2014年好きなものいろいろ

映画ベストに引き続きその他のベストも発表します。2014年に出たものに限定しています。

漫画


 

あれよ星屑:山田参助

あれよ星屑 1

 

この作品はコミックビームに連載開始時点から面白いとお勧めしてしたものですね。兵隊やくざな門松と川島の生き生きとしたやりとりがとても魅了的です。作者はゲイ漫画界で活躍されていたらしく達者な絵を描かれています。メリハリがついた絵で戦後東京の混乱したでも温かい貧しさをうまーく見せています。こんな漫画家がいたとは。コミックビームもさすが。現在2巻まで発売しているところ。マンガは高峰君に貸してます。


 

ドミトリーともきんす:高野文子

ドミトリーともきんす

「絶対安全剃刀」や「黄色い本」で漫画通に知られている高野文子先生の新作です。これはとても話題になったマンガですね。本屋さんでもよく目にしました。空想の学生寮「ともきんす」に偉大なる4人の科学者、朝永振一郎先生、牧野富太郎先生、中谷宇吉郎先生、湯川秀樹先生が住んでいるという幸せなお話です。私たち若い世代にはあまり知られていませんが、寺田寅彦先生を代表に戦前の大科学者は優れた随筆を多く残されています。

本作では四人と寮母さんとその娘の淡々とした交流が描かれえます。何度読んでも飽きないつくりですから4人の著作を読んでもいいし、マンガって何だろうと科学チックに考えてもいいんですね。マンガ表現の巧みさに驚きます。これも高峰君に貸してます。


 

 

ムシヌユン:都留 泰作

ムシヌユン 1

ビッグコミック・スペリオールで連載中のSF、エログロ、ギャグマンガです。27歳童貞の主人公が南の島でへんてこな虫にかまれて変身(というか変態)する「寄生獣」に似た話ではあるものの岩明均のようなスピード感や読みやすい構成になっていない分、どんなはなしか先が読めません。本来だったらわかりにくくて飽きられそうなんですが、無視はできないマンガとしての力があります。読み手として寄り添うところがないマンガですが、続きがとても気になります。


五色の舟:近藤ようこ

五色の舟

これも何度もお勧めしましたね。「あれよ星屑」と同時期にコミックビームで連載された作品です。近藤ようこ先生はベテラン漫画家で題材選びも挑戦的で筋が通っているため毎回楽しみなんですが、本作も美しくやわらかい絵で異形の家族を描ききっていると思います。

大衆文化にどっぷりの私なんぞが何をいわんやですが、日本の文化の良さは曖昧でゆらゆらしたところ、つまりあちらとこちらの狭間に見出せるんではと思ってます。ともすれば消え入ってしまいそうな線と日常と非日常のあわいを演じることで日々の糧を得る見世物小屋の家族たちがとてもマッチしていて、ゆれる小舟に乗ったような読後感がありました。

2014年は個人的に先の大戦についてこだわっていたので今は亡き先輩方への鎮魂のような気持ちで読みました。近藤ようこ先生は現在コミックビームで折口信夫の「死者の書」をコミカライズされています。


 

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない:宮崎 夏次系

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない

このマンガはすでに紹介した作品と比べると趣味的です。サブカル的だと言われそうですが、私は宮崎 夏次系が好きなのです。まず女の子がいい。私は女の子がポカーと口をあけているところに愛らしさを感じるんですが、宮崎 夏次系に描く女の子はどこか抜けているんですね。そのヘタウマな感じに惹かれるのです。お話はナンセンスコメディでとことん馬鹿馬鹿しい、変でしょうと奇をてらったところもあるんでまだまだ進化の余地もあります。本作は短編集なので当たり外れもありますが、読みやすい作品だと思います。


 

以上が漫画で去年何度も読んだものです。漫画は映画ほど頑張って数を読んでないので他にも良いものはあると思いますが、私のお勧めです。

 

書籍

私は小説を余り読まないので14年出版の小説について何かお勧めすることは出来ません。ここでは14年に出た本の中から面白かったものを紹介します。


 

資本主義から市民主義へ:岩井 克人 (著), 三浦 雅士

資本主義から市民主義へ

 

私は高校時代にヴェニスの商人の資本論を読んで以来、岩井克人氏のファン(適切な言い方なのか)なのですが、本書では貨幣の存在支えるのはただ貨幣のみという一見びっくりな岩井理論の現時点での成果が三浦氏との対談を通してまとめられています。

岩井理論の射程は貨幣から言語、法までを貫くもので理系の私には読み解くのが難しいのですが、貨幣、言語、法は私たちがそれらの存在を信じているからこそ成立する建設的虚構だというのはとても納得出来ます。へんな話、人間っていいなと思いました。映画だって本当はうそっぱちだけど人間はフィクションを信じていれば辛くたって生きれますよね。頭がいい人って深いなあとおバカな感想を持ちました。


 

トリュフォー 最後のインタビュー:蓮實 重彦 (著), 山田 宏一 (著)

トリュフォー 最後のインタビュー

 

以前ブログでも書いた通り、去年はトリュフォー没後30年でした。それにあわせて以前のインタビューを集めた辞書並みの厚さのある本ですが、中々の値段がするので渋ってましたが最近、やっと購入しました。いくつか別の本で読んだものもありましたが、トリュフォー辞典に相応しい読み応え、とても面白い本です。私にはぴんとこないのですが、蓮実先生はトリュフォーと同世代なんですね。偉大な才能が早くに失われてしまう無念さというものを感じました。    まだ半分しか読めてないので大体読み終わったらお貸ししますよ。ちなみに「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」は番場部長が持ってます。


人類が永遠に続くのではないとしたら:加藤典洋

人類が永遠に続くのではないとしたら

私が非常に信頼している文芸評論家の加藤典洋氏の3.11以降の論考をまとめた本です。 去年本来の物理の勉強そっちのけでずっと読んでいました。中毒性のある危険な本だと思います。人類は有限の世界に生きている、そうであるならばどう生きていけばいいかということが本書のテーマです。見田宗介氏の社会理論を足掛りに吉本隆明、ジョルジョ・アガンベンへとずんずんと進み「できない」ことを肯定する有限性の生の思想を提示します。加藤氏の考え抜いた言葉が私に迫ってきます。有限性のなかで生きるのは大変に困難を極めることです。この本を土台に自分で考え納得した生き方をしたいと思います。


 

書籍は以上です。去年出た小説は「帰ってきたヒトラー」と「女のいない男たち」ぐらいしか読んでません。

 

音楽

最後は音楽です。これこそまさに門外漢なんで怒らないでください。西浦が2014年良く聴いたアルバムだと思って下さい。そもそも私はヒップホップとシティポップくらいしか聴いてません。


promenade:北園みなみ

promenade

 

これは何度も聴きました。北園みなみのファーストアルバム。音が打ち込みでく贅沢です。ドライブしながら聴かなくてすむシティポップ!キリンジや流線型、富田ラボが好きだったらお勧めです。


如雨露:NORIKIYO

如雨露

 

今度は日本のヒップホップですね。これは聴き倒しました。もーかっこいい。アルバムが出るたび言葉が洗練されているなと思います。彼としては意外にも恋愛感情を扱ったアルバムで普段ラップを聴かない人もいい意味で聴きやすいものになっています。私の好きなBRON-Kとのfeatもあってナイスです。


 

音楽の話はこわいんで2つだけ。去年1番聴いた曲は一十三十一の「Night Flight Telephone Call feat. PUNPEE」です。「Snowbank Social Club」の三曲目。とってもおしゃれな曲です。一十三十一もPUNPEEも好きなんでたまらなかったですね。1分56秒からの曲です。

 

2014年のよかったものは以上です。本当は2014年に発見した居酒屋、カフェでよかったところやラジオの番組とかも紹介したいのですが、個人的過ぎるんで気になる人は直接聞いて下さい。ではでは

 

 

 

 

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