9月6日から撮影を開始したので、もう半年以上経過してしまったわけですが、ようやく自分が監督した映画『映画なんて知らない』が完成しました。
別に、ブログに載せる必要はないとは思ったのですが、近々自分は就職しに本州に行くため、出演者や協力してもらった人たちに直接感謝をする機会が設けることができませんでした。そこで、このブログで完成したことと、感謝の気持ちを表したいと思います。
ただし、今のところは“仮完成”とさせてください。音響や映像効果といった技術面でまだまだ不満がありますし、オリジナル音楽も友人に頼んで制作中です。また、「72分(!?)」という長尺になってしまったのも誤算でした。
とりあえずまた後で、より高いクォリティを目指すため、改めてより再編集をして、シャープな形に作り直すつもりです。
さて、最後に主な出演者の方々に感謝を表すために、一人一人褒め倒していきたいと思います。
○松本君へ
松本君演じる主人公は、皆から罵声を浴びせられる役です。ただ、松本君は見事「受け」の笑いに徹することができたなぁと感心してしまいます。對馬さんとのやり取り、あと吉村君とのやり取りは、独特な「間」の笑いが割りと面白いです。そして、松本君が醸し出す陽気さがこの作品を良い意味で救ってくれました。松本君が主人公でなかったら、この映画はもっと陰惨な感じになってたと思います。
○小林君へ
松本君が「受け」なら、小林君は「攻め」の笑いができるだろうと最初から考えてましたが、予想を上回りましたね。小林君は頭の回転もものすごく速いですが、何より運動神経が抜群です。だから、自分で面白いと思ったことをちゃんと演技で表現できるんだと思います。あと、ギャグをやらせたら北海道一の役者ですね。
○對馬さんへ
對馬さん演じる映画青年は、明らかに異質な存在です。醒めた人たちが多い中で、際立って熱量が違う「狂人」とも言える人を演じてもらいました。その狂気についていけない主人公演じる松本君と對馬さんの“デコボコ”コンビは最初から考えていたんですが、これも予想以上でした。最後の方はかなりエスカレートして怒鳴るわ、叩くわ、すごいことになってしまいました。
○佐賀さんへ
佐賀さんには、情緒不安定な女役者をやってもらったんですが別に本人がそういう人なわけじゃないので(笑)。でも、この映画を見たら、そういう人に思われるかもしれないです。それくらい、結構迫真の演技というか、役のコンセプトを明確に把握できる稀有な存在だと思います。
○伊林君へ
伊林君演じる男役者は、正論で主人公を攻めていく役どころなんですが、いつも苛立っている役をやらせたら映研でナンバー1だと思います。ちなみに、本人は温厚な人なので、念のため。
○上西君へ
上西君の役は若干伊林君と被るような役どころなんですが、ちょっとニュアンスの違う攻め方だったので面白かったです。ちなみに、松本君と上西君との撮影に関するやり取りのシーンはすべてアドリブなんです。ここも見所ですね。
○吉村君へ
吉村君に関しては、真っすぐというか、他人に対する悪意がもう全然ない印象をもったので、「“善意”で主人公を傷つける」役どころにしました。松本君との噛み合わないやり取りも面白いです。
○平野さんへ
いろいろ撮影中トラブルが続いた結果、平野さんの役のセリフがほとんどなくなって申し訳ないなぁと思ったんですが、台詞がない分、平野さんの女性らしいしぐさがより際立って良かったと思います。「しぐさ」が主人公を追い詰めるのも必見ですね。
あと、他にもいろんな人にいろいろお世話になりました。映画の出来自体には自信は無いですが(笑)、皆の良いところをうまく引き出せたと思います。
僕は社会人になって自主映画を作るのはなかなか難しいですが、学生の皆さんは学生のうちにいろんな映画を作って、いろんな人を喜ばせてください。
それでは、またいつか。
「スガワラ」タグアーカイブ
恵比寿映像祭・石井岳龍(旧名・聰亙)レクチャーへ行く!!!(スガワラ)
追記・昨日メールから記事を投稿しようとして、うまくいきませんでした。今日改めて、加筆修正した記事を載せます
2月23日。東京での用事を終え、時間を持て余しついでに恵比寿映像祭へ行ってきました。
「石井岳龍監督、3D&バーチャルリアリティで俳句の世界に挑戦」
http://eiga.com/news/20110224/17/
「石井岳龍」と聞いて分からない人がいても、「石井聰亙」と聞けば、映画ファンならば分かる人がいるはず。80年代では『狂い咲きサンダーロード』『爆裂都市』『逆噴射家族』といったパンク映画を撮り、90年代には『水の中の八月』『ユメノ銀河』などの今までと180度違った内向的な映画を次々に撮ってきた映画監督です。去年、名前を「聰亙」から「岳龍」に改名し、改めて新作に取り組むようです。
※石井監督について
はっきり言って、この監督の映像世界は“狂っています”。
80年代のパンク時代も充分狂ってますが・・・
映画「爆裂都市」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=M_F8O17XquI
DUMB NUMB DVD live FRICTION 1989 7/7(石井監督が編集したライブビデオ)
http://www.youtube.com/watch?v=PpeYJEbl_B8
90年代の作品も充分ある意味狂っています。
August in the Water 水の中の八月 – #1
http://www.youtube.com/watch?v=XyeSrPEat1I
Le Labyrinthe des rêves de Sogo Ishii(『ユメノ銀河』の一部)
http://www.youtube.com/watch?v=AnWSj_bMKzM
とても同じ人間が撮った映画のように思えません。
そんな彼が次回作はなんと“松尾芭蕉の俳句の世界”を描いた3D映画!!
「一体誰得なんだ」と言う質問は一切不要!!!(ちなみに他にも劇団の舞台を映画化した『生きてるものはいないのか』も今年の秋に公開されるようです)
レクチャーでの石井監督の発言を要約すると(リンク先の記事でも書いてますが)、「若い頃は『肉体』のスピードを追及してパンク映画を撮っていた。だが、『肉体』のスピードにも限界がある。だから、90年代からは『精神』のスピードが加速させるためにスピリチュアルな方向の映画を作ってきた。しかし、それを追及しすぎると“絵が止まってしまう”というジレンマに陥った。でも、今はデジタル技術が発展し、低予算で映画制作ができる。これからはいろんな挑戦をしていきたい」とのことです。
最近では自家用のビデオカメラで3D映像が出来るみたいです(自主映画制作レベルでも3D映画が可能になる日は近いようです)。3D映画について賛否があるようですが、自分としては映像の可能性を追求しようとする石井監督を僕は応援しています。
ぜひ、北大映研でも応援してあげて下さい。お願いします!!!