2023年度春新歓ブログリレー#15

IMG_1531初めまして、映画部2年の遠藤といいます。

私がおすすめする映画は「シックス・センス」です。

公開は1999年10月、監督はM・ナイト・シャマラン監督です。

まず、簡単にあらすじを紹介します。ブルース・ウィリス演じる精神科医のマルコムは、かつて自分が担当していた患者に「自分を救ってくれなかった」という思いから拳銃で撃たれ、自室で倒れてしまいます。マルコムはリハビリを重ね、その1年後コール・シアーという少年と出会います。コールは死者が見えてしまう「第6感」を持っていました。しかしそのことを母親や学校の生徒、教師からは全く理解してもらえず、ひたすら脅える日々を送っていました。マルコムはコールの姿をかつて自分が救えなかった患者と重ね、コールをなんとかして救いたいと力になろうとするが…という話です。

この映画は最後の展開が非常に衝撃的で、大ヒットになったと言われています。

1999年の映画の興行収入について調べてみると、日本国内で4位になっていました。

(ちなみに1位は「アルマゲドン」、2位は「スターウォーズⅠ ファントム・メナス」でした)

ジャンルはホラー・ミステリーなのでけっこう怖いシーンが多いです。

画質も全体的に薄暗く黒がよく目立っていて、終始不穏というか不気味な感じが伝わってきました。こう、じわじわくる怖さって感じで、演出が印象的でした。(夜中に見ると、怖いかも…。)

最近公開された映画を見ていると、画質が本当に綺麗だな、鮮やかだなと思うことが多いです。有名な映画だとデジタルリマスター版が作られたりもしています。

でも、この映画に限ったことではないですが、古い映画の画質が持っている雰囲気や粗さもいいな~と改めて思えました。(^^)

前に述べたようにこの映画はミステリーでもあって、最後のどんでん返しでよく知られています。私はどんでん返しがある、ということはわかっていながら見たのですが、非常に驚いて鳥肌が立ちました。

あまり詳しいことは書くとネタバレになってしまうので書けないですが、とにかく何の情報もないで見た方が良い映画だなと思いました。もう一回よく見てみると、とても緻密に伏線が張られていることがわかって非常に面白かったです。

後半はヒューマンドラマの要素が強く、感動する場面も多くありました。

ホラーが苦手でない方には、ぜひ見てもらいたい映画だなっと思います。

映画部にはいろいろな部員がいるので、あんまり気負わずぜひ見学に来てください〜

読んでいただきありがとうございました!(^^)

2023年度春新歓ブログリレー#14

IMG_1515三年の豊岡です。

私が紹介する映画は「東京幻夢」(実相寺昭雄、1986年)です。
ある写真屋に現れた昔風の女、その姿に魅せられたカメラマンの男は、その女に魅せられ後を追うが………
といった、内容です。説明するのは難しいので観てください!
さて、ここから考察です。女は昔の東京(明治、大正期)を象徴しており、カメラマンは昔の東京に憧れを持ち、それを追うものを象徴しているように思います。理由はいくつかあります。まず、冒頭、昔の東京の映像をbgvとして流しながら人形を塗る男、それとは対比になるような近代的な建物の描写があります。そして、男が住んでいるところや好んで写真撮影する多くの場所は昔の面影を感じさせる東京の景色です。映像の中では、近代的建築物と古風な建築物の対比は随所に見られます。女の幻影を見かける場所は常に古い館や紙芝居など、昔風の場所であり、女は常に和服を着ています。また、象徴的に挿入される柱時計や、最後のお地蔵さんもまさしく「無常」を演出しています。老婆が例の女に見え、写真にそのように映ったのはまさしく、その老婆が明治、大正期の東京を生きたからでしょう。追い求めていた女の老婆となり、変わり果てた姿、すなわち追い求めていた昔の東京の現代の変わり果てた姿、時は戻せないことだと認識し、男は挫折、絶望したのでしょう。それが最後の爆発であるように思います。実相寺さんの東京へのイメージが凝縮されていますね。
以上のようなことを台詞を使わず、音楽(クロイツェル・ソナタ)と、美麗な映像で魅せる実相寺さんの感性は素晴らしいですね。

2023年度春新歓ブログリレー#13

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皆さま、おはこんばんちわ。北大映画研究会の萱野です。
私が今回紹介する映画は「天気の子」です。説明しなくてもわかる人も多いと思うんですが、一応概要だけ。

『天気の子』(てんきのこ、英: Weathering With You)は、新海誠が監督・脚本を務める、2019年の日本のアニメーション映画。
(Wikipediaより)

昨年公開されて話題になった「すずめの戸締り」の前作にあたる新海誠監督の作品です。「今から晴れるよ!」に聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
さて、この映画なのですが、よく比較されるのが、前作「君の名は」と次回作「すずめの戸締り」です。これらはいずれも、新海誠監督が、自身の作風を大衆向けに「魔改造」して生み出した作品であり、どれも男女を主人公とした「世界モノ」という点で共通しているものがあります。
そんな三作の中から、今回私が天気の子を選んだ理由、それは天気の子のもったメッセージが、他の二作と比較しても特異なものだからです。

(以下ネタバレ注意)

天気の子のラストで、主人公の帆高は東京を水没させる代わりにヒロインの陽菜を人柱から解放する選択をします。この、ヒロインを助けて世界を救わないという「世界モノ」としてはアンバランスな選択が天気の子のキモとなっています。
私の尊敬する岡田斗司夫先生は、このラストに対して、「そんなことでは世界はダメにならない」という新海誠監督のメッセージだと解釈しておられましたが、私は少し異なる解釈をしてみたいと思います。
劇中で、「東京は昔海だった」と語られるシーンがあり、最後、水没した東京に帰ってきた帆高の目には、水没したなりに適応して生きていく人々の姿が映ります。そして、帆高には「世界がこうなったのは、お前のせいじゃない」という言葉がかけられます。しかし、ラストシーンで陽菜と再開した帆高は、やはり自分たちこそが世界を変えたのだと確信します。
どうして帆高は、世界の変革の責任を自ら背負うような考えに至ったのでしょうか?
私は、それは帆高が、自分の持つ「愛」の力を確信したからだと考えます。陽菜への確かな「愛」。その力の大きさを表現するものとして、世界は変化したのだと帆高は確信したのではないでしょうか。
つまり、天気の子は周りを巻き込み、とんでもないスケールに拡大した帆高の恋路を描いた作品だと思うのです。
これと対極にあるのが、同じく新海誠監督の「秒速5センチメートル」です。こちらの映画でも男の主人公の壮絶な恋愛感情が描かれますが、ラストは、何も変わらない世界でひっそりと生きていくという落ち着いたものとなっています。
「秒速5センチメートル」から12年の時を経て、新海誠監督の中で変化した「愛の力」への認識が、世界の変革という形で現れているのが、天気の子の興味深いところではないでしょうか。

2023年度春新歓ブログリレー#12

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法学部1年の阿部です。
映画は大好きですが、知識はありません。映画の楽しみ方って人それぞれでいいと思うんです。でもやっぱりかっこよく語れるようになりたいので、少しずつ勉強中です。

私がよく観るのはヒューマンドラマです。人間臭さの漂う作品に出会えると、とっても嬉しいです。ただ、感想を言葉にするのが本当に難しいと感じます。人間の言葉が人間の心情に追いついていないんです(笑)。だからこそ映像で表現する素晴らしさがあると思います!ごめんなさい、言い訳です…。本当は私に語彙力がないだけです。拙い文章ですが、どうぞよろしく。

さて、前置きは長くなりましたが、今回私が紹介するのは『Dear Evan Hansen』というミュージカル映画です。トニー賞、グラミー賞、エミー賞などで大量受賞を重ねた名作ミュージカルを映画化したものです。『La La Land』や『The Greatest Showman』の音楽を手掛けた製作陣が携わっています。
私は、楽曲から入りました。まず、Sam Smithの「You Will Be Found」にグッと心を掴まれました。映画を観たあとは、「A little closer」が一番好きな曲になりました。色々辛すぎたときに聴いては、ドバドバ泣いていたのを覚えています。どの歌も、”励ます”というよりは”寄り添ってくれる”雰囲気だと私は感じました。
物語は、社交不安障害に悩まされる男子高校生が主人公です。はじめに、人を悲しませないための小さな嘘。そこから彼なりに苦労しながらも、少しずつ嘘を塗り重ねていきます。周りの人は、その嘘のおかげで救われていくんです。でもいつか、どこかでその平穏がが崩れていってしまったら…っていう感じのお話です。きれいにまとまりすぎず、リアリティのある結末です。ネタバレが怖くて上手に説明できません…(笑)。とにかく観てください!!感情移入できること間違いなしです!
長時間悩みながら書いているのに、下手くそすぎて泣けてきたのでここらへんで終わりにします。自分に伸びしろしか感じ得ません(笑)。次に書くときには、脚本や演出にも言及できるようになっていたいです。
読んでくださりありがとうございました!

2023年度春新歓ブログリレー#11

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1年の津田です。

今回僕が紹介する映画はミッションインポッシブルシリーズです。ミッションインポッシブルシリーズは 1996 年から 2018 年ま でに 6 作品にわたって世界中で愛されているスパイ映画のシリーズです。

2023 年 7 月には「ミッションインポッシブルデッドレコニング part1」、 2024 年 6 月には「ミッションインポッシブルデッドレコニング part2」の公開が控えており、2024 年をもってシリーズが終了することが予告され ています。
映画シリーズとして知られているミッションインポッシブルシリーズですが、このシリーズには実はあまり知られていない歴史があります。1966 年から 1973 年までアメリカ合衆国で放送されたドラマシリーズ「スパイ大作戦」(原題 mission impossible)を元にして映画シリーズとして新た に 作ったのがトムクルーズ主演の映画シリーズだということです。僕はこのシリーズが好き過ぎるあまりドラマシリーズ「スパイ大作戦」もシーズン 3くらいまで見ました。映画がドラマを元にしているといっても内容はオリジナルです。ドラマ内に出てくるスパイ組織名やハイテク装置などが 映画にも出てくるというように設定が同じといった感じです。ドラマシリーズを見たことがある人だとよりいっそう楽しめる要素がちりばめられ ています。ドラマシリーズも見てみることもおすすめです!
大体のあらすじはアメリカのスパイ組織 IMF に所属するイーサンハント(トムクルーズ)が困難だと思えるような国家に関わるミッションを仲間と 共にコンプリートするといった感じです。結末はいつも見え見えですが、内容は結構複雑です。裏切り裏切られなどするので内容についていくのに 頭を使い、かなりハラハラします。そういった点では予想がつかず、さすがはスパイ映画の最高峰だなと思います。そしてなんといってもリアルな アクションシーン。ブルジュハリファにへばり付いたり、飛行機にへばり付いたりと何かとへばり付きがちなトム。6作品目に当たる「ミッション インポッシブルフォールアウト」では、ビルの屋上からビルの屋上へと飛び移るシーンの撮影の際にトムは実際に足を骨折しました。僕はもうなん だかトムが心配になってきました。
そんなミッションインポッシブルですが、すべての作品が面白いというわけではありません。特に1作品目と 2 作品目は全く面白くありません。 1作品目はドラマシリーズを見たことがない人は全く理解できないですし、見たことがある人も「なんそれ」と思ってしまうはずです。2 作品目は イーサンハントのキャラクターが変。3 作品目から割と面白くなっていきます。シリーズ内で最も面白い作品はやはり5作品目に当たる「ミッショ ン・インポッシブルローグネイション」です。これは面白いです。脚本監督はクリストファーマッカリーです。この作品でトムクルーズに気に入ら れたクリストファーは最近やたらとトムの作品に使われるようになっています。クリストファーはその後6作品目にあたる「ミッションインポッ シブルフォールアウト」の脚本・監督を務め、あのトップガンマーベリックの脚本も手がけています。7,8 作品目の脚本・監督もクリストファーで す。好きな監督の一人です。ここで僕のこのシリーズにおける作品ランキングを勝手に書いておくのでぜひ参考にしてみてください。そして、皆さ ん 7,8 を映画館に何度も見にいって興行収入をぶち上げましょう。

1位 ミッションインポッシブルローグネーション

2位 ミッションインポッシブルフォールアウト

3位 ミッションインポッシブルゴーストプロトコル

4位 ミッションインポッシブル III
5位 ミッションインポッシブルI
6位 ミッションインポッシブルII

2023年度春新歓ブログリレー#10

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一年の松村です。今回僕が紹介するのは「イエスマン “YES”は人生のパスワード」です。

僕は凄いネガティブな性格で、よく人生関係なので悩みます。そんな時は、『前向きになれる映画』と検索して、映画を探します。中学生の時に、検索したら出てきたのでイエスマンを見てみました。この映画は、ネガティブ思考で何事にもノーと言い、周りの人が離れていき人生の上手くいっていない主人公が、あるセミナーに参加し、どんなことにもイエスと答えなければいけなくなり、退屈だった人生がどんどん変わっていくという映画です。この映画を見て、僕は何事も考え方次第だからポジティブに生きた方が楽しいし、無駄なことなんて何も無いのだなと思いました。

2023年度春新歓ブログリレー#9

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こんにちは。二年の高橋です。今回僕が紹介する映画は、007シリーズから、マーティン・キャンベル監督、ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーンら主演の「カジノ・ロワイヤル」です。シリーズ21作目となる本作は、主演、ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドを演じた最初の作品となっており、これまでの007シリーズの伝統を受け継ぎつつも、ストーリー自体は独立したものになっています。後の4作にわたる“クレイグ・ボンド”シリーズの起点となる作品なので、「007映画に興味があるけど、どれを見たら良いか分からない!」という方にオススメです。(もちろん過去の007作品も最高です。特にロジャー・ムーア主演とか…)

物語は、MI6の諜報員であるジェームズ・ボンドが任務に成功し、「殺しのライセンス」を与えられ、「007」に昇格する場面から始まります。晴れて007になったボンドは、テロ組織への糸口を掴むため、マダガスカルへ飛び、爆弾密造人であるモロカを捕らえますが、射殺してしまいます。残された彼の携帯から「エリプシス」というメッセージを発見し、ボンドはその送信者を追跡するため、バハマ・ナッソーに飛びます。現地ホテルの防犯カメラの映像や、MI6の部長であるMのパソコンに侵入することによって、メッセージの送信者がディミトリオスという武器商人であることが分かります。ボンドはディミトリオスを手掛かりに、他のテロリストや、一連の事件の黒幕を突き止め、犯罪資金を強奪するために奔走する… というのが主なストーリーの流れです。

 ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドはこれまでの作品とは一転して、ユーモアを排したシリアスな人物として描かれています。敵に追い詰められても、常に余裕な表情でスパイアイテムを駆使し、窮地を脱するのではなく、時には肉体的、精神的に追い詰められて悩みながらも任務を遂行していくボンドの姿にはとてもリアリティーがあるように感じます。007映画でおなじみのヒロイン「ボンドガール」との関係も過去作のような“ありきたり”なものではなく、より複雑で考えさせられるものになっていると僕は思います。

本作に限らず007映画では、映画に登場する車や電化製品、衣類、アクセサリーなどが、どこの企業やブランドのものなのかがはっきりわかるように映すという傾向があります。例えば、SONYのスマホやVAIOのパソコン、オメガの時計、アストンマーティンの車など、どれもその業界の一流品。これによって、映画によりリアリティーを与えられるうえに、企業側は一種のサブリミナル効果を期待できます。映画に登場する様々な「もの」に注目するとより楽しめることでしょう!(僕の夢は、オメガ,シーマスター,007エディションを買うことです(笑))

「カジノ・ロワイヤル」ぜひご覧ください!

2023年度春新歓ブログリレー#8

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1年の中嶋です。
私が紹介する映画はアンドリュー・ニコル監督の「ガタカ」です。私はSFの中でもとりわけディストピア映画が好きで、中でも生物学的テーマを取り入れたものが大好きなのですが、この映画はそのすべてをカバーした(私にとって)数少ない理想的な作品です。

遺伝子操作が当たり前になった社会。信仰深い家庭で遺伝子操作を受けず、両親の期待を背負って生まれた主人公ヴィンセント。しかし、生まれた時点で行った遺伝子解析により、将来多くのハンディキャップを背負うことが予測されたと産婦人科医は両親に説明します。
それを聞いた両親は疲弊し、次の子には遺伝子操作を受けさせようと決めます。
両親の期待も愛情も、才能に恵まれた「適正者」である弟に注がれ、「不適正者」である主人公はもはや除け者にされていました。
家族を見返し、遺伝子情報に縛られた社会から抜け出すために彼は宇宙飛行士になることを夢見ていました。そのために寝る間も惜しんで努力しますが、面接官は彼の才能に耳も課さず、遺伝子選考で落とされてしまいます。
希望を失いかけていた主人公はDNAブローカーと呼ばれるグレーな業者に最後の希望を託します。ブローカーは事故で足が動かなくなった元水泳選手ジェロームを紹介し、彼と協力して遺伝子ごと身分を偽装する計画を提案します。(どのように偽装するかは本編を観てください!)
偽装は成功し、簡単に宇宙局「ガタカ」へ入局。努力して身に着けた圧倒的なスキルと非の打ちどころのない遺伝子によってついに宇宙への配属が決まりますが…。
(少し長いあらすじでしたがメインストーリーはここからです。ぜひ観て楽しんでください。)

ヴィンセントとジェロームが打ち解けていくシーン、ロケットが打ち上げられる直前の遺伝子検査官の台詞など人物が出てくるシーンだけでなく、遺伝子をチェックするシステム、90年代味を残した独特な近未来感など…好きな場面は上げたらキリがないほどたくさんあります。また、SFのみならず、サスペンスや恋愛など様々な要素を兼ね備えた文学的にも視覚的にも楽しめる映画だと思います。北大の北部図書館にもあるので時間があったら是非観てください。

2023年度春新歓ブログリレー#7

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こんにちは、一年生の田仲と申します。

私が今回紹介するのは、1979年のイギリス映画「さらば青春の光」です。

・タイトルに関して

このタイトル、聞き覚えのある人も多いと思います。そうです。某お笑いコンビのコンビ名です。実はあの名前の元ネタなんですね。というのもどうやらコンビ結成に際して事務所の先輩が二人に、「じゃあ(コンビ名は)俺が付けたるわ。昨日見た映画が2本あるからどっちか選べ」と言ったそうで、その二つが「さらば青春の光」か「復讐するは我にあり」だったため、さすがに後者はないだろうとなり、消去法で前者に決まったそうです。

・映画概要

さて、そんなエピソードのあるこの映画ですが、内容はお笑いなのかというとまったくそうではなく、ジャンルとしては青春映画、ヒューマンドラマというところになるかと思います。ストーリーについては下項にて詳しく触れますので、ここでは背景知識を少しだけ。この映画ではモッズとロッカーズという二つのスタイルが描かれています。モッズというのは1950年代後半から60年代にかけて若者の間で流行したスタイルのことで、細身のイタリアンスーツの上からミリタリーパーカーM-51(現在ではモッズコートとして知られている)を着用し、ミラーとライトでゴテゴテにデコったベスパのスクーターにまたがって街を荒らしたやべえ奴らのことを指します。ロッカーズというのはこれと相対する派閥であり、こちらは革ジャンにジーンズ、髪はリーゼント、カフェレーサーなどのオートバイにまたがり夜な夜な仲間にレースをふっかけて湾岸ミッドナイトという、不良を地で行くスタイルの連中でした。ロッカーズとモッズは当時バチクソに仲が悪く、たびたび衝突を繰り返していたそうです。本作「さらば青春の光」はまさにそんな時代を舞台とし、一人のモッズを主人公として描かれるドラマです。忠実に再現されたモッズファッションやザ・フーの音楽なども本作を語るうえで外せない魅力ですので、視聴する際はそういった点も是非お愉しみいただければと思います。

・ストーリー

広告会社の郵便室係である若者、ジミー・クーパーはモッズであり、週末には乱交、暴走、ドラッグ、ロッカーズとの喧嘩と華々しい不良生活を送っていた。その不良ぶりは留まることを知らず、挙句の果てには薬局からのドラッグの窃盗や職場の無断欠勤などを引き起こす。しかし彼らはそんな行動を悪びれることなどなく、その過激さは増す一方であった。ある祝日、クーパーらモッズたちは海沿いの街で集会を行う。だがそこにはたまたまロッカーズたちも居合わせており、両者はついに全面衝突した。乱闘の中、次第にモッズたちは暴徒化し、暴動が巻き起こる。その最中、クーパーは思いを寄せるモッズの女性、ステフと交わっており、モッズとクーパーの興奮はこの日頂点に達する。だがその後、モッズたちの熱は急速に冷め、平凡な日々が戻ってきてしまう。あの日の興奮が忘れられないクーパーは次第に孤立し、やがて彼の青春は儚く過ぎ去っていくのだった……。

・見どころ

本作の見どころはやはり卓越したセンスで描かれるリアルなモッズのライフスタイルでしょう。完璧に再現された衣装やバイクはどれも抜群にキマッており、そのカッコよさに痺れます。そして役者の見事な演技から感じ取れる、停滞気味であった当時のイギリス社会で若者たちが抱えていた行き場のない怒りは、どこか今の日本を生きる我々にも響くところがあり、それを発散するかのような刹那的な生き方には思わず惹きつけられてしまいます。

また私が本作で特に素晴らしいと思うのはそのストーリーです。これは若者たちの青春を描いたものではありますが、日本の作品でよく描かれるようなキラキラで爽やかな青春ストーリーとは全く異なるものです。モッズたちの熱狂は彼らにとっての青春ではありますが、その光の裏には社会からの疎外という影があります。また主人公のクーパー少年はモッズとして生きるという理想世界と実際の現実世界との乖離に苦悩します。クーパーは終盤、この苦悩を乗り越えますが、それは少年時代の夢の終わりと、かつて彼が嫌っていた大人の仲間入りという何とも切なく寂しい成長なのです。その様を目にしたとき、きっと誰もが「さらば青春の光」という邦題に納得することでしょう。

・まとめ

 本作は「トレインスポッティング」などに代表されるユースカルチャー映画の原点とも言える作品です。この作品は大人や体制への反抗心という、いつの時代も若者の心の奥で燻っている思いや、さらに彼らがその心を捨て社会に従属していく様が巧みに描写されています。ですからこの作品には、時代を超えて全ての若者に刺さるものがあると私は思います。また国こそ異なりますが、この映画はアメリカン・ニューシネマともどこか通ずる部分があると思いますので、そういった作品が好きな人にもおすすめできる映画となっています。是非一度ご覧ください!

2023年度春新歓ブログリレー#6

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はじめまして、1年の鎌田です。今回私が紹介する映画は、レオナルド・ディカプリオ主演『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002)』です。

高校生のフランク・W・アバグネイルは尊敬する父が母と離婚すると聞き、ショックで衝動的に家を飛び出してしまう。彼は、生活のため偽造小切手の詐欺を始めるようになる。最初はなかなかうまくいかなかったが、大手航空会社のパイロットに成りすますと誰もがもののみごとに騙された。更に偽の小切手を繰り返し発行し巨額の資金を得ることになる。一方、巨額小切手偽造詐欺事件を捜査していたFBI捜査官カール・ハンラティは、徐々に犯人に迫っていく。

この映画はフランク・W・アバグネイル・Jrが主人公の話であるが、彼は実在する人物であり、この映画で描かれる物語はほとんど全てが事実です。また、この映画では銀行詐欺、パイロット、教員助手、医師、弁護士の4人に扮して人々を騙していく姿が描かれていますが、実際には実在したフランク・W・アバグネイルが実際に行った身分詐称の回数の方が多いと言われています。
実話とは思えない展開が続き、次は何に扮して人を騙すのか考察するのが面白いし同時に、彼の逃亡追跡はとても興味深いです。また、実在する彼はわずか16歳から21歳までの間に、詐欺で約400万ドルを稼ぎ出しており、世界26カ国で詐欺を行ったと言われています。巧みに人を騙すフランク・アバグネイルが実在することを知った上で、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を観るとさらにこの映画を楽しめると思います。