こんにちは、文学部ニ年生の根岸と申します。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
他の部員のように、この文章では新入生へのアドバイスと、オススメの映画紹介をしたいと思います。
まず、アドバイスです。
大学生は、高校と比べて自由に使える時間が圧倒的に増えます。(1年の半分は休み!)
授業、バイト、自炊、サークル、読書、映画鑑賞等々、時間の使い方は人それぞれです。
大学生活に慣れないうちは、膨大に与えられた時間の使い方がわからないこともあると思いますが、自分なりに心地の良い時間の使い方を覚えていけば、大学生活はきっと楽しくなります。
北大映研でも、楽しい大学生活を過ごすためのお手伝いができたら嬉しいなと思っています。
「大学生活の中で、映画を見たり、語ったり、撮ったりする時間があってもいいな」という気持ちが少しでもあれば、是非映研の新歓に来てください!
また、履修のことや、アルバイト選びについても、いつでも相談に乗りますので、気軽に訪ねてみて下さい!
続いて、映画紹介です。
僕が紹介する映画は、2007年に公開された映画『イントゥザワイルド』です。
突然ですが、あなたは人生の中で「出世コース」を意識したことがありますか?
「良い学校に入り、良い会社に入り、成功する」という「出世コース」の価値観は、日頃意識するにせよ、しないにせよ、世の中に蔓延していますし、ある程度その価値観は内面化されています。
そして、その「出世コース」の価値観と同じく蔓延しているのが、「『出世コース』から外れて、自分の自由を追い求めるのはいいことだ」という価値観です。
曰く、「『決められたレール』の上から外れろ」「自分のやりたいことだけを追求しろ」…そういった考え方も、「良い学校に入り、良い会社に入り、成功する」という価値観と同じくらい世の中では主張されています。
僕が紹介する『イントゥザワイルド』という映画も、一度は「出世コース」の価値観を否定します。
この映画の主人公は、名門大学を出たエリートで、家族にはハーバードの大学院への進学を進められます。
しかしながら、主人公はエリート意識の強い両親への不信感と、人生の閉塞感からその進学を蹴り、単身アラスカへ旅に出かけます。
主人公は、日常から離れて、アラスカの荒野へ旅立つ(イントゥザワイルド)ことで、明確に「出世コース」から離れていきます。
ここまで見れば、この映画は「『決められたレール』の上から外れろ」「自分のやりたいことだけを追求しろ」といった、アンチ「出世コース」映画に見えるかもしれません。
しかし、この映画は「出世コース」を疑うのと同時に、「出世コースから外れること」に対しても疑問を投げかけます。
僕は、この映画の魅力はこの点にあるのだと思います。
この映画は、自分の「やりたいこと」を信じて、「出世コース」から離れることを手放しに奨励する映画ではありません。
「出世コース」から離れても、自分を保つことのできる「強度」を発見できるか?
そういったテーマを、この映画は内省的に扱っています。それは、「自分探しの旅」を超えた、普遍的なテーマです。
主人公と、主人公の家族、そしてアラスカ旅行の中で出会う人々の精神的な対話を、広大無辺な風景と共に、充分に味わうことのできる作品です。
大学生がこの映画を見ることで得られるものは、「大学生活の時間をどのように使うのかについて考える機会」なのだと思います。そういう意味でも、この映画はおススメです。
北大映研では、映画が好きな方の入会をいつでも、学年問わず、募集しています!
4月にはオンラインと対面で新歓を行いますので、映研の公式Twitterから是非情報を確認してみてください!