中道さんと今野さんが2011年に観た映画のトップ10を発表したので、自分も発表したいと思います。そういえば部長になってから一度もブログを更新していなかったのでちょっと反省してます。
今年は大学に入学して映研に入り、映研の先輩達と比べて全然映画を観てなかたったので、とにかく先輩達に薦められた映画を観まくった1年でした。合計で何本かはっきりわからないですが、1日1本ペースはなるべく守って観てました。素晴らしかった映画があり過ぎたので、トップ10を決めるのは本当に難しいですが、自分の中で衝撃的だった映画を10本選びました。メジャーなものばかりです。
10位 エレファント (ガス・ヴァン・サント 2003年)
とにかく今まで観たことがないような映画。描かれる視点がころころ変わっていく構成。時間軸もばらばらで、同じ出来事が何度も違う視点から描かれることもあり単純に楽しめる。ただずっと長回しで歩いている人物の背中を撮り続けたりして、この人は頭がおかしいのかと思った。ガス・ヴァン・サントの映画はあと『小説家を見つけたら』ぐらいしか観てないけどそれは割とまともな撮り方だったが。
9位 許されざる者 (クリント・イーストウッド 1992年)
実はこんなに有名な映画を観てなかった。「最後の西部劇」と言われるこの映画、とにかくかっこいい。イーストウッドの渋さに度肝を抜かれた。ラストの酒場の殺しのシーンのゾクゾクするような緊迫感の演出は素晴らしかった。俳優業も監督業も一流で活躍してるこのじいさんはやはりすごい。
8位 バッファロー‘66 (ヴィンセント・ギャロ 1998年)
本当に傑作。映研の鑑賞会で観た気がする。あのイケメンが童貞でクソダサい。ギャロが主演・監督・脚本・音楽を全部自分でやってあの映画を作ったと思うとなんかおもろい。とにかくクリスティーナ・リッチのかわいさだけでも観れる映画。
7位 14才 (廣末哲万 2007年)
なんかズンと来る映画。映研の先輩にすぐにでも見ろと言われて観た。本当に10代のうちに観て良かったと思う。多感な14才を、対大人という構図で描くのではなく、かつては確かに14才だった大人側から、対14才の構図で描く。14才がする行動の理由なんて結局最後までわからない。
6位 吠える犬は噛まない (ポン・ジュノ 2001年)
韓国ってレベルたけーと思った。まあたいして韓国映画観てないんだが。映像の中からほこり臭さみたいのが伝わってきてすごく良かった。あれは絶対本物の犬を使ってる。そういう細部にリアリティがあると作品にグッと引き込まれる。話の作りもしっかりしてるし、演出も素晴らしい。これが長編デビューとかすごい。
5位 パリ・テキサス (ヴィム・ヴェンダース 1984年)
あのガラスのシーンは鳥肌が立ってやばかった。こんなことあっていいのかと思った。でも仮にあのガラスのシーンが無くても十分いい映画。子供と道路を挟んで歩くシーンとか主人公が最初なぜか何も喋らないとかなんかいちいちいい。本当に良作。
4位 歩いても歩いても (是枝裕和 2008年)
事件なんて何も起きない。ただある夫婦が夫の弟の命日に実家に帰省するだけの話。とにかく超地味な映画だけど素晴らしくいい。家族、夫婦、兄弟の方が実はお互いわかってないことが多いのかなと思った。つくづく何も起きない映画を作るのが一番難しいんじゃないかと思うが、是枝の演出力はすごい。それにしても自分の中ではワンダフルライフはいまいちだった。
3位 ゆれる (西川美和 2006年)
映研の人はもうわかったよって感じかもしれないですが。最近までは蛇イチゴの方が好きだったが、もう一回観るとゆれるはやっぱいい。ラストの香川照之の表情が一回目観た時と二回目観たときとでは違うように見えた。香川照之の脚に水滴が落ちるカットでみじめさを演出するなど演出力もすごい。2012年の秋には新作『夢売るふたり』が公開するみたいなのですごく楽しみ。
2位 台風クラブ (相米慎二 1985年)
今野さんも入れてましたが、この映画には本当に度肝を抜かれた。世の中には長回しを好む監督はたくさんいるが、相米の長回しは異質。どやっ!!!!という感じ。これでもか!と言わんばかりに考えられない長回しを連発。演出も役者の演技も全部長回しという技法に従属しているような感じがする。あまりの衝撃に鑑賞中何度も叫んだのは初めてかもしれない。観てない人はぜひ。
1位 愛のむきだし (園子温 2009年)
衝撃のでかさで言ったら、やはりこの映画が1位。『紀子の食卓』ももちろん素晴らしく、甲乙付け難いが、あの4時間という尺の中で一度も飽きることなく画面に食いついていた映画は他にないかもしれない。ゆうとようこの海岸でのシーンは最高。ここぞという時のあの長回しは一気にもっていかれた。いちいちエピソードとか演出もバカバカしくて最高だし、ラストの疾走感もいい。名監督と呼ばれる人はたくさんいるが、園子温は「怪物」って感じがする。
以上です。やはり去年は映研の人達にすすめられて観た映画は素晴らしいものばかりだったので、知ってるよおってものしかないと思うんですが勘弁です。見返してみると上位4位は全部邦画でした。しかも割りと最近のやつ。なんでかはわかりません。古典映画ももちろん観てます。中道さんや今野さんみたいにその映画のすごさや良さをうまく表現できないのが悔しいです。本当に悔しいです。映画を語るにはまだまだ映画を観てなさすぎだと思いました。
一応去年一番がっかりだった映画を発表します。
悪人 (李相日 2010年)
日本アカデミー賞優秀監督賞の作品ということで期待が大きかったからかもしれないが、がっかり感が大きかった。the遺族、the最近の若者、theマスコミというかなんというか。こうですよね?はいはいわかったわかったって感じ。でも評価されてるから自分の好みの問題なのか、、、
投稿者「hucinema」のアーカイブ
2011(コンノ)
お初です。コンノと申します。ナカミチが2011年ベストを投稿したので、僕もします。
ズルイジャン一人だけ。僕も過去作入れていきます。すまなんだ。
第十位 陽炎座(鈴木清順 1981年)
この作品に関してあらすじを書くことはできない。徹頭徹尾でたらめに作られたこの作品はまさに夢そのものである。目が回るね。一応原作は泉鏡花、主演松田優作。こんなものを作ってしまう清順って…と毎度ドン引きします。ちなみに清順はタランティーノやジャームッシュ、リンチなどアート系?な監督に絶大な支持を受けてます。
第九位 復讐するは我に在り(今村昌平 1979年)
なんかタイトル有名だよねー今村昌平だしー観てみよーってなもんで観たらブルブル来たね。『楢山節考』でもそうだったけどこの監督のねっとりした演出はすごい。人間関係にすごい熱がある。緒方拳が連続殺人犯を演じているのだけども、その目つきや言葉のねっちりした感じ!エロじゃなくてすけべぇって感じ。今の映画にない雰囲気を感じます。
第八位 御法度(大島渚 1999年)
新撰組のホモ話。松田龍平デビュー作。ビートたけしも浅野忠信も出てるし、音楽坂本龍一、衣装ワダエミと巨匠ってすげー好き放題や!しかし、このようにまさに役者ぞろいの出る杭だらけの映画で、落ち着きがあり、かつ役者の持つ雰囲気を殺さない演出をする大島渚はやはり偉大。意表を突くキャスティングでこの人に勝る人はいないな。たけしを初めて使ったのもこの人だし。さらにこの映画はとにかく殺陣がかっこいいってところも見どころ。巨匠っていいな!
第七位 パーフェクトブルー(今敏 1998年)
まさかのアニメ。『ブラックスワン』が注目されたが、町山智浩が『ブラックスワン』は『パーフェクトブルー』をオマージュしている!と発言したことで、この作品も注目された。両方見たけど『パーフェクトブルー』の方が気に入った。人を狂わせていく演出方法はこちらの方に分があるように思う。今敏は多分これが一番おもしろい。
第六位 CURE (黒沢清 1997年)
思えばサスペンスタッチな作品が多いな。黒沢清の作品は実は観てなかったんだけど、おったまげた。頭がおかしい男と話すとこっちも狂っていってしまうという、なんだかちょっと陳腐さのただようお話をものすごい緊張感で描く。なんだかこっちもくらくらしてくる非常に怖い映画。
第五位 天国の日々 (テレンス・マリック 1978年)
『ツリー・オブ・ライフ』でカンヌを取った超寡作監督テレンス・マリックの代表作。これでもカンヌ監督賞を取ってます。名カメラマンネストール・アルメンドロスがほぼマジックアワーで撮りきるというこの無茶な映画は、その甲斐あって唯一無二の美しさを誇る。これはCGじゃできないっしょ!ってなもんでぃ。それだけではなく、男女の愛憎という王道の物語で普通に観てても楽しめる優秀な作品。
第4位 スコットピルグリムVS邪悪な元カレ軍団 (エドガー・ライト 2011年)
去年一番ワクワクした映画。ゲーム、マンガ、音楽と僕らの世代の魂を感じる!最初から最後までネタで出来てるこの映画は僕らの世代なら誰でも楽しめる!と思う。だってゼルダの伝説のあの効果音が流れたり、元カレ倒したらコイン出たり、1UPまでできるんだよ?コンボも決まるんだよ?ちなみに原作はびみょーでした。
第三位 台風クラブ (相米慎二 1985年)
こ、こんな映画があったなんて…。常識では考えられない長回しで、学校に閉じ込められた少年少女の狂気を描く。長回しのくせに一時も画面から目が離せない。この監督は普通とは違う感覚で映画を考えているのだろうか。ラストの衝撃も出来すぎ。感服感服。
第二位 黒猫白猫 (エミール・クストリッツァ 1998年)
僕もイバヤシに勧められて観たんですよね。この映画の圧倒的幸福感!爆笑!うれし泣き!すべての伏線は幸福につながる!こんな幸せの洪水があっていいのだろうか。「ものすごい次元の茶番劇」。
第一位 ブルーバレンタイン (デレク・シアンフランセ 2011年)
2011年ということもあって一位。この新人監督にはホントにびっくり、賞賛の言葉しか思い浮かばない。仲の良かった夫婦が別れていく過程をお話ではなく、映像によって見せる。なので観客は2人が別れなければならないことは分かるが、その理由を言葉にすることはできない。映像から2人の悲しさが痛いほど伝わってくるという恐ろしいレベルの演出力。こんなに直感的に悲しい映画なんて反則だ。
書ききりました。適当な文章の割りに結構かかった。では、今年2012年の展望を書いて締めたいと思います。
映画というメディアは、その手間のかかる性質から現実に起きた出来事に対するリアクションが遅いのです。そういうわけで3.11に対する映画の反応は今年になってやっと出てきます。すでに挙がっているタイトルでも園子温『ヒミズ』やビクトルエリセ、河瀬直美などによる『3.11 a sense of home films』、岩井俊二『friends after 3.11』などがあります。また間接的に3.11を思わせるような作品がいくつも出るでしょう。ですから、実は映画を観るのが色んな意味でしんどい年になるかもしれません。悲しみと苦悶の中にある意義深いものを見せてくれる映画を期待します。個人的にはまさに「インパクト」が起こった後で『エヴァ』がどう進化するか観たいです。4部作になったのもきっとこの事情があったからだと思います。
2011年(ナカミチ)
某大学映画研究会の2011年映画ランキングに触発されたので書きます。東京事変が解散したことだし、そろそろブログを更新しないといけないですよね。
映画研究会の部員のくせに映画館で映画を観ないという悲しい若者なので、DVDなんかで観た映画を中心にランキングを組んでみました。まぁそう怒らないでください、まだ若いので質より量を重視しているのです。
第10位『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(大森立嗣、2010年)
ランキングを作ってみたら1本も2011年の映画が入らなかったので、せめてもと思って焦って入れた感はある。けれどもやっぱりこの映画は素晴らしいと思う。超イケメンスターが2人も出ていて、観る前はちょっと不安だったんだけれど、ファーストシーンの壁を砕くところで不安は吹っ飛んだ。あのイメージがいかに「現代」と共鳴するかとかそういうのを抜きにしても、あのカットだけでこの映画に通底するイメージが確定するのだ。
第9位『上海特急』(ジョセフ・フォン・スタンバーグ、1931年)
映画の全盛期は1930年代らしいということが段々うっすら分かりかけてきたけど、『上海特急』はそのような傑作30年代映画の中でも「不思議な」一本だ。いわゆる話の筋というものは途中でぐにゃりとねじ曲げられて、文字通り「脱線」する。それでもなお映画は突き進んでいく。なんてじゃじゃ馬な映画だろう。
第8位『タンポポ』(伊丹十三、1985年)
これはとても恐ろしい映画だ。食べ物にとりつかれた人々が食べ物で殺し合いをしている。これは比喩で、実際には死ぬのはたった1人であるし、その人の死は最初から予告されている。とてもエンターテインメント性のある映画なんだけど、それだけに食べ物に襲われるという感覚がより一層強くなる。恐ろしい映画だ。
第7位『グロリア』(ジョン・カサヴェテス、1980年)
映画を簡単に「映画的」にしない、思考し続ける監督がジョン・カサヴェテスだ。自分が最も好きな映画監督だ。『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』をここに入れたかったんだけど、どうやら観たのは2010年らしい。何か自分には分からない力で動かされているような、そんな運命を感じる瞬間は誰にでも一度はあると思うが、この監督の映画はそのような瞬間を極めて「非映画的」に処理してしまうのが素晴らしい。
第6位『ミツバチのささやき』(ビクトル・エリセ、1973年)
なぜにあんなフランケンシュタインに感動してしまうのだろうか。自分の中で未だにまったく整理がついていない映画だ。言葉にするにはあまりに曖昧で、あまりに多くのイメージが画面を横切っていき、『ミツバチのささやき』という一つのとてつもない神話を創り上げてしまったような印象。
第5位『七人の侍』(黒澤明、1954年)
お恥ずかしながらまだ観ていなかったので。これまで多くの人が大絶賛してきたとかそういうのはどうでもいい。菊千代が「こいつは俺だ…!」と漏らす瞬間、あの圧倒的な瞬間だけで本当に素晴らしい映画だと思う。
第4位『8 1/2』(フェデリコ・フェリーニ、1963年)
映画はすべての出来事、すべての生き物を祝福するものだと思っているが、これはそれをストーリーでやってみせた映画と言える。人生のすべてが一つの音楽を奏でる瞬間は、生きていて良かったとストレートに思わせてくれる。
第3位『黒猫・白猫』(エミール・クストリッツァ、1998年)
「なんだこれは」というのが正直な感想だった。こんなに圧倒的な力で流れていくような映画にはなかなか出会えない。クストリッツァはまだこの1本しか観ていないのだけど、イバヤシ曰くこんなもんではないらしい。まだまだ素晴らしい映画に出会えるというだけで嬉しい。
第2位『ヤンヤン 夏の想い出』(エドワード・ヤン、2000年)
「人生っていろいろあって難しいよね」と一言で嘆くのは簡単だが、映画でそれをやるのは単純ではない。この映画が達成したのは複数の視点から「世界」をありのまま描いてしまったところだろう。この映画にはすべてのジャンルの素晴らしい瞬間が凝縮されている、と言うのは言い過ぎか。台湾映画の超傑作。
第1位 『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(山中貞雄、1935年)
お恥ずかしながらまだ観ていなかったので。圧倒的に面白い映画。ただ身を委ねればいいという単純な面白さ。映画を作るものは、観るものを座席に縛りつけているという責任を感じながら「面白い」映画を作らねばなるまい。
おまけでランキングとは無関係に、印象的だった映画を3本。
・『イブの総て』(ジョセフ・L・マンキーウィッツ、1950年)
まず女たちがネチネチと裏で画策する周到さが見た目の美しさとかけ離れているのが素晴らしい。なんといってもラストカットだろう。鏡を用いた映画というのは古今東西山ほどあるけど、その中でも『上海から来た女』に次ぐくらいの美しさじゃないだろうか。とにかく美しい。ラストカットだけでも生き続けていける映画だと思う。
・『ラルジャン』(ロベール・ブレッソン、1986年)
恐ろしいほど淡々と全てが進んでいく。偽札が主人公と言ってもよいと思うが、そのような視点で観ると人間たちが機械的な単調さで罪を犯し、人を殺す。感情とかそういったものとは違うものがこの映画のエンジンになっている。なんだかよく分からないが恐ろしくて巨大で不気味で、とてつもなく素晴らしい映画だ。
・『緑の光線』(エリック・ロメール、1986年)
つまるところこの映画がどういうことかというと、緑の光線を観ただけである。いやたったそれだけの些細なことがどれほど素晴らしいか!この映画はどんな些細なことも無駄にはしない。大事な人、大事なもの、大事な出来事だけで作られた映画だ。
質より量と言っときながら、結局2011年は140本弱くらいしか映画を観ていない。まだまだ観たい映画を観ていないし、本当は年間365本は観たい。
2011年はいろんなことがありました。個人的には映画を作ることの難しさを痛感した1年間だったと思います。それでも映画を作ることは諦めませんが。
2012年も北大映研をよろしくお願いします!
ホントブログ書くの疲れる。モノを残す苦労とモノを使う苦労はほんとに比例しないよねとつくづく思う。
第1回 お星さまを見る会 (キクチ)
こんばんは、映研天体観測部の菊地です。
映研1年部員でブログを書くのは私が初めてではないかしら・・・ぐふふ
緊張しますねえ、では書かせて頂きます。
今回は11月25日に開催された、
「映研お星さまを見る会☆」について書きたいと思います。
菊地プレゼンツのお星さまを見る会でしたが、
菊地が大幅に遅刻するという失態を犯してしまいました。
・・・・あれ・・菊地が遅刻・・・あれ・・デジャブ感が・・・
なんて思われる方もおりますよね。まとめてごめんなさい。いや、ほんとに。
今回の参加者は6名、星を愛する心美しい少年少女が集まりました!
中島公園にあります、札幌市天文台にて木星や冬の星座を見て来ました。
私がずっと「あ!一番星!」と思っていたキラキラ光る星は、実は木星だったのです。
ただの星ではなく、木星だったのです。名もない星ではなく、木せi・・・・
1時間程説明を受けながら、夜空を堪能して来ました。
青少年科学館のHPには今後の天文台での活動も書いてあるかと思うので
是非ご覧頂ければと思います。
その後、少年少女たちは、夜のミュンヘン市(大通り公園)へと消えて行きましたとさ・・・
ちなみに天体観測部の活動は不定期なので、
「あら!わたしもお星さまを菊地と一緒に見たいわ!」なんて思った方も、
「菊地ってだれ?そもそも菊池?菊地?」なんて思った方も
第2回お星さまを見る会の開催を、夜空を見ながら楽しみに待っていて下さいね!
完。
映研昭和音楽部第2回(ナカミチ)
早速昭和音楽部第2回。参加者数は前回と変わりませんが、紹介数は2枚と少なくなっています。無念。
あがた森魚 – 乗物図鑑 (1980/04)(ウエニシ)
あがた森魚が1980年に300枚限定で発売した『乗物図鑑』は海外の音楽からの影響が濃厚すぎるほどに表れている。なんてったってあがた森魚の『サブマリン』は言い訳のできないほどJoy Divisionの『She’s Lost Control』の丸パクリなのだ。極僅かなレコーディング期間しか残されていなかったためにこのような形になってしまったのだろうが、今現在という視点に立ってこのアルバムを振り返ってみた場合、このような日本と海外の繋がりがあることに貴重性を感じずにはいられない。あがた森魚は1980年にJoy Divisionを聴いていたのだ!もしかしたら1980年の『Closer』もあがた森魚はリアルタイムで体験していたのかもしれない。このような想像を私たちに許してくれるところがこのアルバムの素敵なところなのではないだろうか。
山下達郎 – SPACY (1977/06/25)(ナカミチ)
数々のアーティストやアレンジャーたちに愛される77年の『SPACY』。77年リリースという時点で名盤じゃないわけがないのだが、このアルバムはいったい何が新しかったのだろうか。山下はソロとしての1stアルバム『CIRCUS TOWN』をNYとLAでレコーディングする。その際にアレンジャーのチャーリー・カレロは山下にスコアを譲る。スコアというのはアレンジャーのアイデアの結集であり、それを渡すというのはアレンジャーにとってあり得ないことである。しかし山下は本場NYのスコアを手に入れる。日本に帰った山下はそのスコアを徹底的に勉強したのだという。その努力の成果が『SPACY』なのである。『CIRCUS TOWN』での経験がなければ『SPACY』はあり得なかっただろうし、その後のシティポップスの隆盛もなかったかもしれない。
今回は見学のミチガミ君。
次回の昭和音楽部は部長の都合により、木曜日に開催します。ウエニシごめんなさい。
これまではクローズドでやって来ましたが、もし参加したい人は大歓迎するのでぜひナカミチまでメールを!
’11 秋新歓情報
秋の新入生歓迎上映会
北大映画研究会に興味をお持ちのみなさんのために、秋も新入生歓迎上映会を開催します!! 入部希望の方、興味本位の方、単に映画が好きな方、どなたでもお気軽にお越しください。 また、2年生以上、院生の方などで新歓から入部した方も多くおられます。他大学の方などでも大歓迎です!! 他サークルとの兼部の方もたくさんいます。
- 10月7日(金) 高等教育推進機構 E218 18:30~
- 10月14日(金) 高等教育推進機構 E218 18:30~
- 10月21日(金) 高等教育推進機構 E218 18:30~
- 10月28日(金) 高等教育推進機構 E218 18:30~
上映終了後、上映会にお越しくださった方達と一緒にお食事会などを持ちたいと思います。
場所はここをクリック!
上映スケジュール
10月7日(金)
- 「娘よ娘、どこへ行く」
- 「それからそれから」
- 「つしまけ」
10月14日(金)
10月21日(金)
- 「慣性少女」
- 「二浪デッド」
- 「彼の幸せ」
10月28日(金)
- 「軽い十字架」
- 「カーニバル」
- 「森のかもめ」
- 「夫婦政府論」
※上映スケジュールは変更になることがあります。
合宿(ナカミチ)
やっぱり映研の中で最高のイベントであり続けてくれた合宿をナカミチ視点で振り返ってみようと思います。
合宿スタートの朝からギリシャ彫刻のような凛々しさ。サングラスは調子に乗りすぎたと語る。
女子が先に集合し男子は8割方遅刻。
我らがナカミチ車は小樽へ。スケベアーとおはまんべさん。
逆光なのに眩しそう。
基本的に何も買わなそうな人たち。
視線の先には。
「夏のセックス教室 海と山の誘惑 ドクトル・チエコ著」
飯はお前らが決めな!のポーズ。
カメラマンのくせに一番画になる。
小樽は歩いているだけでなんだか楽しい。
立ち位置とポーズまでカメラマンに指定されたおはまんべさん。
試食という他人の善意を骨の髄までしゃぶり尽くす方々。
金を払って幸せを五臓六腑に染み渡らせる方々。
究極の運転放棄法に1年生は唖然。
余市のそれほど綺麗でもない海岸。
それほど綺麗でもない海岸に降り立つ。
早速遊び道具を見つけ出す。
立ち位置とポーズまで指定されたウジ。お金のない売れないバンドのアー写のようにキマっています。
海は人を笑顔に!
いざ神威岬。カメラを意識する人には罰としてフォーカスを当てません。
登山コースが既に絶景。
日没までみんなで待とう。
菊池曰くブラジルでは今ちょうど陽が昇っているところ。
はしゃぎまくるカメラマンたち。
今日もお疲れ様。
直前に下ネタをしゃべってゲラゲラ笑っているコンノさん。
コテージに着くやいなやジェンガ大会。
目がマジ。
カメラマン泥酔により夜の写真がポッカリ抜けております。
合宿の朝って毎年死ぬほど空気が綺麗な感じがして好きです。
合宿の朝の片付けは過酷を極めます。
左のイバヤシさん「片付け大変よねー(キクわー)」
棺桶の中身みたいと話題。起きない。
起きない。
起きた。
おはよう。
どんなに辛くても朝はやってきます。おはよう。
集合写真撮るよー!
はい、チーズ!
次はポーズを変えて!土下座の2人には悲しい過去が。
帰り道には宇宙に寄り道。
いざ宇宙!
「宇宙もちょろいな」
宇宙の次は深海を攻めるぜ。
「深海も思ったよりちょろいな」
「ファー…」
ミチガミ「口めっちゃキモいっすね!」
魅惑の深海パーティ。
釣りができなくて仕方なく餌をあげる方々。
コンノ「どうやったら餌がもう無いの理解してもらえるかねぇ…」
タラフクにいる時のツシマさんに激似と各方面から大絶賛。
ショーからショーへ歩きついで行くのがキツい。
無茶苦茶飛ぶ。
ミチガミファン応募者全員サービス記念ブロマイド。
さぁ帰ろう。
映研昭和音楽部第1回(ナカミチ)
「毎週水曜19時半、ナカミチ宅、各自今週の1枚とそれについてのA41枚レジュメ持参、酒は各自持参」というシンプルなルールに基づいて行われる映研昭和音楽部がついにスタートしました。第1回目の様子を少しだけレポートしてみようと思います。結果から言えば大成功だったと言えましょう!
いしだあゆみ&TIN PAN ALLEY – アワー・コネクション (1977/04/25)(イバヤシ)
まずイバヤシが紹介したのはいしだあゆみとTIN PAN ALLEYのコラボ作『アワー・コネクション』。シティポップスの大名盤として名高いこのアルバムはとにかく歌詞が素晴らしい!全曲の作詞を担当しているのは橋本淳で、この人は「ブルーライト ヨコハマ」も担当した売れっ子作詞家。さらに作曲を担当しているのは細野晴臣と萩田光雄の2人で、細野は紹介不要だと思いますが、萩田は岩崎宏美やH2O、太田裕美まで手がける作曲家。と、このように信じられないようなメンツによって支えられたこのアルバム。
しかし一番の魅力はやはりいしだあゆみの語り!「一人ソファーに寝転んで…」という入りだけで鳥肌が立ってしまう、そんな魅力を持ったこのイントロがなければこのアルバムはあり得ないように思います。歌う前にしゃべる文化というものが昭和の音楽には根付いていたはずですが、現在はあまり見かけないように思います。これから昭和音楽部は「歌う前にしゃべる文化」というものも一つのターニングポイントとして昭和音楽を散策していくでしょう!
参考ページ:Music Avenue : いしだ あゆみ&TIN PAN ALLEY FAMILY_アワー・コネクション
歌う前にしゃべりまくる連中、Parliamentについてはこの素晴らしい本を読んでね。
ブラック・マシン・ミュージック―ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ (2001/08) 野田 努 |
大貫妙子 – SUNSHOWER (1977/07/25)(ナカミチ)
次にナカミチが紹介したのは、こちらも「黄金の年」77年の名盤、大貫妙子の『SUNSHOWER』。ほぼ全ての編曲を坂本龍一が担当しており、ドラムにNYのAORバンドStuffのクリス・パーカーを迎えたこともあってかなり都会的な一枚。しかし歌詞をよくよく見ていくと、作詞家「大貫妙子」が叫んでいるのは「都会からの脱出」というキーワードなのである。皮肉なことだが、時代が大貫妙子のこのアルバムをシティポップス的な都会アレンジへとまとめてしまったのである。私たちは目に見えづらい「時代」というものをうまくパッキングしたアルバムとしてシティポップスの大名盤『SUNSHOWER』を受け止めると同時に、ライターとしての「大貫妙子」を正しく評価する必要がある。
荒井由実 – MISSLIM (1974/10/05)(ウエニシ)
最後にウエニシが紹介したのは荒井由実の『MISSLIM』。文句なしの名盤ですが、特に注目したいのは「12月の雨」!荒井由実の作詞家としての才能は素晴らしく、「優しく牙を剥く」的な詩的センスで紡ぎだされる歌詞はこのアルバムに既に出現しており、「12月の雨」における「時はいつの日にも親切な友達 過ぎていくきのうを物語にかえる」という歌詞にはハッとさせられます。歌詞に東京各所を登場させるといった都会的センスも兼ね備えており、そのような意味でも後のシティポップス全盛期に与えた影響は大きいと考えられます。
昭和音楽部はこんな感じでこれからも毎週やっていきます。今週の昭和音楽部のように、昭和音楽部が終了したあとはみんなでDOMMUNEを観ながら踊ったり、音楽を聴きながら酒を飲んだり、映画を観たりしたいと思います。
それでは来週もお楽しみに。
読了本整理(ツシマ)
ピストルズ(阿部和重 講談社)
銀河鉄道の夜(宮沢憲治 新潮文庫)
すごい生き方(雨宮処凛 サンクチュアリ出版)
夜明けの街で(東野圭吾 角川書店)
ゴランノスポン(町田康 新潮社)
八日目の蝉(角田光代 中央公論新社)
重力ピエロ(伊坂幸太郎 新潮社)
フィッシュストーリー(伊坂幸太郎 新潮社)
アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎 東京創元社)
ゴールデンスランバー(伊坂幸太郎 新潮社)
反哲学入門(木田元 新潮社)
蜘蛛の糸・杜子春(芥川龍之介
新潮文庫)
人魚の嘆き・魔術師(谷崎潤一郎 中公文庫)
田紳有楽・空気頭(藤枝静男 講談社文芸文庫)
雁・ヰタ セクスアリス(森鴎外 角川文庫)
家族八景(筒井康隆 新潮文庫)
ゴッドスター(古川日出男 新潮文庫)
蒼ざめた馬(ロープシン 岩波現代文庫)
未確認家族(戸梶圭太 新潮文庫)
夏と花火と私の死体(乙一 集英社文庫)
上海ベイビー(衛慧 文春文庫)
高野聖・眉かくしの霊(泉鏡花 岩波文庫)
スクールアタック・シンドローム(舞城王太郎 新潮文庫)
昨日(アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫)
人斬り以蔵(司馬遼太郎 新潮文庫)
晩年(太宰治 新潮文庫)
ディスコ探偵水曜日 上・中・下巻(舞城王太郎 新潮文庫)
百(色川武大 新潮文庫)
母の発達(笙野頼子 河出文庫)
木橋(永山則夫 河出文庫)
ブエノスアイレス午前零時(藤沢周 河出文庫)
酒気帯び車椅子(中島らも 集英社文庫)
アメリカひじき・火垂るの墓(野坂昭如 新潮文庫)
灘の男(車谷長吉 文春文庫)
1ヶ月以上実家にいて読んだ本はご覧の通り。計35冊…1日一冊ペースくらい。これに漫画を加えると、80冊くらい。以前に読んだ本も結構あるのですが、やっぱり藤枝静男の「田紳有楽・空気頭」が面白かった。「あんたら、何やってんの!?」感が大好き。新しく読んだのだと舞城王太郎の「ディスコ探偵水曜日」が凄かった。面白いという意味ではなくて、ただものすごいことをしているなぁ~という印象を受けた。
明日札幌に戻ります。よろしく。
世界を殴れない(ツシマ)
映画を作る能力は、映画を創造する能力だけでは足りないなと。頭の中でイメージが出来上がっていても、それを形にするのは人を動かす力、つまり統率力があって初めて映画は出来るのではないかと。
僕はこの統率力が致命的なまでに欠けている。
自分が主役の映画が多いのも、最低限のスタッフしか使ってこなかったのも、統率力に自信が無かっただけなのかも知れない。
僕は人に嫌われるのを極端に恐れる傾向がある。悪口を叩かれると心臓が痛むほど気にするし、うっかり人を傷つければ自己嫌悪に浸る。
監督は嫌われるのが仕事だ。大勢のキャストやスタッフを拘束して、面白いかどうかも分からない自分の(或いは誰かの)妄想を形にしていく仕事だ。
知っている人もいるだろうが、僕は今回家族を使って映画を撮ろうと実家に帰って来た。でもほとんど進んでいない。少なくとも今は。
毎晩重いため息をしながら帰って来て、発泡酒を数本飲み、居間で眠り込む父。家事をこなしながら、不定期な勤務に追われている母。その母の硬い肩を揉んでいる時、ふと自分がやろうとしていることが恐ろしいものに思えてきた。
この日常を壊してしまうのが怖いと思った。思ってしまった。
自分一人に負荷がかかるならいい。喜んでやる。ただ仕事で疲れている父と母に僕のこのシナリオの負荷は重すぎる。大切なものを奪うし、心も傷つける。それを経て得るものもあるだろうが、有益である可能性は保証出来ない。
正直に言うと、映画を撮るのが怖い。実家では一度も出たことが無かった幻覚や幻聴が、この頃毎晩続いている。
もう構想段階の勢いはない。熱は冷めつつある。変な義務感や惰性で撮る作品が面白いとは思えない。
怖くて怖くて仕方がない。