ブログリレー#7「映研ベスト2018」

こんにちは。映画研究会部長の大村です。二回目です。もう自分の番が回ってきました。私は中学高校と陸上競技部だったのですが、バトンが返ってくるなんて生まれて初めての経験です。熊本君にはしっかりお礼をしたいと思います。

さて、せっかく熊本君が私的2018ベストテンを発表してくれたので、映画研究会的2018ベストテンも発表したいと思います。なお、ただ紹介するだけではつまらないので各作品に部員の一言を添えて紹介したいと思います。

1位「グレイテスト・ショーマン」

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ひとこと 見ていて楽しい気分になる映画だった。個人的にはパーナムの自業自得という印象も受けたが、エンターテイナーの成功・強欲・失敗・反省を詰め込んだ王道的ミュージカルだったと思う。

2位「シェイプ・オブ・ウォーター」

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ひとこと あまり映画監督に詳しくはないのですが、デル・トロらしさを感じた映画でした。人間の常識とはあまりにはかないもので無意味なものだと思いました。

3位「カメラを止めるな!」

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ひとこと 最後のための映画ですね。これはブームになる前に見た人間が一番楽しめたんじゃないでしょうか。B級らしさを楽しめる人は面白いと思います。

4位は同着で三作品あります!

4位「スリービルボード」

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ひとこと まぁお話がめちゃくちゃ面白いので、ネタバレに気をつけてご覧ください。キャラクターがどのように変化(成長)していくかに注目。

4位「ボヘミアン・ラプソディ」

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ひとこと フレディの人生やライブエイドを今までとは違う角度で見ることができる。この映画の価値はそれに尽きるのではないだろうか。自分はこの感動が人工的だと思いつつも受け入れてしまうだけのすばらしさはあると思う。

4位「万引き家族」

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ひとこと 樹木希林いい味出てますよね。個人的には松岡茉優の演技が女性のもつ強さと狡さをよく表現できてると思います。

7位「若おかみは小学生!」

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ひとこと 子供向けに作られているように見えるけどそうじゃない!国内映画の中でも酷な展開が待っています。

8位「君の名前で僕を呼んで」

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美しいメンの熱い愛を描いた本作。やっぱり同性愛ものの映画って面白いなって思いました。

9位「レディ・プレイヤー1」

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ひとこと これは映画館で見るべきだったと後悔しています。僕はDVDで見ましたが、それでも興奮しました。

 

10位「ファンタスティック・ビースト 黒い魔法使いの誕生」

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ひとこと 前作よりもハリーポッターシリーズとの繋がりが感じられた今作。詳しくは話せませんが、終盤の怒涛の展開に驚くこと間違いなしです!

いかがだったでしょうか?やっぱり全体的には世間的にも有名になった作品が多かったですね。こういったランキング形式にすると映画の内容うんぬんよりも知名度ランキングになってしまいがちですが、部員の中にはこのランキングに入った作品以外を一位にした人もいっぱいいます!各部員のランキングが気になる方はぜひ映画研究会へ!

時間がないのでディズニー映画についてはまた後日書きたいと思います。熊本君ごめんね。次のブログリレーは一年目の宮本さんにお願いしたいと思います。それでは、また。

ブログリレー#6「私的2018ベストテン」

こんにちは。部長の大村さんからバトンを受け取った副部長の熊本です。

一月から新たに始まったブログリレーですが、以前よりも読んでいて楽しく感じます。その理由としては、このサークルに入ってからの一年の間で部員がどういう人間なのかをよく分かったというのもあるかもしれませんが、秋新歓とは違いフリーテーマであることが最大の理由だと思います。各々がただただ自身のしゃべりたいことをしゃべりたいだけしゃべる映研部員特有のイズム(褒めてます)がちゃんと字面はなしからでもよく伝わってくる素敵なブログだと思います。これを読んでいる将来の映研部員のこういった話もいっぱい聞きたいなぁ。

と言う前置きから僕の素敵な話も聞いてくださいな。僕の一番の趣味は映画鑑賞なので2018年に劇場公開された作品のなかでのベスト10を挙げたいと思います。私的なランキングであることから異論は認めません。

 

10位「ちはやふる 結び」

2016年に公開された「ちはやふる二部作」では期待せずに観てとても良くてびっくりしましたが、今作で完全に打ちのめされました・・・。今作のテーマは「刹那にこそ永遠がある」だと思います。これは青春もそうですが、映画そのものにも当てはまります。そしてこういった青春映画にはその要素がより強くあります。この『青春映画論』が本編だけでなくエンドロールのPerfume「無限未来」までにも一貫していて、感涙です。「ちはやふる 結び」という刹那が日本映画史という永遠に刻まれたと考えると感無量ですね。

 

9位「ブラックパンサー」

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「アメコミ×ヒップホップ」といういかにも映研っぽい映画ながらも映研内ではイマイチ評判のよろしくない本作。大丈夫、僕とアカデミー賞(圧倒的権威)が守ります。個人的には女性キャラクターの描き方や対立する考え、メッセージが現代的で、ヒーロー映画としての面白さもありながらすごく真面目で堅実な映画だと思いました。続編にも期待大ですね。

 

8位「スリービルボード」

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去年のアカデミー賞では主演女優賞・助演男優賞のW受賞を果たした本作。この華々しい受賞歴に隠れてはいますが、ヴェネチア国際映画祭では脚本賞も受賞しています(これも十分華々しいわ)。まぁお話がメチャメチャ面白いので、ネタバレに気をつけてご覧ください。キャラクターがどのように変化(成長)していくのか、どのように3枚の看板の表から裏にいくかに注目。

 

7位「君の名前で僕を呼んで」

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美しい男性たちの熱い愛を描いた本作。やっぱり同性愛ものの映画って面白いなって思いました。ヘテロの恋愛ものよりも自分自身に還元しやすい気がしますし、どうしたって障壁が生じてドラマとして面白くなりますもん(現代においてこの障壁はみんなで解消していきましょう)。音楽も画もキャストも美しいのですが、個人的には主人公のファッションに目がいきましたね。ラコステのポロシャツも着たいし、トーキングヘッズのTシャツも着たい。ちなみにですが、ルカ・グァダニーノ監督の最新作「サスペリア」は私的2019ベストワン候補の素晴らしいトンデモ映画でした。

 

6位「ROMA」

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ヴェネチア国際映画祭では最高賞である金獅子賞を受賞、今年度アカデミー賞では最多10ノミネート、NETFLIX配給と話題性たっぷりの本作。劇場公開はされていないものの、今年公開ということでランクインさせていただきました。モノクロで劇伴もないのですが、画の力が圧倒的でした。さすがキュアロンって感じですね。お友達のルベツキがいなくてもこんなこと出来ちゃうんだもん。NETFLIXに入っている人は今すぐ観れるので是非。

 

5位「万引き家族」

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これに関しては説明不要って感じですかね。「家族」の在り方を問い続けている是枝監督ですが、これは決定打って感じしますよね。あんなにも「正しくなさ」を背負った登場人物が「家族」であることを観客は否定できないのに、実際の社会(観客を含む)は・・・っていうね。「万引き家族」っていうタイトルで怒っている人を見ると、この作品で扱われている問題が表面化しているように思えます。

 

4位「ヘレディタリー 継承」

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もー最高でしたね(コッ)。ホラー映画としてもスゴいんですけど、なんか映画としてスキがないというか。めちゃくちゃよく出来てるなーって思います。虚を突くオープニングからまさかの展開を見せる中盤、どんどんストーリーがドライブしていってからの爆アガりのラストまで全編ドッキドキでした。あとネタバレに敏感な作品なので、レビューとかには気をつけてください。

 

3位「フロリダプロジェクト 真夏の魔法」

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「万引き家族」と共通するテーマを扱った作品ながら、これはそれよりもドツボにハマった感じですね。画(主人公の女の子の視点)はスゴく鮮やかなんですけど、物語はそれに反して救いがないんですよ。そしてお話がより取り返しのつかない事態になっていくと、主人公の女の子はそれに直面せざるを得なくなって・・・。この映画が「万引き家族」に勝っている点があるとすれば、ラストの爽快感(=泣かせ力)にあると思います。映画の世界から現実にジャンプしながらも劇中最もファンタジックでもある、素晴らしいラストでした。あと演技ですよね。主演のブルックリン・キンバリー・プリンスちゃんの愛らしさもスゴいんですが、なんと言ってもウィレム・デフォーですよ。なんで怖い顔で叱っているだけなのに、あんなにも愛に溢れたキャラクターを作れるのか。ここまで観客の視点を完璧に体現させられるものなのかと。文章量で分かると思いますが、一本薦めるならこの映画ですね。

 

2位「愛しのアイリーン」

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はっきり言ってヒドい映画です(完成度がではなく)。普段映画を観ない人にはとてもじゃないですがオススメ出来ません。人間の醜くさ、チンケさみたいなものがむき出しになったキャラクターたちが本能のままにぶつかりあい、血が飛び散り、セッ◯スし、様々な「愛」が爆発する。「万引き家族」でも使った言葉ですが、「正しくなさ」を持ったキャラクターの織りなす物語の最後に残る「何か」。この「何か」はそれまでの残酷な物語における微かな救いであり、人間そのものの尊厳のようにも感じられるんです。パワフルでありながら優しさも持つ、このラスト。ただ単に「泣く」とか「感動した」とかでは片付けられなくて、未だに自分の感情を処理し切れてないんですが、スゴいラストであることは保証します。

 

1位「ファントムスレッド」

もー最高でしたね(ボキャ貧)。全編が美しく優雅な画面、音楽、衣装の連続で、オープニングで女性が階段を上がるのをカメラがチルトして追っていった時にはニンマリですよ。なんか観てる間ずっと幸せだったんですよね。お話もホントにキモくてアガります。映画において、三度登場するモチーフの三度目には注目せよというルールみたいなものがあります。この映画にも三度登場するあるアイテムがあるんですが、その三度目が爆アゲなんですよ。「キターーー!ホーワッ、ホーワッ!!」って感じ。主人公ふたりからしたらハッピーエンドですけど、一歩俯瞰から観れる観客からしたらキモくてしょーがない。すなわち最高。

 

 

どの作品も大好きなのですが、上位3位は別格ですね。自分の心にしまっておきたい作品たちです。次点だと「若おかみは小学生!」「アイトーニャ 史上最大のスキャンダル」「ボヘミアンラプソディ」「アナイアレイション」「犬ヶ島」「孤狼の血」とかですかね。はじめてベストテンを決めてみたのですが、上位5位くらいまではすぐ決まるんですが下位5位は悩みましたね。だからこそ次点って書きたくなっちゃうんですよ。次点の次点も書きたいくらいです。てゆーか、自分のランキングに納得いかなくなってきた気さえします(笑)

 

 

ここまで読んでくれた人なんているんですかね?(笑)いたとしたら感謝しかないです。そーいえば、このランキングにはディズニー映画が足りませんね(ブラックパンサーは実質ディズニー映画ですが)。そろそろディズニーが足りなくなってきたのでディズニー映画の記事を読みたくなってきました。

ということで部長の大村さんにそのままバトン返したいと思います。楽しい記事を期待しています。

ブログリレー#5「ごめんなさい」

どうも、映画研究会部長の大村です。まずはブログリレーの投稿が大幅に遅れてしまい申し訳ありません。相原ごめんなさい。言い訳をするなら先週は高熱で寝込んでいてブログリレーどころではなかったんです。このブログを見てくれてる人の中には受験生もいるかと思いますが、試験でベストを尽くせるよう体調管理にはしっかり気をつけてください。そして、もし北大に合格したらそのときは映画研究会の新歓に顔を出してみてください。入るかどうかはお任せしますが、来て後悔させることはないと思います。さて、今回はこのブログの前例に習って自分の好きなものについて話したいと思います。私が思うに、映画研究会のいいところは各々が好きなものを主張できるところだと思います。ここまでブログリレーをやってきて、みんな自分の好きなものについて熱く語っているのを見ると、映画研究会は様々な人に門戸が開かれたサークルであるということを改めて実感しますね。さて、それじゃ自分の好きなものについて話しますか。私は「ディズニー実写映画」が大好きで、世の中に出てるものはとりあえず全部見ました。個人的に実写化っていうのにそこまで良い印象は持ってないんですけど、ディズニーの実写化は老若男女問わず理解できる映画が多いので好きな映画という話題の切り口として一般的にはいいんじゃないかなと思います。そういえば、今年はダンボが実写化します。ダンボという作品そのものにはそこまで思い入れはないんですけど、ダンボをどう実写化するのか、アニメとは何が違うのか、等々色々気になってるので見に行くつもりです。映画研究会の新歓でも見に行くんで興味があったら是非来てください。

さて、部長としてブログを書いてみましたがいざ書くと上手くまとまりませんでした。本当はもっと色々言いたいことがあったんですがまとまらないので次の自分の担当になったときに言いたいと思います。それでは、また。

次回は熊本くんお願いします。

ブログリレー#4『あなたの瞳は冷たすぎるから心が熱いかも』

さてさて、幸か不幸か序盤にやって参りました1年の松井です。僕もあまり映画には詳しくないので、得意分野の80年代ロボットアニメについて書いていこうかなと思います。皆さんはロボットアニメについてどう思いますか?結構耳にするのが「どうせ勧善懲悪のハッピーエンドでしょ」という言葉です。まあ確かにロボットアニメが一般に浸透してきた頃の作品、たとえばマジンガーZとかならその考えも当たらずとも遠からずなのですが、基本的にロボットアニメはハードで大人の視聴にも堪えうるものなのです。また勧善懲悪的な皮を被った作品でもよくよく考えると、主人公サイドにも非があったり、そもそも戦う原因が主人公サイドにあったりと妙なリアリティを持っていたりします。そんなロボットアニメですが、とくにハードさ難解さの頂点を極めたと言えるのが80年代の作品群です。そして傑作と言われる多くの作品が生まれたのもこの時期なのです。そんな80年代ロボットアニメのおすすめを書いていこうと思います。

 1. 超時空要塞マクロス(1982)

今も続く大人気シリーズの第一作目。歌、三角関係、ロボの不思議な調和が新鮮。このシリーズは歌が重要なポイントとなっていて、歌がどのように戦況を変えていくのかが注目のポイントです。容赦なく味方サイドに死者が出るのもこの作品の特徴。「歌えばなんとかなる」みたいな印象を持たれている作品ですが続編のマクロスプラスをみていただくとそんなくだらないイメージも消し飛びます。ちなみにTV版はネタの宝庫ですが映画は日本アニメ史に残る傑作。

2. 機動戦士ガンダムZZ(1986)

40周年を迎えたガンダムシリーズの第三作目。前作のヒロイン、ハマーン様も引き続き登場。なんだかんだ不遇な作品ですが、ガンダムUCを見る前に本作を見ればもっと楽しめるはず。序盤はコメディ路線ですが徐々にガンダムらしい暗めな展開が待っています。大人の都合によるテコ入れなのですが、自分としては徐々に戦況が激しくなっていく暗喩のように捉えられるので好きな方向転換です。本作のヒロイン、プルとプルツー関連の話は切なくて、切なくてやりきれないです。突っ込みどころもありますがプルツーが可愛いからすべてが許されます。

 

3. 超獣機神ダンクーガ(1985)

とにかく熱い。合体系のロボットアニメですが初めて合体するのは第16話。大体、放送開始から4ヶ月ってところ。案の定ちびっ子は見なくなって打ち切りを食らいました。しかし改めて見ると、ハードな設定になかなか熱くなれます。ヒロインが初っぱな一話から敵に寝返ろうとするのはなかなかな展開です。おかげで、大きなお友達からの人気はなかなかのものです。実際続編もつくられまた。あと主人公サイドの登場人物の血の気が多すぎてたまに悪役なんじゃないかなとか思っちゃったりして。

 

4. 装甲騎兵ボトムズ(1983)

この作品の魅力を語るのに多くの言葉はいらない。「むせる」その一言で十分だ。

5. メガゾーン23 (1985)

さきほど書いたマクロスのスタッフが再集結して製作された作品。大人な雰囲気に痺れる作品です。この作品のヒロインである時祭イヴは今はやりのバーチャルアイドルの先駆けなのです。時代を先取りしすぎています。SFとしてもかなりな高水準で見応えバッチリ。マクロスとは対になるような作品となっていて見比べてみるのもまた一興。ただちょっと艶やかなシーンもあるので大人になってから視聴しよう。実は主人公の声を当てているのが、“わくわくさん”でおなじみ久保田雅人さんなんですよ。

 6. 超時空世紀オーガス(1984)

今となっては、マクロスは一つの独立したシリーズだが実は80年代の終わり頃までは、超時空要塞マクロス、超時空世紀オーガス、超時空騎団サザンクロスの三本を纏め超時空シリーズとして扱われていた。本作はちょいと前にはやっていた異世界ものだ。脳天気なキャラが多い作品だが妙なシリアスさを醸し出していて、最終回付近は鬱展開がおおめ。というか序盤もよくよく考えたらかなりハードな話が多い。でもラストのまとめ方は綺麗の一言に尽きます。ただメカデザインは微妙。

そういえば何で昔のロボットアニメはタイトルに四文字の漢字がセットでついてくるのでしょうか。枕詞的なサムシングなんでしょうかねぇ。本当はイデオンやらダンバインも書こうかと思ったのですが、それはまたの機会にでも。一応DVD化されている作品しか選んでいないので気が向いたら見てみてください。

それでは次回は我らが映研の頼れる部長大村さんにお願いしようかと思います。

ブログリレー#3 『「せーの、パオー!」って生きていきたい』

ブログリレー第三記事は岡田くんにパスをもらったきゃないがお届けします。謎に真面目に書きました。恥ず。


「がんばる」ことは日本人が大切にしている美徳だと思う。学校教育、特に初等・中等教育では「みんなで」という接頭辞と並んで「がんばる」ことが重視され、児童生徒はつねに何かしらに対しての努力を要求される。スポーツ選手が活躍すればその血の滲むような努力がテレビで取り上げられ、人気を博しているアーティストが出ればその下積み時代から「がんばって」のし上がってきたストーリーが謳われる。「がんばる」ことが日本人は大好きなのだ。

僕はどうやらその「がんばる」ことに向いていないらしい。昔はそれこそ猪突猛進、英語やピアノや部活、その時々の「好きなこと」に向かってがむしゃらに突き進むといった性格で、事実その努力にある程度見合う結果は残してきたと言ってもいいと思う。そういう頃もあった。ただ今は、その反動かどうにも努力が下手だ。最近は少しずつ集中力も戻ってきたが、それでも昔のようなすさまじい集中力は発揮できない。言ってしまえば「負け犬」側の根性がすっかり染み付いてしまったようだ。「好きなこと」に「がんばれない」、というのはどうにも辛いものだ。

 

パオパオチャンネルにハマっている。

今「パオパオチャンネル」と聞いてどんなものをイメージしただろうか。世界各地の象の映像を流し続けるテレビ局?架空の民族「パオパオ族」の文化を紹介するテイのライトノベル?もしそうだとしたら、それらを企画した御仁は多分かなりヤバイ。あなたも多分疲れているのでこのブログをいったん閉じて寝たほうがいい。あとでまた読みに来てね、まってる。

パオパオチャンネルのYoutubeページの写真

パオパオチャンネルとは、「@小豆」と「ぶんけい」の2人によるYoutuberユニットだ。所属事務所UUUMの公式サイトによると、

ぶんけいと@小豆からなる男女2人組YouTuber。

軽快トークや自由な発想で若年層から人気を集めている。検証、商品紹介、やってみた、ゲームなど、様々なジャンルを独自な切り口で楽しい動画をお届けする。ファッションセンスと高度の編集スキルにもご注目!

また、ぶんけいは映像監督、@小豆は踊り手としても活動中。

 

とのこと。超ざっくり言えばHIKAKINみたいなことをしている人たちだ(Youtuberの説明はもはや必要ないし、それは流石にざっくりすぎる)。

 

僕のパオチャンとの出会いは昨年末に遡る。

その頃、僕は「がんばる」ことがとにかく必要な状況にあった。なぜだか忙しすぎるスケジュールに多すぎるバイト、映画撮影の準備に別サークルの定期演奏会。努力のできない僕には多すぎるタスクが降ってきて、脳内はてんてこ舞いだった。それでもどうにかひたすらに日々に食らいついていた、そういう時だった。

ある日、一人の友達が僕に彼らの動画を薦めてきた。それで暇なときにチラッと覗いてみたのが最初だ。その時は「ふーん」くらいの感想だったが、日に日に観る本数が増え、あっという間にズブズブと沼にハマってしまい、今では新米ながら立派なパオちゃんズ(パオパオチャンネルのファンの呼称)の一人になってしまった。

 

彼らの魅力はいくつもあるが、特筆すべきはまず「@小豆(あーずー)」の強烈なキャラだ。

動画中ずっと、彼女はその豊かな表情と大きすぎる声量で振る舞いはしゃぐ。それを見ていると、なぜだか自然と元気にさせられる。かといって熱血キャラのような暑苦しさはなく、笑っているうちにいつの間にか体に入った力が抜けるような、そんな力があるのだ。

もう一つは編集を担当している「ぶんけい(ぶんちゃん)」の編集力だ。

パオパオチャンネルの動画は、ほんわかした雰囲気が故に映像のみで爆笑するような奇抜さはハナから想定していない。そこを爆笑に持っていくのが彼の手腕だ。彼は動画の中の笑いポイントを決して見逃さず、的確なツッコミのテロップと効果音で大笑いに変えてくる。それがとにかく面白いのだ。卓越したワードセンスと絶妙なタイミングにいつも負けてしまう。最高だ。

 

バイトから帰宅するともう23時だった。もろもろを済ませてベッドに入りいつものとおりYoutubeをぶらぶらしていると、彼らのある動画が目に止まった。

 「皆さんに話しておきたいことがあります」

それは彼らが「付き合ってない」ことを(再三ながら)伝える動画、という形ではじまったものの、内容は彼らが少し前に抱えていた問題と、そこからどうやって抜け出したか、という報告がメインだった。彼らはこの動画の投稿のおよそ2ヶ月前に、動画を毎日投稿することを発表したらしい。そのあたりからお互いの方向性のすれ違いが起こり、関係が悪くなりだした。

「どんどんどんどん悪い方向に進んじゃった」(ぶんけい)

2人は、マネージャーに仲裁に入ってもらいお互いの気持ちを話し、すれ違いを解消したことで、あることに気づいたという。

 「あれ、じゃあ、楽しんでやればよくね?」(ぶんけい)

はっとした。ああ、そうだった、楽しめばいいんだ。

僕は「がんばる」ことを履き違えやすいのだと思う。何かに向かってがむしゃらに突き進むことばかりしてきたせいで、それだけが「がんばる」ことだと思いがちなのだ。実際、学校やテレビで持ち上げられる「努力」は、得てしてがむしゃらでひたむきな闘い、という毛色が強いから、そうなってしまうのかもしれない。

「がんばる」ことは、ひたすら走り続けることと、決してイコールではないと思う。もちろん、結果を残すには時としてひたむきな努力は必要かもしれない。でも、それだけではないのだ。彼らがたどり着いたような、好きなことを楽しんでいくという努力も、あるのだと思う。そしてそれは、簡単なことではない。初心を忘れず、追い込まれても楽しむ気持ちを貫き続けるのは相当難しいかもしれない。でもだからこそ、”ひたむきに突き進む”努力をしていない人たちだって「がんばっている」と言っていいんじゃないだろうか。そういう人たちは決して「負け組」なんかじゃない、と言うのはおかしいだろうか。

パオパオチャンネルの他の動画を観る。どの動画でも2人はとても楽しそうに話し、踊り、はしゃいでいる。チャンネル登録者数はついに100万人を超え、多くのファンを持つ人気Youtuberという立場にあってなお、「楽しむ」という初心を大切に持ち続けて活動する彼らはとてもかっこいいし、素敵だと思う。そして僕も、できればなるべくそうありたいなと思う。「がんばる」の狭い意味にとらわれずに、好きなことを楽しんで、時にはひたむきに、時にはゆったりと自分のペースで向き合う、そんな努力の形で生きていきたい。

              「せーの、パオー!」


最後まで長々と読んでくれてありがとうございます、頭あがんないっす。次は映研の飛び道具、松井くんにバトンを渡します。

パオパオチャンネルのチャンネルページはこちら(ぜひチャンネル登録してね!)


[追記]

まだ記事執筆段階では達成していなかったのですが、記事公開の数日前、パオパオチャンネルは『チャンネル登録者数100万人』を達成しました!

おめでとう!!!!!!!!いい感でぃーーーー!!!!!!!!!!!

大台の達成に、パオちゃんズの一人としてとても嬉しいです。今も登録者数はどんどん増え続けていて、パオパオチャンネルはそのありのままの魅力でこの先も進んでいくと思います。この記事を読んで少しでも興味を持ってくれた方は、ぜひ一度だけでも彼らのチャンネルを覗いてみてください。@小豆とぶんけいの2人が、自然体の笑顔であなたを待っています。

以上、きゃないがお送りしました!