映研昭和音楽部第1回(ナカミチ)

「毎週水曜19時半、ナカミチ宅、各自今週の1枚とそれについてのA41枚レジュメ持参、酒は各自持参」というシンプルなルールに基づいて行われる映研昭和音楽部がついにスタートしました。第1回目の様子を少しだけレポートしてみようと思います。結果から言えば大成功だったと言えましょう!
いしだあゆみ&TIN PAN ALLEY – アワー・コネクション (1977/04/25)(イバヤシ)
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まずイバヤシが紹介したのはいしだあゆみとTIN PAN ALLEYのコラボ作『アワー・コネクション』。シティポップスの大名盤として名高いこのアルバムはとにかく歌詞が素晴らしい!全曲の作詞を担当しているのは橋本淳で、この人は「ブルーライト ヨコハマ」も担当した売れっ子作詞家。さらに作曲を担当しているのは細野晴臣と萩田光雄の2人で、細野は紹介不要だと思いますが、萩田は岩崎宏美やH2O、太田裕美まで手がける作曲家。と、このように信じられないようなメンツによって支えられたこのアルバム。
しかし一番の魅力はやはりいしだあゆみの語り!「一人ソファーに寝転んで…」という入りだけで鳥肌が立ってしまう、そんな魅力を持ったこのイントロがなければこのアルバムはあり得ないように思います。歌う前にしゃべる文化というものが昭和の音楽には根付いていたはずですが、現在はあまり見かけないように思います。これから昭和音楽部は「歌う前にしゃべる文化」というものも一つのターニングポイントとして昭和音楽を散策していくでしょう!
参考ページ:Music Avenue : いしだ あゆみ&TIN PAN ALLEY FAMILY_アワー・コネクション
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歌う前にしゃべりまくる連中、Parliamentについてはこの素晴らしい本を読んでね。

ブラック・マシン・ミュージック―ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ ブラック・マシン・ミュージック―ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ
(2001/08)
野田 努

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大貫妙子 – SUNSHOWER (1977/07/25)(ナカミチ)
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次にナカミチが紹介したのは、こちらも「黄金の年」77年の名盤、大貫妙子の『SUNSHOWER』。ほぼ全ての編曲を坂本龍一が担当しており、ドラムにNYのAORバンドStuffのクリス・パーカーを迎えたこともあってかなり都会的な一枚。しかし歌詞をよくよく見ていくと、作詞家「大貫妙子」が叫んでいるのは「都会からの脱出」というキーワードなのである。皮肉なことだが、時代が大貫妙子のこのアルバムをシティポップス的な都会アレンジへとまとめてしまったのである。私たちは目に見えづらい「時代」というものをうまくパッキングしたアルバムとしてシティポップスの大名盤『SUNSHOWER』を受け止めると同時に、ライターとしての「大貫妙子」を正しく評価する必要がある。
荒井由実 – MISSLIM (1974/10/05)(ウエニシ)
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最後にウエニシが紹介したのは荒井由実の『MISSLIM』。文句なしの名盤ですが、特に注目したいのは「12月の雨」!荒井由実の作詞家としての才能は素晴らしく、「優しく牙を剥く」的な詩的センスで紡ぎだされる歌詞はこのアルバムに既に出現しており、「12月の雨」における「時はいつの日にも親切な友達 過ぎていくきのうを物語にかえる」という歌詞にはハッとさせられます。歌詞に東京各所を登場させるといった都会的センスも兼ね備えており、そのような意味でも後のシティポップス全盛期に与えた影響は大きいと考えられます。
昭和音楽部はこんな感じでこれからも毎週やっていきます。今週の昭和音楽部のように、昭和音楽部が終了したあとはみんなでDOMMUNEを観ながら踊ったり、音楽を聴きながら酒を飲んだり、映画を観たりしたいと思います。
それでは来週もお楽しみに。

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