリは札幌近郊5大学の映像系サークルが集まり、お互いの作品を持ち寄り評価を競うイベントです。

昨日今年度のシネポリが北星学園大学で行われ、僕ら北大映研も参加してきました。

映研外の人に作品を評価してもらうことは少ないので貴重な機会でした。

やっぱり人に見てもらってこそですよね、映画も表現物なので。

他人に自分の作品を見せることは恥ずかしいですが乗り越えなきゃいけないと思います。

新歓上映会で新入生の皆さんの感想も是非聞きたいです。

中々納得できる出来にはならないですが映画づくりは楽しいです。ぜひ春新歓来てみてください。

 

短いですが今週はこの辺で。来週はラップバトルについて話したいです。

それでは。


 

春新歓ブログリレー⑦ 「サルミアッキ」

初めまして。順番が回ってきたので書きます1年の寺西こと絶望感です。初めに言いますがタイトルは適当です。

渡されたバトンを見てみるとなんだか映画の話ばっかり続いてますね。まあ映画研究会なので当たり前なんですけれども。

しかしここには沢山の人がいます。そんなに映画を見てない人もいます(たとえば自分)。

現に今書く内容なあんにも思いついておりません。

んー、好きな本の話でもしましょうか。

私の好きな本に「家畜人ヤプー」というのがあります。

この本は覆面作家・沼正三によって執筆され、「奇譚クラブ」という雑誌にて連載された小説です。あまりに強烈な内容から『奇書』の類として扱われることもあります。あらすじは196X年、日本人留学生の瀬部麟一郎とその婚約者であるドイツ人のクララは、不慮の事故から不時着した西暦3970年の未来帝国EHS(イース)人ポーリーンの勘違いによって彼女の故郷であるイース帝国へと連れていかれてしまう。そこは白人至上主義の世界で、黒人は奴隷として酷使され、黄色人種である日本人は「ヤプー」と呼ばれる家畜(畜人)であり、未来の発展した科学技術によって愛玩動物から生体家具(生きた家具)、果ては消耗品などに使用される「モノ」として扱われるのであった。幸い白人であったためにクララは丁寧にもてなされたのだが、日本人であった麟一郎はヤプーとして過ごす運命となってしまう…というもの。

なんといっても面白いのはこのヤプーの扱われようです。思わず笑ってしまう(人によっては吐き気を催す?)ほどにひどい扱いを受けるのです。しかもただコケにされるだけではありません。イース帝国では洗脳教育により、ヤプーはそのように家具としてイース人に使役する日々を送ることがこの上ない幸せで感じられるようになっており、自らその運命を受け入れているのです。誰もこの関係に異を唱えない。イース人側はこの「便利な生活用品」を用いるのが普通であり、ヤプーはイース人の道具となり果てることが当たり前なのです。連載された雑誌のことも考えると、これは究極のマゾヒズムといえるでしょう。

また関心すべきは、これらヤプーがどのようにして使役しているのか。それが詳細に描かれているのです。技術の面は勿論のこと、ヤプー使役の過程で生まれた文化、法律、派生言語、(若干こじつけの印象も感じますが)タイムマシンによる過去の日本への影響など、この作り込みには脱帽します。

例えば、ヤプーの中には「子宮畜(ヤプム)」というのがいます。これはイース人の女性が妊娠した際に胎盤をヤプーの雌(ここが「女性」と書かれないのも注目!)に移植し、代わりに胎児を育てさせるのです。しかし、ヤプーからイース人が産まれるのは好まれないため、帝王切開によって子供が産まれます。このため選ばれるヤプーは難産型が好まれ、なおかつ処女でなければならないそうです。そしてこのヤプムは原産国である「邪蛮(jaban)」からの厳しい検査によって選出されます。合格したヤプーは国民にとっての憧れであり、それらは「お袋様」(「子宮」の意で「袋」)であったり、「聖母様(マリア)」(神であるのイース人の子を処女受胎するため)と呼ばれるのです。ちなみに「ヤプム(yapomb)」とは「ヤプー(yapoo)」と「子宮(womb)」から生まれた言葉だそうです。

また、原球面(過去の地球)へ旅行にいったイース人が水中を移動する際に用いる乗り物に「両棲畜人(アンフィビ・ヤプー)」というのがあります。これはヤプー育種学によって海中では人工鰓で、陸上では全身の皮膚呼吸で生きていけるように品種改良されたヤプーです。背中に小型の原子力ジェットを積み、頭部に跨って移動します。跨りやすいように顎の方が細くなるように削られるため頭部は逆三角形の形をしています。この両棲畜人を生み出すまでに様々な試作品が作られており、それぞれバージョン毎にアルファ、ベータ、ガンマ…と名称が付けられたのですが、最終的に広く普及したのはこの「カッパ」タイプでした。これが原球面で原始ヤプーに目撃されたことで、河童の伝説は生まれたのでした。

いかがでしょうか。これでも簡単な説明にした方です。これだけ緻密に作られた説明(やっぱりこじつけ?)が次から次へと現れるのです。それがこの「家畜人ヤプー」の魅力のひとつでもあるのですが、読みにくさの原因でもあります。この流れ込んでくる洪水のような情報の波に飲まれつつも、その中にある圧倒的なマゾヒズムを感じ取ってみてください。きっとこの小説の虜となるでしょう。

どうでもよいですがどうも私は読みにくい系の小説が好きみたいですね。「虚人たち」とか「道化師の蝶」とか好きですし。

というわけで、映画を全然見ていなくても別に問題ないですよ!という話でした。そうだったっけ?

春新歓ブログリレー⑥ 「映研の活動について」

はじめまして。3年の立浪と申します。

明日25日は2次試験の日のようですね。受験生のみなさんは緊張なさっていることかと思いますが、ベストを尽くせるといいですね。

さて、受験生の皆さんは忙しいとは思いますが、ブログリレーの順番が回ってきたので僕からは北大映研(「映画研究会」を略して「映研」と呼んでいます。)の活動やサークルの雰囲気などを紹介してみたいと思います。

我々北大映研は北海道大学公認の学生団体(http://www.hokudai.ac.jp/gakusei/campus-life/campus/activity.html#item1)のひとつとして活動をしています。

 

主な活動は映画制作、映画鑑賞、その他映画に関することなどです。映画制作は脚本を始め撮影、編集など自分たちで1から行っています。映画制作を一通りできるように必要な機材は部で所有しているものがあります。また、入部したばかりの部員は基本的にみんな映画制作をしたことがない人がほとんどですので、みんなでどのようにすればよいか勉強しながら制作しています。作成した作品を上映したりすることもあります。

あとは僕が直接関わったものだと企業の方から連絡を受けて映像制作のお手伝いをさせて頂いたことや、プロの方に協力して頂いて映画制作をしたこともあります。

 

部員は映画が好きな人が多く、最近鑑賞した映画や好きな映画についてが共通の話題になることが多いです。

もちろん部員はたくさんいるので中にはそこまで映画を観るわけでもなかったり、映画制作にはそれほど参加しない部員もいます(部員は必ず映画制作に取り組まなければならないというような決まりや雰囲気はありません)。映画の他に音楽が好きな人も漫画が好きな人も居ます。それぞれ部員の中で趣味の合う人を見つけているようです。

つまり、どのようにサークルに参加するかは自由ということですね。このサークルに入ってどんどん映画を創るのも、映画をたくさん観てみんなと感想を共有するのも、ただみんなで旅行にいくのを楽しむのもアリです。もしこのブログを見てくれた方で新たに入部してくれる方が入れば、それぞれが自分の思ったような方法で参加してくれればと思います。

春新歓ブログリレー⑤ 「好きな映画」

はじめまして。部員1年の善本です。ブログリレーの水曜日担当になりました。よろしくお願いします。1日ズレているようなので木曜日の投稿になります。テーマはなんでも良いとのことなので好きな映画について書いていこうと思います。

「最強のふたり」。2011年のフランス映画です。日本での公開は2012年。首から下が麻痺した富豪が気まぐれにちゃらんぽらんした貧困層出身の青年を新しい介護人に雇う、というとこらから物語が始まります。このふたりが友情を深めていく過程をコメディタッチに描いていくのですが、じんわり優しいラストが待っています。どこからがネタバレになってしまうのかよくわからないので多くは書きません。

この映画の魅力は、ストーリーはもちろんですが、ふたりの掛け合いと音楽だと思います。貧困層の出の青年は上流階級が鼻で笑うか眉を顰めるかするようなことを言いまくるのですが、なんだか考えさせられるような内容だったりするのです。富豪もそれを受け止めるだけの器を持っている。青年が富豪に、見ている側がひやっとするようなブラックジョークを投げるところもあるのですが、富豪も起こらないのです。上流階級と貧困層。まったく住んでいた世界が違ったふたりですが、互いに心を通わせ、尊重、信頼しあっているのです。だからこその漫才のようなやりとりは最高でした。音楽も魅力的でした。Ludovico Einaudiが音楽を担当しているのですが、彼の曲がまた良いんです。どこか寂しい綺麗な曲で、映画の世界で観客を包むのに一役買っています。ついサントラを借りてきてしまいました。ふたりが聴いている曲も劇中で流れます。こちらも皆知っているような名曲ぞろいです。

「最強のふたり」は日本で最も成功したフランス映画だそうですね。知っている方もきっと多かったでしょう。見ていない方も、見ていただけると嬉しいです。

まだまだ札幌では寒い日が続いています。お体に気を付けて。ではまた。

新歓ブログリレー④「新歓に向けて映画を撮る」

どうも、2年副部長の笹木です。今回は、大きく2つに分けて書きます。遅くなってすいません。

1つ目。さてまずは驚いたことに、2016年公開映画の自分の個人ベストと映研ベストが殆ど被りませんでした。反骨精神があった訳では無いのですが。

1位 『ハッピーアワー』

2位『光りの墓』

3位『シチズンフォー』

4位『退屈な日々にさようならを』

5位『サウルの息子』

6位『光のノスタルジア』

7位『永い言い訳』

8位『この世界の片隅に』

9位『あの頃エッフェル塔の下で』

10位『ヒッチコック/トリュフォー』

今更ながら僕の個人ベストです。1位はぶっちぎりでした。監督である濱口竜介は商業映画こそ撮っていませんが、にも関わらずそのフィルモグラフィーの評価が高い稀有な映画監督で、年末に彼の特集を見に行ったのですが、どの映画も脚本の完成度が素晴らしかったのが印象的でした。『ハッピーアワー』は札幌上映が1日2日程度だったので、見れなかった人も多いかもしれませんが機会があれば是非見てみて下さい。

2つ目。こっちがタイトルの中身です。まず新入生の皆さんに説明しておくと、北大映研は例年4月に新歓上映会という名の「サークルで作った映画を上映する新入生歓迎イベント」を行なっています。サークルの活動紹介を交えながら、僕たちが普段どんな映画を撮っているのかを知ってもらうためにあります。我々は映画を「撮る」サークルなので。

それで現在僕は新歓に向けて中編映画を撮ろうと思っています。3月に殆どすべて撮影して4月に完成を予定しているのですが、札幌を離れて撮影しなければならないシーンなどもいくつかある上に、映研で映画を監督するのは初めてなので順調に予定通りにいくのか、というところなのです。完成したあかつきには新歓上映会で流せるかもしれないのですが正直まだどうなるかわかりません。なので楽しみにしてて下さい、という勝手な押し付けです(笑)。タイトルは『HORIZON』で、ある日の3人の男女の恋愛を映した恋愛映画です。面白くなるように頑張ります。

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春新歓ブログリレー③ 「ドクター・ストレンジ」

こんにちは。副部長の矢野根です。ブログリレーの月曜担当にいつの間にかなっていたので、何か書かないといけないらしいです。投稿日が火曜日になっているのは前の二人が一日ずらしたのに合わせたからです。本当です。火曜担当の人は水曜に投稿してください。

 

さて本日ですがテーマは何でもいいらしいので、つい先ほど二回目を見てきた『ドクター・ストレンジ』について軽く書こうと思います。

 

『ドクター・ストレンジ』

あらすじ

上から目線の天才外科医ドクター・ストレンジ。突然の交通事故により、神の手を失った彼を甦らせたのは─魔術。指導者エンシェント・ワンのもと、過酷な修行をかさね人智を超えた力を手にしたストレンジだったが、世界を破滅へと導く闇の魔術の存在を知ったとき、彼は壮絶な魔術の戦いに巻きこまれてゆく。しかし、“人を決して傷つけない”医者としての信念が、敵であってもその命を奪うことをためらわせる。彼は、いかにして闇の魔術に立ち向かい、人々の命を救うのか?ドクター・ストレンジにしかできない、常識も次元も超えた戦いが始まる。-(公式サイトより)

 

2014年の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にその名前が登場して以来「遂に来るのか!」と期待され続けた『ドクター・ストレンジ』が遂に公開されました。監督がスコット・デリクソンに決定した時はまあ心配したものですが、流石はマーベル。しっかり監督と現場をコントロールしたのでしょう、面白く仕上がっておりました。

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)の第14作目にあたる今作の最大の見どころはとにかく映像です。予告が公開された時点では「インセプションみたい」と言われていましたが、蓋を開けてみればインセプションよりも遥かに頭がおかしくなる映像で興奮が止まりませんでした。噂では酔ってしまった客もいるとか。僕もちょっと疲れが溜まった状態で見たためか、変な汗をかきましたね。映像だけであれほど興奮したのは初めての体験でした。

映像以外ではアクションとキャラの描き方が良かったです。戦闘シーンは魔法によって作り出した実体のない武器を使うもので、カンフー+魔法陣といった感じで新鮮でしたね。特にティルダ・スウィントン演じるエンシェント・ワンの舞というべき格闘術には誰もが惚れますよ。正直エンシェント・ワンの方がドクター・ストレンジよりカッコいいです。

映像やアクションに気をとられて忘れがちになりますが、キャラクターの描き方も良かったですね。流石ベネディクト・カンバーバッチです。今までのマーベルヒーローの中でもトップクラスに「人間らしさ」をもったキャラクターに仕上がっていたと思います。内面の成長もわかりやすく描かれてました。

では逆にダメだったところはどこか。それはコメディ要素と音楽ですね。マーベル作品には必須のコメディ要素。本作もいろいろな場面で笑わせにくるのですが、少し過多であまり笑えない感じでしたかね。マイティ・ソー/ダークワールドに近いところがあったように感じました。カッコよく決めるところはビシッと決めてもらいたいものです。そのせいでカタルシスが損なわれてしまっています。これはヒーロー映画としては大きな減点です。そして音楽。MCUにマイケル・ジアッキーノが初参戦したわけですが、メインテーマがスタートレックっぽくてエンドクレジットの間モヤモヤが残りました。ヒーロー映画には特徴的かつキャラにあっているテーマが欠かせません。もう少しストレンジに攻めた曲がメインテーマに欲しかったかなと。

まあ文句も言いましたが、僕は結構楽しめました。パンフもフィギュアも買うほどにはね。これまでのMCU作品を見てない方にも独立性が高いので見やすいと思いますし、何よりあの映像は映画館の大画面で見るべきだと思いますので未見の方は是非劇場で。

春新歓ブログリレー② 「2017年私的楽しみ映画」

どうも副部長の三浦です。新歓ブログリレー2日目でございます。部長同様担当日翌日の早朝に投稿する羽目になりそうです。

なんの話題にしようか迷ったんですが、年末に去年のベストを投稿したんで、今回は今年楽しみな映画を挙げます。思いつく限り投稿するんで、何本になるかわかんないです。あと日本公開が今年じゃない場合もあるんで、その辺ご了承ください。
ラ・ラ・ランド(2/24公開)/デミアン・チャゼル監督image

本年度アカデミー賞作品賞最有力候補ですね。『セッション』も傑作だったんで楽しみです。

 
お嬢さん(3/3公開)/パク・チャヌク監督image

アカデミー賞ノミネートこそなかったものの、前哨戦の外国映画賞は軒並み勝ちとってましたね。

 
哭声 コクソン(3/11公開)/ナ・ホンジン監督image

『チェイサー』、『哀しき獣』のナ・ホンジン監督最新作。國村隼の怪演が見られると話題。

 

キングコング 髑髏島の巨神(3/25公開)/ジョーダン・ポート=ロバーツ監督

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ハリウッド版ゴジラと同じ世界を共有してることが既に判明していますが、それにしても予告編の段階で死ぬほど怪獣出てて笑えます。

 
T2 トレインスポッティング(4/8公開)/ダニー・ボイル監督image

なんでターミネター2みたいな題名なのか不明ですが、同じ役者、監督ということで1作目のファンは皆楽しみですね。

 
ムーンライト(4月公開予定)/バリー・ジェンキンス監督image

『ラ・ラ・ランド』の最大の対抗馬として注目されてる作品。カラーリングバチバチにしてて予告編の映像がものすごいことになってます。

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス(5/12公開)/ジェームズ・ガン監督

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ガーディアンズの続編ですね。それだけで楽しみです。

 
メッセージ(5/19公開)/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督


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去年、僕がベストに選出した『ボーダーライン』のドゥニ・ヴィルヌーヴの最新作。アカデミー賞ノミネート作品ですが、地球外生命体の言語の翻訳の話とのことで、風変わりなSF。

 

美しい星(5/26公開)/吉田 大八監督image

三島由紀夫の異色小説を『桐島』の大八がリリー・フランキー主演で映画化。面白そう。

 
マンチェスター・バイ・ザ・シー(5月予定)/ケネス・ロナーガン監督

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どういう話なんだか全然知りませんが、アカデミー主演男優賞は確実だそう。

 
ハクソー・リッジ(6/24公開)/メル・ギブソン監督image

メルギブの戦争映画。面白そう。

 
Elle(夏公開予定)/ポール・バーホーベン監督image

レイプ被害を題材にした映画なのに、ジャンルはコメディというどう考えてもやばい映画。主演のイザベル・ユペールは本年度アカデミー主演女優賞ノミネート。

 
散歩する侵略者(9/16公開)/ 黒沢 清監督image

『クリーピー』、『ダゲレオタイプの女』と去年は絶好調だった黒沢清最新作。松田龍平、長澤まさみ、長谷川博己出演。

 
ダンケルク(9月公開予定)/クリストファー・ノーラン監督image

個人的に一番好きな監督、ノーランの最新作。今までスリラーかSFばっか撮ってたのに戦争映画で大丈夫なのかと思いますが、大丈夫と信じてあと7ヶ月間生きます。

 
ブレードランナー 2049(10/27公開)/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督image

またもやドゥニ・ヴィルヌーヴ。それもブレードランナー続編。次回作はDUNEのリメイクだそう。大丈夫か。

 
エンドレス・ポエトリー(秋公開予定)/アレハンドロ・ホドロフスキー

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まだまだ死なないホドロフスキー。

 
スター・ウォーズ 最後のジェダイ(12/25公開)/ライアン・ジョンソン監督

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新作のたびに不安と期待でいてもたってもいられないスター・ウォーズ。ライアン・ジョンソンって大丈夫か…。

 

Mute(日本公開未定)/ダンカン・ジョーンズ監督image

ゲームの映画化とかいう慣れない仕事引き受けて大失敗したデヴィッド・ボウイの息子ですが、次回作はSFノワールとのことで期待大。

 

The Shape of Water(日本公開未定)/ギレルモ・デル・トロ監督image

日本人にはパシリムで記憶されてるデルトロですが、新作は傑作『パンズ・ラビリンス』に近い雰囲気になるそう。

 
Mother!(日本公開未定)/ダーレン・アロノフスキー監督image

前作『ノア 約束の舟』はぶっ飛んでましたが、次回作はダークな作品で面白そう。主演のジェニファー・ローレンスと監督は付き合ってるらしい。

 
The Snowman(日本公開未定)/トーマス・アルフレッドソン監督image

『ぼくのエリ 200歳の少女』、『裏切りのサーカス』で僕の心を鷲掴みにしたトーマス・アルフレッドソン最新作。待ってました。

 
Wonderstruck(日本公開未定)/トッド・ヘインズ監督image

去年、僕のベストに選出した『キャロル』のトッド・ヘインズ最新作。美しい映像期待してます。

 
タイトル未定(日本公開未定)/キャスリン・ビグロー監督image

ここ最近は以前のやおいものでなく硬派な作品を残してるジェームズ・キャメロンの元妻。最新作はデトロイト暴動の映画。

 
Okja(日本公開未定)/ポン・ジュノ監督image

スピルバーグの後継者とまで言われるポン・ジュノ最新作は怪獣映画。グエムルレベルを期待しちゃいます。

 
Happy End(日本公開未定)/ミヒャエル・ハネケ監督image

監督の過去作からしてどう考えてもHappy Endではないでしょうね。

 
Baby Driver(日本公開未定)/エドガー・ライト監督


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みんな大好きエドガー・ライト新作は”ロックンロール・カーチェイス・ムービー”。絶対面白い。

 
タイトル未定(日本公開未定)/ポール・トーマス・アンダーソン監督image

「○○年代の××が舞台」みたいな紹介をやたらとされるPTA最新作は50年代のファッション業界が舞台。主演はダニエル・デイ=ルイス。アカデミー賞狙い撃ち。

 

 

これ以外にもまだまだありますがキリがないんでこの辺で。今年も楽しい1年になりそう。やはり担当日には間に合わなかった。

春新歓ブログリレー➀ 「映研ベスト!」

こんにちは、部長の小竹です。

春新歓に向けて今日から日替わりでブログリレーを始めたいと思います!

と、意気込んでいたのですが早速担当日の翌日早朝に投稿することになってしまいました…

 

気持ちを切り替えて頑張ります。

ブログリレー初回の今回は、1月に集計した2016年の映研ベストを発表します!

映画研究会では毎年ベストを集計しています。対象作品は基本的に2016年に札幌で公開されたものです。新入生のみなさんにとって良い映画紹介になれば幸いです。

それでは10位からいってみましょう!

 

 

10位 「恋人たち」koibitotati

10位には橋口亮輔監督久々の新作がランクイン。その圧倒的な重さとかすかな希望に少数ながら高評価を得ました。

 

9位 「海よりもまだ深く」

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9位には是枝監督の最新作がランクイン。相変わらずの丁寧な描写はさすがですね。僕は息子のキャラがお気に入りです。

 

7位 「ヘイトフルエイト」

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7位「怒り」

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7位はなんと同率で2作がランクイン。

「ヘイトフルエイト」はタランティーノ作品として安定の評価ですね。

「怒り」は主役級の役者が多数出演していて、演技が高評価の理由でした。

 

6位 「デッドプール」

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6位にはアメコミヒーローの異端児がランクイン。ポップかつ下世話なスタイルで幅広い層から支持を得ました。

 

5位 「オデッセイ」

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5位にはマット・デイモン主演、リドリー・スコット監督のこちらがランクイン。底抜けたポジティブさと科学とユーモアがあれば火星でも生きていけます。

 

4位 「ローグワン」

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4位にはスターウォーズのスピンオフ作品がランクイン。個人的には少し驚きでしたが、一年生男子のアツい支持を受けました。後半の展開はどうしたって盛り上がりますね。

 

3位 「ズートピア」zootopia

3位にはディズニーのオリジナル新作がランクイン。細部まで丁寧に作り込まれた世界観と王道ストーリーはやはり最高です。加えてキツネのニックは大人気でした。

 

2位 「この世界の片隅に」

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2位にはのん主演の邦画アニメがランクイン。映像、演出、ストーリー全てにおいて高評価の今作ですが、特にのんの演技は皆絶賛でした。

 

1位 「シンゴジラ」

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2016年の映研ベスト第1位は、大ヒットを記録した「シンゴジラ」でした。これほど日本人を上手く描いた映画はないでしょう。高橋一生や市川実日子など役者陣も話題になりました。

 

ということで2016年の映研ベストでした。去年はとにかく1位と2位が強かったです。一昨年のベストでは邦画が一つしかランクインしてなかったと考えると、2016年はやはり邦画の年だったのかもしれません。社会的ブームとなった「君の名は」は惜しくもランクインならずでした。今年もみんなでたくさん映画を観たいものです。

 

ブログリレー初回にして変則的な記事でしたが、後に続く方々は気にせず好きなことを書いてくださいね。僕はというと最近身の回りのものがどんどん壊れていって恐ろしいです。まずは外れてしまった浴槽を元に戻さねば…

 

それでは、今回はこの辺で終わりたいと思います!明日の担当は三浦君です!