【春新勧ブログリレー】恋愛映画特集第一回「本当の恋は切り花のように」『アニー・ホール』

今晩は。土曜日の夜が一番好きな西浦です。

恋愛映画特集の幕を切る作品はウディ・アレンの代表作『アニー・ホール』です。皆さんと同じく私もこの映画は大好きで何度も見ていますね。昨晩、高峰君と鑑賞し直したので準備もばっちりです。では、いきましょうか。


1997年、アメリカ 監督 ウディ・アレン 出演 ウディ・アレン ダイアン・キートン

アニーホール

 

「僕が屁理屈だって?世の中、馬鹿や間抜けばかりじゃないか。落ち着いてなんかいられるか。子供時代の環境のせいかな。差別されたんだ。しかたないだろ。かまわないでくれ。みんな、どーせ死んでしまうんだ。人生なんて悲惨で惨めなもんだよ。そんなもの、期待しないのが一番だ ・・・・・・わかった。謝るよ。妄想だった ・・・・・・ところで君はセクシーだね。素晴らしいよ。倒錯的ですらある。好奇心をくすぐるね ・・・・・・」

ウディ・アレンといえばいつもこんな調子だ。 ハゲで背は低いし、おまけにいつも早口で理屈をこねている。いかにも女性が嫌がる男の代表だ。実生活では身を滅ぼすほどに浮気な男であるようだが(詳しくはミア・ファローとの確執を調べてね)、アレンは「もてない男」が主人公の映画を沢山作ってきた。自分が本音のところではうじうじした人間だと認識しているのだろう。そして、40作を超えるウディ・アレン作品の代表作に当たるのが今回の『アニー・ホール』だ。

本作はニューヨークのコメディアン、アルヴィー・シンガー(ウディ・アレン)とジャズシンガーのアニー・ホール(ダイアン・キートン)の数年間の恋を描いたロマンスコメディだ。2人は『アニー・ホール』以前に私生活のパートナーであった。キートンの本名はダイアン・ホールであり、二人の恋を誠実に分析した映画だ。

映画はアルヴィーの長い独白から始まる。アニーとの別れを後悔し、何が悪かったのかと自分に問うアルヴィー。私たち観客は理解する。これから始まるのは、終わってしまった恋の物語だ。どこが駄目だったのか。彼と一緒に考えることになるのだ。

「第2次大戦中、ブルックリン育ちの明るい少年でした」

アルヴィーの回想が始まる。

「宇宙は膨張してすべては無に帰る。宿題なんて無駄だ。」

母親に病院へと連れられたひねくれ者のアルヴィー少年。

「宇宙とブルックリンが何の関係があるの!」アルヴィーママが叫ぶ。

「宇宙が破裂するまでは何十億年もあるさ。それまで楽しまないと損だ。」医者は大笑いをする。人生の短さや虚しさは、ウディ・アレンの根源的なテーマだ。

「ローラーコースターの下での暮らしのせいで神経質になったんだ」

振動の中で育った少年のいたずら心は学校でも発揮される。

「6才のときに女を知った」

好きな女の子に突然キスをして先生に叱られるアレン。

「今月2回目よ。この恥知らず!」

「健全なる性的好奇心だ。」

現在のアレン(教室の椅子に座っている)が回想の中で先生に反論する。とてもコミカルで『フェリーニのアマルコルド』のようである。

フェデリコ・フェリーニはアレンの敬愛する映画作家だ。『アニー・ホール』は終始、フェリーニの『81/2』のように連想つなぎで映像が流れていく。ここでは時間や空間は関係ないのだ。アルヴィーとアニー達が過去のアルヴィー少年を訪ねるというシーンもあったりする。

さらにはキャラクターが観客に向かって話しかけてくる。

 

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アルヴィーとアニーで映画を見に行くシーンでは、連れの女性にフェリーニの批評をするいかにもウディ・アレンが嫌いそうなインテリが登場する。

「フェリーニを見たが駄目だね。技巧的すぎる。」

いらいらしだすアルヴィ。

「発作がおこる。」

「聞かないで。」

アニーに諭されるアルヴィー。インテリのひけらかしは止まらない。

「マクルーハンも言ってることだが・・・・・・」

「こんなときあなただったらどうしますか?」

アルヴィーは突然、観客に尋ねだす。

「自由の国だ。好きに言わせろ。」

インテリまでもが話しかけてくる。苛立つアルヴィは何とすみの方からマクルーハン教授   本人!を引っ張り出して、インテリを屈服させてしまう。

「いつもこう上手くいけばね。」

またも、観客に共感を求めるアルヴィー。

見ている方は何が映画のリアリティなのかがわからなくなってくる。変な気分だ。アルヴィーに任せて、彼の回想に付き合うしかない。このシーンで本当はフェリーニを出したかったのだろう。断られてしまったのか。

アルヴィー=アレンは映画冒頭でマルクス兄弟のジョークに影響を受けたと話す。観客と映画の間にある、演劇で云うところの第4の壁を壊してしまう演出はグルーチョ・マルクスの十八番のギャグだ。アルヴィーはグルーチョの「私を入れたがるクラブには入りたくない」というジョークを引用する。

「このジョークは僕の女性関係のキーだ」

ユダヤ人は長らく社交クラブに入れて貰えなかった。入れるのは同じユダヤ系のクラブばかりなのだろう。アルヴィー=アレンは典型的なユダヤ系だ。

アルヴィーは自分を到底受け入れてくれない女性ばかり求めてしまうのだ。           「本当にあこがれるのは『白雪姫』の悪い女王だ」                           アニメ『白雪姫』の中でアルヴィーは女王を改心させたがる。

メガネで三頭身の小男はどう見ても悪の女王にはつりあっていない。

ベットでアニーにスキンシップするアルヴィー。アニーは本に夢中でかまってくれない。

「今日は駄目よ。明日は仕事があるから声を休ませないと。」

「最近ご無沙汰だ。昔は昼も夜もやってたのに。」

「倦怠期よ。誰にでもあるわ。あなた、結婚してたんだからわかるでしょ。」

アニーと出会う前、アルヴィーは2回結婚していた。

最初の妻は選挙応援事務所で出会ったアリスンだ。卒論の資料を集めているという彼女をアルヴィーはおちょくる。

「君はニューヨーク左翼ユダヤ系でインテリびいきの大学生のお嬢さんね。」

「ああ、ごめん。また馬鹿なこといっちゃた。」

アルヴィーは自分がインテリユダヤだと思われることをアニーに嘆いていたのに口では真逆のことを言ってしまう。同属嫌悪。しかし、アリスンは気にしたそぶりもない。

「いいの。皮肉を言われるのは好きだから。」

彼女もアルヴィーの気持ちがわかったのであろう。アリスンは美人でインテリで変人でもあった。アルヴィにはぴったりだ。

しかし、アルヴィーは彼女との生活に耐えられなくなってくる。

「私とのセックスを逃げてるのね。」

アリスンにずばり指摘されるアルヴィー。図星だった。

「彼女は僕にぴったりなのに。どうしてだ?」

「”私を会員にするクラブには入りたくない”の気持ちか」

巨大な自意識のために人生を楽しむことができないアルヴィー。

 

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逃げたロブスターを捕まえようとするアルヴィーとアニー。このシーンの二人は本当に楽しそうだ。アドリブでないかと思うほど自然な笑顔をしている。愛し合っていたものだからこそできる顔だろう。もっとも仲が良かったころの二人だ。

アルヴィーはアニーと結婚する気はない。同居も嫌がっていた。

何故か?映画が進むにつれ、アルヴィーの気持ちは痛々しいほどわかってくる。

二番目の妻はロビン。社交的でスノッブな典型的な裕福なユダヤ人だ。             出版者や文化人を呼んでのホーム・パーティで悪態をつくアルヴィーは、教授たちが議論をしている後ろでセックスにおよぼうとする。

「腹いせのセックスなんていやよ。」

「外には『ニューヨーカー』の編集者がいるのよ!」

またしても上手くいかない。アルヴィー=アレンが嫌いなものは何か。それは自分自身だ。  自分を入れてくれるクラブを嫌悪してしまう。つまりは『ニューヨーカ』のような知的でユーモアのあるところは嫌なのだ。

ウディ・アレンの一般的な印象はまさに『ニューヨーカー』なのだが。アレンをスノッブだと批判する人は多い。しかし、彼のスノッブさは自分を守るためである。

アニー・ホールは過去の妻たちとは違っていた。アニーは田舎育ちで純朴だ。いつも笑顔で陽気な彼女。格好も独特で男物のパンツやジャケットにネクタイを締めている。今見てもおしゃれだ。

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友達のロブ(トニー・ロバーツ)の紹介で出会った二人。自分とまったく異なるアニーにアルヴィーは惹かれていく。橋の言葉で愛の言葉をべらべらささやくアルヴィー。

「愛してるじゃ足りないね。アイ ラーブ。アイ ローブ。いやアイ ローフ。愛の強調だよ。」

「ばかね・・・・・・愛してるわ。」

このやりとりはこの映画の核心だ。愛情は言葉で尽くせるものではないのだ。アルヴィーは言葉や知性に勝るものがあることがわからない。このときから二人の関係は破綻するしかないことは見えていた。

アルヴィーはアニーを本当に愛していた。

「本当の恋愛」は相手に期待をかけて幻想を抱きまくるものではないか?互いに立ってる足場を掘り起こしていくのが恋愛だろう。いつかは二人で立てなくなって壊れるしかない。失われるからこそ美しく尊いのではないか。

恋愛は人生を凝縮したものとはいえないか。一人では成立しない上にあっけないものだ。

恋のない世は味気ない。けれどもいつまでも同じ味では飽きてしまう。

古代のギリシャ神話で神々と人間を隔てるのは死であった。人間は死すべきものであるから飽きずに生を楽しむことができる存在として描写される。恋愛も同じく生き生きとしたものだ。

二人の恋はどこでだめになってしまったのか。『アニー・ホール』は恋愛という生き物の観察記録でもある。

アルヴィーはアニーを教育し始める。フェリー二やベルイマンを見せるし、本を読ませる。大学や精神分析にも通わせる。素直な彼女はどんどんと成長していく。ついにはアルヴィーを追い越し、反発するようになる。二人の仲に亀裂が入ってくる。

自分で大学に通わせといて、もう通うなと口論するアルヴィー。変われない自分に焦り、苛立ち、嫉妬する。幻想の彼女と現実の彼女がずれだした。自分を愛し、憎むアルヴィーはアニーの期待に答えない。逆にアニーに自分の幻想を押し付ける。アニーはアルヴィーのなりたい自分の投影だ。陽気で無邪気な彼女はアルヴィーのあこがれだった。

「あなたはニューヨークの孤独な島よ。」

アニーはアルヴィーの独りよがりを咎める。

「精神的なオナニーをしてるだけよ!」

「オナニーをばかにしないでくれ。僕にとっては愛する人とのセックスなんだ。」

こんなに悲しい台詞があるだろうか。アルヴィーは愛する自分を捨てられないのだ。

いよいよ、アニーはアルヴィーのもとを離れてロサンジェルスへと旅立つ。

ロスは未来を生きるものの街だ。晴れ晴れとした、突き抜ける青空。

二人の恋という花はついに枯れた。映画はラスト、アルヴィーとアニーが再開するところで終わる。アニー=キートンの歌に合わせ二人の思い出が流れていく。

アニーへの思いや感謝、そして謝罪とともに映画は幕を閉じる。

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『アニー・ホール』は終わるしかなかった恋を描いた傑作です。失敗だからこそ私達の心に迫ってくるのです。アルヴィー=アレンは最後に人は卵を残したいから恋愛をするんだと言いました。卵が何であるかはもちろん人によって違うのでしょうが。

卵は孵り、また新たな卵を残します。恋愛は人間の壮大な叙事詩でしょうか。人が生まれては死んでいくように、恋もはじまり、そしておわる。『アニー・ホール』という卵の後に多くの恋愛映画が生まれました。次回以降ではそんな映画を紹介していこうと思います。

長くなりました。最後です。私はこの映画から恋愛における一つの目標を見出しました。   私は彼女のもとから「自分が必要でなくなる日」を夢見ていこうと思います。

まだまだアルヴィーほどに自意識が強いのでゴールは遥か遠くです。とほほ。

ではでは。第二回もよろしく。

テストがあるので更新は月曜日かな。ごめんなさいね。

西浦直人

[春新勧ブログリレー]「苦いもんだね。恋愛映画特集~予告編~」 

どーも、春新勧ブログリレー土曜日担当の西浦直人です。

体調不良で一日遅れてしまいました。やはりこの時期は育った九州の季節の感覚が北海道での生活とずれてきて体も頭も不調です。春はまだでしょうか。もう冬物とおさらばしたいです。

来週には新1年生が続々北大にやってくるんですね。私のときは入学式が吹雪でした。また後輩が増えると思うと楽しみです。いよいよ私は4年で最高学年です。えっへん。

んっで、ですねタイトルにある通り、私の記事では全5~10回の連載形式で「恋愛映画」について書いていこうと思います。読者は主に男性を想定しています。女性の人は私よりも恋愛についてご存知でしょうから「男ってこう考えるのね」と笑ってあげてください。

以前書いた「終電車」の記事と同じように詳しいストーリーも書いていくのでその映画を見ていない人も楽しめるかと思います。前半ではアメリカ映画の一つの潮流である「奥手な男のための非モテ恋愛映画」を扱い、後半では特に私の好きな映画を語るつもりです。以上が企画説明です。

さてさて、先日、2014映研ランキングを発表しました。票の集計をしていて映研では恋愛映画の人気がないということに気がつきました。話題に上がるのはサド的なエロチシズムを題材にした映画ばかりで「恋愛映画」好きの私としては不満が残りました。甘いものや苦いものどっちも必要なのが人間の生ではないでしょうか。私たちは遺伝子の乗り物なだけではないはずです!恋愛映画を軽んじる気持ちは恋愛への期待をスポイルしてしまいます。

そこで私の好きな、また学ぶところの多かった映画を取り上げてこの風潮を打破したいと思い、この企画を始めました。あんまり春新勧とは関係ないですね。

困ったことに多くの男たちと同じく私も恋愛がちっともわからないのですが、理解できるまで何度も恋をするわけにもいきません。結婚してから妻以外の人を好きになってしまうのはいいことでも何でもない不幸です。実生活での恋愛はなかなか強烈で楽しいことも嫌なこともあったし、これからもあるでしょう(今彼女を探しているぞっ)。

数に限りがあるならどうするか。映画を見ればよいと思います。「恋愛映画」は過去の経験の投影先であるだけでなく、人生の予行演習だったり、別の人生を想像するきっかけとなります。そういったところが映画の面白さです。この楽しさを恋愛映画が苦手な人にも伝えていきたいと思います。私自身も「恋愛」というものをもう一度考える機会にしたいです。

では次の土曜日から第一回始めていきますよ。励みになるのでコメントよろしくお願いします。

初回はやはりウディ・アレンの「アニー・ホール」です。映画見てない人は予習しておくとより楽しめるかと思います。DVDだったら私持ってますよ。では、乞うご期待!

西浦直人

北大映画研究会 2014年ベスト(1位~5位)

さあ、いよいよベスト5を発表いたします!

意外な作品が入ってますよ。


5位 スパイク・ジョーンズ監督 her/世界でひとつの彼女

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見る人それぞれの恋愛体験を反映してしまう作品だけにくらった部員も多かった様子。    上級生からの高い評価がありました。一年生でベストに入れた人はいなかったようです。   きっと、ピンとくるときが来ますよ。笑


4位 ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ監督 ベイマックス

ベイマックス

これは意外な作品でしょうか。現在も大ヒット中のベイマックスが1,2年部員の厚い支持を受けてランクイン。作り込まれたアニメ世界とベイマックスの愛らしさに心打たれたのでしょう。反面、「アナと雪の女王」は23位という微妙な結果でした。


3位 クリント・イーストウッド監督 ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

去年映研で最も評判になった作品だけに当然の順位ではないでしょうか。「ブロンコ・ビリー」や「センチメンタル・アドベンチャー」に連なるメタフィクション映画でありましたが、アメリカ映画への愛着にかかわらず、人気を得ていました。


 第2位 マーティン・スコセッシ監督 ウルフ・オブ・ウォールストリート

 ウルフ・オブ・ウォールストリート

こんなゲスな映画が2位でいいのでしょうか。映研の男どもの熱狂的支持がありました。女性票はほぼゼロ!んーんーんと胸を叩く真似が映研ブームになりました。去年一番サークルないで見られた映画でしょう。


 

 第1位 デヴィッド・フィンチャー監督 ゴーン・ガール

ゴーン・ガール

元々ファンも多いフィンチャー監督だけあって、圧倒的票数で1位になりました。女性部員からの評価が特に高かったです。「女なめんな!」というメッセージでしょうか。「ウルフ~」に夢中のみんな気をつけましょうね。

 

以上、2014年に北大映画研究会で話題になった映画ベストテンでした。すべて洋画という結果になりましたね。例年邦画も上位に入っていたのですが、意外な結果となりました。世間的に評判の「紙の月」や「そこのみにて光輝く」は部員にはいまいちだったのでしょうか。なんにせよ今の北大映研の好きな作品は これということです。上位作品については分析記事を近く載せていきたいと思いますのでお楽しみに。ではでは

西浦直人

北大映画研究会 2014年度ベスト(6位~10位)

少し遅くなりましたが、北大映研部員からの投票を元に

2014年度公開映画のベストテンを発表いたします。

なお、投票人数は34人でした。ご協力ありがとうございました!

では10位から6位まで


10位 ジャン=ピエール・ジュネ監督  天才スピヴェット 

天才スピヴェット

女性部員を中心に高い支持がありました。札幌公開が年末であったことを考慮すると大健闘といえます。札幌では3D公開がなかったことが残念でした。


9位 フィル・ロード、クリストファー・ミラー監督 LEGO ムービー

LEGO ムービー

レゴブロックがストップモーションのように動く、驚きのCGアニメがランクイン。男女を問わず人気に。一時期、映研の話題を独占していました。


 

8位 ジョシュア・オッペンハイマー、クリスティーヌ・シン監督 アクト・オブ・キリング

アクト・オブ・キリング

世界の映画祭を席巻した映画史に残るドキュメンタリー映画が北大映研でもベスト入り。   札幌では短期間の公開でしたが、見た部員は皆絶賛していました。


 

7位 ウェス・アンダーソン監督 グランド・ブタペスト・ホテル

グランド・ブタペスト・ホテル

 

北大映研でも屈指の人気があるウェス・アンダーソンの作品が学年を問わず高評価。     札幌ではシアターキノのみでの上映でしたが、満席の大賑わいでした。


6位 クリストファー・ノーラン監督 インターステラー

インターステラー

サークル内で賛否が分かれましたが、SF超大作のインターステラーがベスト入り。10人の部員からの投票がありました。 CGを極力使わないノーラン監督のフィルム主義には皆が脱帽しました。


 

以上10位から6位まででした。どうでしたか?皆さんの好きな作品は入っていたでしょうか。

どの作品も話題になったものでしたから納得といった感じではないでしょうか。個人的にはひねくれてない映画ファンのランキングになっていて良いんではと思いました。

5位から1位までの作品はまた明日、発表いたします!何が入っているのでしょうか?

ちなみに投票された作品の数はなんと100作品近くありました。皆さん好みが全然違うようです。

西浦 直人

 

 

 

2014年好きなものいろいろ

映画ベストに引き続きその他のベストも発表します。2014年に出たものに限定しています。

漫画


 

あれよ星屑:山田参助

あれよ星屑 1

 

この作品はコミックビームに連載開始時点から面白いとお勧めしてしたものですね。兵隊やくざな門松と川島の生き生きとしたやりとりがとても魅了的です。作者はゲイ漫画界で活躍されていたらしく達者な絵を描かれています。メリハリがついた絵で戦後東京の混乱したでも温かい貧しさをうまーく見せています。こんな漫画家がいたとは。コミックビームもさすが。現在2巻まで発売しているところ。マンガは高峰君に貸してます。


 

ドミトリーともきんす:高野文子

ドミトリーともきんす

「絶対安全剃刀」や「黄色い本」で漫画通に知られている高野文子先生の新作です。これはとても話題になったマンガですね。本屋さんでもよく目にしました。空想の学生寮「ともきんす」に偉大なる4人の科学者、朝永振一郎先生、牧野富太郎先生、中谷宇吉郎先生、湯川秀樹先生が住んでいるという幸せなお話です。私たち若い世代にはあまり知られていませんが、寺田寅彦先生を代表に戦前の大科学者は優れた随筆を多く残されています。

本作では四人と寮母さんとその娘の淡々とした交流が描かれえます。何度読んでも飽きないつくりですから4人の著作を読んでもいいし、マンガって何だろうと科学チックに考えてもいいんですね。マンガ表現の巧みさに驚きます。これも高峰君に貸してます。


 

 

ムシヌユン:都留 泰作

ムシヌユン 1

ビッグコミック・スペリオールで連載中のSF、エログロ、ギャグマンガです。27歳童貞の主人公が南の島でへんてこな虫にかまれて変身(というか変態)する「寄生獣」に似た話ではあるものの岩明均のようなスピード感や読みやすい構成になっていない分、どんなはなしか先が読めません。本来だったらわかりにくくて飽きられそうなんですが、無視はできないマンガとしての力があります。読み手として寄り添うところがないマンガですが、続きがとても気になります。


五色の舟:近藤ようこ

五色の舟

これも何度もお勧めしましたね。「あれよ星屑」と同時期にコミックビームで連載された作品です。近藤ようこ先生はベテラン漫画家で題材選びも挑戦的で筋が通っているため毎回楽しみなんですが、本作も美しくやわらかい絵で異形の家族を描ききっていると思います。

大衆文化にどっぷりの私なんぞが何をいわんやですが、日本の文化の良さは曖昧でゆらゆらしたところ、つまりあちらとこちらの狭間に見出せるんではと思ってます。ともすれば消え入ってしまいそうな線と日常と非日常のあわいを演じることで日々の糧を得る見世物小屋の家族たちがとてもマッチしていて、ゆれる小舟に乗ったような読後感がありました。

2014年は個人的に先の大戦についてこだわっていたので今は亡き先輩方への鎮魂のような気持ちで読みました。近藤ようこ先生は現在コミックビームで折口信夫の「死者の書」をコミカライズされています。


 

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない:宮崎 夏次系

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない

このマンガはすでに紹介した作品と比べると趣味的です。サブカル的だと言われそうですが、私は宮崎 夏次系が好きなのです。まず女の子がいい。私は女の子がポカーと口をあけているところに愛らしさを感じるんですが、宮崎 夏次系に描く女の子はどこか抜けているんですね。そのヘタウマな感じに惹かれるのです。お話はナンセンスコメディでとことん馬鹿馬鹿しい、変でしょうと奇をてらったところもあるんでまだまだ進化の余地もあります。本作は短編集なので当たり外れもありますが、読みやすい作品だと思います。


 

以上が漫画で去年何度も読んだものです。漫画は映画ほど頑張って数を読んでないので他にも良いものはあると思いますが、私のお勧めです。

 

書籍

私は小説を余り読まないので14年出版の小説について何かお勧めすることは出来ません。ここでは14年に出た本の中から面白かったものを紹介します。


 

資本主義から市民主義へ:岩井 克人 (著), 三浦 雅士

資本主義から市民主義へ

 

私は高校時代にヴェニスの商人の資本論を読んで以来、岩井克人氏のファン(適切な言い方なのか)なのですが、本書では貨幣の存在支えるのはただ貨幣のみという一見びっくりな岩井理論の現時点での成果が三浦氏との対談を通してまとめられています。

岩井理論の射程は貨幣から言語、法までを貫くもので理系の私には読み解くのが難しいのですが、貨幣、言語、法は私たちがそれらの存在を信じているからこそ成立する建設的虚構だというのはとても納得出来ます。へんな話、人間っていいなと思いました。映画だって本当はうそっぱちだけど人間はフィクションを信じていれば辛くたって生きれますよね。頭がいい人って深いなあとおバカな感想を持ちました。


 

トリュフォー 最後のインタビュー:蓮實 重彦 (著), 山田 宏一 (著)

トリュフォー 最後のインタビュー

 

以前ブログでも書いた通り、去年はトリュフォー没後30年でした。それにあわせて以前のインタビューを集めた辞書並みの厚さのある本ですが、中々の値段がするので渋ってましたが最近、やっと購入しました。いくつか別の本で読んだものもありましたが、トリュフォー辞典に相応しい読み応え、とても面白い本です。私にはぴんとこないのですが、蓮実先生はトリュフォーと同世代なんですね。偉大な才能が早くに失われてしまう無念さというものを感じました。    まだ半分しか読めてないので大体読み終わったらお貸ししますよ。ちなみに「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」は番場部長が持ってます。


人類が永遠に続くのではないとしたら:加藤典洋

人類が永遠に続くのではないとしたら

私が非常に信頼している文芸評論家の加藤典洋氏の3.11以降の論考をまとめた本です。 去年本来の物理の勉強そっちのけでずっと読んでいました。中毒性のある危険な本だと思います。人類は有限の世界に生きている、そうであるならばどう生きていけばいいかということが本書のテーマです。見田宗介氏の社会理論を足掛りに吉本隆明、ジョルジョ・アガンベンへとずんずんと進み「できない」ことを肯定する有限性の生の思想を提示します。加藤氏の考え抜いた言葉が私に迫ってきます。有限性のなかで生きるのは大変に困難を極めることです。この本を土台に自分で考え納得した生き方をしたいと思います。


 

書籍は以上です。去年出た小説は「帰ってきたヒトラー」と「女のいない男たち」ぐらいしか読んでません。

 

音楽

最後は音楽です。これこそまさに門外漢なんで怒らないでください。西浦が2014年良く聴いたアルバムだと思って下さい。そもそも私はヒップホップとシティポップくらいしか聴いてません。


promenade:北園みなみ

promenade

 

これは何度も聴きました。北園みなみのファーストアルバム。音が打ち込みでく贅沢です。ドライブしながら聴かなくてすむシティポップ!キリンジや流線型、富田ラボが好きだったらお勧めです。


如雨露:NORIKIYO

如雨露

 

今度は日本のヒップホップですね。これは聴き倒しました。もーかっこいい。アルバムが出るたび言葉が洗練されているなと思います。彼としては意外にも恋愛感情を扱ったアルバムで普段ラップを聴かない人もいい意味で聴きやすいものになっています。私の好きなBRON-Kとのfeatもあってナイスです。


 

音楽の話はこわいんで2つだけ。去年1番聴いた曲は一十三十一の「Night Flight Telephone Call feat. PUNPEE」です。「Snowbank Social Club」の三曲目。とってもおしゃれな曲です。一十三十一もPUNPEEも好きなんでたまらなかったですね。1分56秒からの曲です。

 

2014年のよかったものは以上です。本当は2014年に発見した居酒屋、カフェでよかったところやラジオの番組とかも紹介したいのですが、個人的過ぎるんで気になる人は直接聞いて下さい。ではでは

 

 

 

 

2014年新作ベスト(西浦)

2014年の話題になった映画も大体見たのでやっとベストを公開できます。では早速一位から十位です。


1位 グランド・ブタペスト・ホテル(ウェス・アンダーソン)
2位 セインツ-約束の果て-(デヴィッド・ロウリー)
3位 アクト・オブ・キリング(ジョシュア・オッペンハイマー 、クリスティーヌ・シン)
4位 ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(アレクサンダー・ペイン)
5位 ウルフ・オブ・ウォールストリート(マーティン・スコセッシ)
6位 ブルージャスミン(ウディ・アレン)
7位 戦慄怪奇ファイルコワすぎ! 史上最恐の劇場版(白石晃士)
8位 ゴーン・ガール(デヴィッド・フィンチャー)
9位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(ジェームズ・ガン)                    10位 罪の手ざわり(ジャ・ジャンクー)


 

アメリカ映画ばかりでごめんなさい。でも札幌だとヨーロッパ映画も中国映画もイラン映画もあんまり見れないんですよ。2014年新作は100本ほど見ました。ワン・ビンの収容病棟やロウ・イエの最近の作品とアンゲロプロスの遺作が見たかったのですが、DVDのリリース待ちです。

最近は映画の趣味が変わってきて昔の名画ばっかり見ています。
1,2位はこんな力強い映画がまだ撮れるんだなあと感心したんで選びました。
3位は当然でしょう。命がけの映画です。評価するしかないでしょう。
4位はランキング入れるか迷ったんですよ。どこか作為的だなと感じますし、見る人のそのときどきの立場で評価も変わりそうですから。でも2014年では一番繰り返し見ちゃった映画です。先のわからぬ大学3年生のときに映画館で見たんだと心のノートに刻んでおきたいんで高順位にしておきます。
5位はこれは評価が別れますよね。でも僕はアメリカ映画のこういう馬鹿馬鹿しさが好きなんで勇気を出してベスト10に入れました。スコセッシが嫌いな人は「グランド・ブタペスト・ホテル」を一位にしておけばいい。私はどっちも好きなんです。悪いか。
6位以下はエンターテイメントとしての映画の楽しさをそのまま順位にしました。
7位は「コワすぎ! 」シリーズ全体を含めての評価としています。
私は白石監督はアメリカの超一線級の娯楽映画に対抗できると本気で思っているのです。
次点10作品です。

「パズル」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」「新しき世界」
「そこのみにて光り輝く」「her」「熱波」「ジャージー・ボーイズ」
「グレート・ビューティ 追憶のローマ」「LEGOムービー」「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」


皆さん見ていないだろうけど「パズル」はすごいホラー映画なんですよ。「コワすぎ!」をいれちゃったから外しましたけど。「先生を流産させる会」の 内藤 瑛亮監督はさすがです。怖いよ。

「グレート・ビューティ」には今はなきイタリア映画への執着を感じます。真面目と不真面目をゆらゆらしています。イタリア人は何をするにしてもおっしゃれと思うのは日本人だからでしょうか。でもそういうこっちゃないんだよ、と老作家はいうのでした。日本語タイトル、なんで英語にするのかなあ。パオロ・ソレンティーノ監督に注目です。

2014年の話題作で見れてないものは
邦画は「野のなななのか」「0.5ミリ」「ほとりの朔子」「海を感じるとき」「私の男」「水の声をきく」
「劇場版 テレクラキャノンボール2013」「福福荘の福ちゃん」など
洋画は「複製された男」「ホドロフスキーのDUNE」「リアリティのダンス」
「ニンフォマニアックVol.1,2」『フランシス・ハ」「毛皮のヴィーナス」「天才スピヴェット」
「ショート・ターム」「イコライザー」「フューリー」など

ベストテンの映画についてはまた詳しくブログで感想書いて生きます。

西浦直人

12/19例会記録

遅くなりました。西浦です。最近は忘年会で皆と会えることを楽しみに擦り切れるように暮らしています。19日の例会記録です。今回は恒例のクリスマス映画上映会でした。

今年最後の例会でしたが、参加率は低く、さびしいものでした。今年の活動の反省点として、来年に活かしていきたいと思います。どうすれば例会が活発化するのか。皆さんのお知恵を借りたいです。

今回上映した映画はエディ・マーフィー主演の「大逆転」でした。

成功と失敗を決めるのは環境か遺伝かという社会学、生物学上の有名な論争があります。

「やばい経済学」というベストセラーでご存知の方もいるでしょう。「大逆転」はこの論争を実際に実験してみたら面白いだろうという発想で作られています。

エリート白人のダン・エイクロイドと黒人ホームレスのエディ・マーフィーを無理やり立場を逆にしてしまえばどうなるかというお話。もちろんコメディでダン・エイクロイドは嫌われ者、エディ・マーフィーはお調子者です。結局は金持ちに復讐というだけのちっちゃい映画なのですが、何も考えないで見ない分には楽しめます。まさにジョン・ランディス映画であります。

この映画で面白いのはエディ・マーフィーが金持ちになってすぐに金があるだけでは詰まらんなあと悟るということ。それからエディ・マーフィーはとても熱心に働き始めるのです。金ではなく仕事が楽しいんだというままに成功していくんですね。この感覚を維持したまま映画が進んでいけば話に深みが増しただろうと思うのですが、途中で悪役への復讐という話しにシフトしてしまうんですね。

ここらへん、惜しいというか時代性が出てますね。アレクサンダー・ペインやジャド・アパトー、エドガーライト等が作る昨今のコメディ作品は笑い話に豊かな奥行きがあるのですが、80年代のコメディ映画はハチャメチャな笑いが優先される世界なのですね。まさにサタデー・ナイト・ライブ一色であります。今の感覚で見ると普通のコメディに見える「大逆転」もジョン・ランディスが多くの映画を作り、それに私たちが慣れてしまったからゆえなんですね。

映画を見ててそんなこと思いました。何でこんなに例会記録で映画の話をしているかというと今回の例会は特に語ることがないからです。皆が参加して映画製作の話しでも出来れば実りあるのですがね。

今週はクリスマスのため例会はありません。私が何かしゃべくろうかと思ったのですが、皆さん忙しいみたいですね。楽しそうでなによりです。

映画撮影は今週もやるみたいです。福本オムニバスは長嶋さんにお尋ね下さい。私も時間が作れれば撮りたいと思ってます。

年内の映研の活動で大きなものは忘年会のみです。冬休み上映会は随時行うようなのでメーリス等で連絡あろうと思います。

もっとブログ書きたいなあ。では、また。忘年会で。会えぬ人は良いお年を!

私らしく生きるということ 映画紹介

今晩は。西浦です。今月から注目映画が多数公開され毎週映画館に行っても追いつかないです。現在シアターキノで11/21までフランソワ・トリュフォーの没後30年特集上映が組まれています。映研部員が気づいていないようなので宣伝しておきます。

詳しくは以下のリンクを参照下さい。http://mermaidfilms.co.jp/truffaut30/

映研部員であればトリュフォーの代表作は見ているはずと思いたいのですが(見たことないという人は勉強不足ですよ!)簡単にどのような監督かを説明しておきますね。

トリュフォーは32年に生まれ、84年に世を去ったフランスの映画監督です。ヌーヴェルバーグ(この言葉にみがまえないで下さい)を代表する監督の一人です。恋愛映画の名手で無数の傑作を残しています。代表作は「大人は判ってくれない」、「終電車」、「突然炎のごとく」、「アメリカの夜」、「隣の女」等です。伝説の映画雑誌、カイエ・デュ・シネマで評論家として活動したのち「大人は判ってくれない」で世界的評価を得ます。ゴダールとの決別という映画史に残る別れをへて、映画人として生涯を全うしました。私の尊敬する映画評論家の淀川長治さんはトリュフォーを映画の使徒、天使であると評していました。トリュフォーは映画をひたむきに愛し、映画の正道を外れないで歩いた人です。

ヌーヴェルバーグの監督というと敷居が高いと感じる人が多いかもしれませんが、トリュフォーの一連の映画はヒッチコックの映画を下敷きにしており、サスペンスと恋愛が絡み合う見事なドラマとなっております。なんの前提知識がなくてもすんなり見れるので未見の方は是非、映画館で見て欲しい。

シアターキノで上映する作品は「大人は判ってくれない」、「突然炎のごとく」、「暗くなるまでこの恋を」「終電車」の四作品です。今回は「終電車」について語りたいと思います。

~フランスの憂鬱、希望の沈滞、終電車の世界~

「終電車」は1980年の作品でトリュフォー映画で最もヒットした映画です。映画の世界ではこの時代、ワクワクするようなドラマというものが流行らなくなっていたんです。現実から希望が失われたとき(例えば911以降のアメリカ映画のように)物語は魅力的な話のネタを現実の生活から見つけることが難しくなります。現実が辛くてつまらないとき作家の視点は過去へと向かいます。「終電車」はドイツ占領時代のフランスが舞台です。フランスが最も落ち込んだ時代であり、レジスタンスとして国民が団結した栄光の時代。このアンビバレントな時代に戻りたいと思う心情はわかる。が、しかしアナクロでもある。宮崎駿が今の政治状況を超えて戦争直前の人々、日本の時代のある種の美しさを「風立ちぬ」で描いたことと通じるところを感じます。

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主人公は激動の時代を生き抜き、ユダヤ人の夫とモンマルトル劇場を守らんとする女、マリオン。ナチスドイツの手を逃れ国外逃亡したと思われた劇場主で演出家のシュタイナー。本当は彼は妻のマリオンの助けで劇場の地下室に隠れ住んでいた。彼女は女優兼演出家として舞台に立ちながら夫の演出プランのもと劇を成功に導かなくてはならなくなった。ナチ御用達記者の嫌がらせや夫への追跡、多くの困難に負けず、マリオンは夫と劇場を守り通せるかが物語の軸であります。

劇中劇「消えた女」の上演のため役者を探すマリオンは若き俳優ベルナールを採用する。マリオンの美貌と強い意思に惹かれていくベルナール。話は夫を匿う妻マリオン、隠れた夫シュタイナー、若きべルナールのヘンテコな三角関係へと発展します。

不倫の物語は劇中劇と互いに絡み合いつつ、驚きそしてある種痛快な結末へと向かっていきます。どうなるか、これは映画館で見て欲しいですね。

~美しいってのは窮屈だ、カトリーヌ・ドヌーヴという女優~

終電車の主人公はフランスの大女優、神秘の美女カトリーヌ・ドヌーヴです。彼女の代表作はもちろん「シェルブールの雨傘」。これはミュージカルの傑作。セリフも全て歌で無駄がないぶん話はシリアスという変わった映画。私は視聴後、女とは何なのだと頭を抱えてしまいました。美女とはかくも生きずらいのか。私が美人という生き物について考える一つのきっかけであります。この映画を楽しいミュージカルと受け止められる人はニブチンか美女だけでしょうね。

さて、カトリーヌ・ドヌーヴがどんな女優かというのは下の「シェルブールの雨傘」の彼女を見れば一目瞭然です。神秘の美少女とは何者か。それは全身これ不満感といったもので作られたとんでもなく不器用な女性だったのです。笑顔はその冷淡な顔の裏に隠れ、何が自分なのかしっくりこない。もちろん多くの少女は自分がはっきりしない混沌の中でもがき、うじうじしちゃって見てくれが不健康(ブスになるということ!)になるものです。

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私は美少女と少女をわかつのものは美女は自分にしっくりこないが自らの美しさには疑いを持ってない分自由に動けるということだと思うんですけど、美しいなんてものは周りが決めたよくわからないものだけに怖いことでもあうんです。普通は美女も綺麗なおばちゃんになってしまうけれど、彼女はどこかで大人になるいうことを拒否してしまった節があっります。「終電車」の彼女は若い時のまんま不機嫌顔なのです。

美少女のままおばさんになった女。これって男としては可哀想に思う、というかどうしたもんだと思うのですが、トリュフォーが映画で示した答えはかっこの良い見事なものでした。ここは映画での楽しみとして伏せておきますが。

なんにせよカトリーヌ・ドヌーヴに代表される本当の美女とは身近な幸せを拒絶し、にっちもさっちもいかない不幸の中でホッとしてしまう業を背負った生き物みたいです。ルイス・ブニュエルが彼女と組んでつくった「哀しみのトリスターナ」、「昼顔」なんて本当にその通りで不能の夫に付き添う妻だったり、ジイさまに愛されたりと情念渦巻いているのですが、ここでの彼女の美しさはえも言えぬものがあります。客観的にはど不幸なんですけどね。

 

以下ネタバレがあるので注意!

~それでも君は美しい、トリュフォーの愛~

さてこっからは映画を見た人が読んで欲しいのですが。トリュフォーは一時期カトリーヌ・ドヌーヴと恋仲にあったのです。この「終電車」は全編トリュフォーの彼女への愛で出来ています。マリオンというキャラクターはおばさんになった彼女の境遇を反映しており、それゆえ変な映画になっているのです。三角関係の末にどうなるのか。ここは驚き、ベルナールとシュタイナーまさかのどっちつかずに終わるのです。終戦後の劇場でマリオンを真ん中にベルナールとシュタイナーが舞台の上に立っています。喝采の中でマリオンは二人の手をとり満面の笑みで笑うのです。今までの彼女の映画にはないほっとした安心の笑顔。ここで映画は終わるのです。なんと見事なんでしょうか。どうするか決めかねているマリオンことカトリーヌ・ドヌーヴにどっちも選べ、ごまかしちゃえというのです。

なるほど、カトリーヌ・ドヌーヴとはそう生きるべきであったか。不器用な君はバカだねといって彼女を笑顔にするトリュフォーを尊敬します。彼女らしい美しさとはあの最後の笑顔だったんですね。私らしさとは他人が認めてこそ輝くのだと思いました。

~映画館に向かうのだ!~

トリュフォーの恋愛映画はとても深みがあります。恋愛を理屈や言葉で考えちゃう私にはいい薬になるのです。映研部員で見ていない人はこの機会に映画館で見て欲しいですね。「終電車」以外の作品も面白いですよ。

それでは。ブログの感想待ってます。西浦直人

11/7例会記録

今晩は。西浦です。新歓も終わりましたので例会の記録をつけていきますね。

なるべく土曜日に更新したいと思うので金曜日参加できない部員で例会内容が気になる人はご参照下さい。今週は多くの新入生が見学に入らしていましたよ。相変わらず、冬は女子部員がサボリ気味ですが笑

<近々の話題>

メールでも回っていましたが、今年もサークルの忘年会を12月頭にやるそうです。

幹事は2年田中と1年藤田です。メールへの返信よろしくお願いします。連絡が来ていない人は部長の方に連絡を。

映研グランプリ(今期の作品上映会)ですが、1月末に行うそうです。なるべく予定を空けるよう努めて下さい。

撮影のエキストラの件は映研としてはなしになりました。どうしても参加したいという人は部長に相談をお願いします。

<撮影予定>

10月同様多くの撮影予定があります。高橋、番場、田中監督の撮影があります。

詳しくは映研のSNSにスケジュールがのっていると思います。撮影予定がある人は機材、スタッフ繰りの関係があるのでなるべくSNS上に予定が決まり次第、報告下さい。

新入生の方で撮影見学をしてみたいという人がいましたら、番場部長、もしくは映研gmailに連絡を下さい。都合がいい日程で体験できるようにしたいと思います。

<上映会予定>

今月(来月もかな)は上映会強化月間です。

まずは11月16日にアクション映画特集をやります。映画を見た後に「エクスペンダブルズ3」を見に行くという夢の企画です。私は「エクスペ3」もう見ました。当然、面白いですよ。

次、11月23日に市川雷蔵特集を井筒さんがやるそうです。時代劇が中心なのでしょう。中々見るまでのハードルが高く感じてしまうジャンルなのでこの機会に見てみるのがよいんじゃないですかね。

あとは未定ですが、公開映画に合わせて「ホビット1、2」上映会や沖田修一、デヴィット・フィンチャー監督特集などが出来ればよいかなと思います。

最近、お勧めの監督、映画がある!という人は上映会歓迎です。私はハル・ハートリー(最近作品がDVD化されました)特集がやりたいです。もしくはトリュフォーやりたい(11月15日からシアターキノで特集上映です)

今週の例会で決まった話は以上です。では、また。

 

第2回新入生のための撮影技術講習会のお知らせ(5/2)

今晩は部長の西浦です。

先日行われた撮影技術講習会に引き続き明日(5/2金)も撮影技術講習会をやります。

場所は北大の高等教育推進機構E217教室です。時間は18時半から。

新歓で使った教室のとなりの教室ですよ。

内容は新入生の皆さんに映画作りの具体的イメージをもってもらうために機材や脚本、絵コンテ等を知ってもらう企画です。第一回の講習会に出ていない新入生の参加も歓迎です。

皆にはカメラや音声の機材にふれてみてもらおうと思います。時間は1~2時間ぐらいです。実際に撮影もやってみたいと思います。

番場副部長が汗だらだらと説明をしてくれるはずです。

質問等は例のごとく映研のメールアドレス

hu.cinema.m@gmail.comまでお願いします。