春新歓ブログリレー#23

こんにちは、北大映研部長の熊本です!

新入生の皆さんの中には一人暮らしで不安な毎日を送っている人もいらっしゃると思うので、今までのブログを読んだり紹介されている映画を観たりなどして学校に通えるまでの日々を少しでも楽しく過ごしてくれればと思います。サークルとしても対面の春新歓を行えないためこのような形を取っていますが、新歓日程が決まり次第、ツイッターで告知しますのでもう少々お待ちくださいm(_ _)m。このサークルに興味を持ってくださった方はツイッターやメールなどで気軽にご連絡ください!!

徐々に落ち着きだしたコロナウイルスですが、まだまだ油断ならないだけでなく、日々ニュースでは息苦しい現状が映し出されています。アメリカでは白人の警察官に取り押さえられた黒人男性が死亡した事件で、抗議デモが全米に広がっています。白人警官による黒人への不当な取り締まりは今に始まったことではなく、ここまで表面化することが少なかっただけです。かつてこのような事件があったとしてもどこか他人事で見過ごしてしまうだけでなく、耳に入らないことが多かったのではないでしょうか。

ここで私が紹介する映画が『デトロイト』という作品です。

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この作品はデトロイト暴動とその最中に起きた ”アイジェ・モーテル事件(1967)” を描いています。この “アイジェ・モーテル事件” でも白人警官(男性)による黒人や白人女性への不当な取り締まりや殺人を含んだ暴力がありました。こんな風に字面でも「ヒドい話ですね」となるようなことではあるのですが、この作品で描かれることはそれだけではないのです。冒頭1時間はこの事件の被害者や加害者の生活、1967年のデトロイトの空気感が丁寧に描かれるのですが、徐々にとんでもない地獄に突入していきます。約40分描かれるこの事件の模様はまるで観客がその場にいるかのような息苦しさ、恐怖に満ち満ちています。この恐怖はニュースでは感じられないもので、他人事と思うのは不可能なほどです。

この作品の主演であるジョン・ボイエガは映画秘宝のインタビューで『いまの時代は当時と何も変わっていない』と語っていました。この作品が2017年に公開されたことを考えると予言的といえます。

またこれは「日本だから関係ない」とはいえません。コロナウイルスの影響で欧米でアジア人がどのような扱いを受けたのか、思い出してください。

このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、是非ご覧いただきたい作品です。