2011年観た映画(ミチガミ)

中道さんと今野さんが2011年に観た映画のトップ10を発表したので、自分も発表したいと思います。そういえば部長になってから一度もブログを更新していなかったのでちょっと反省してます。
 今年は大学に入学して映研に入り、映研の先輩達と比べて全然映画を観てなかたったので、とにかく先輩達に薦められた映画を観まくった1年でした。合計で何本かはっきりわからないですが、1日1本ペースはなるべく守って観てました。素晴らしかった映画があり過ぎたので、トップ10を決めるのは本当に難しいですが、自分の中で衝撃的だった映画を10本選びました。メジャーなものばかりです。
10位 エレファント (ガス・ヴァン・サント 2003年)
とにかく今まで観たことがないような映画。描かれる視点がころころ変わっていく構成。時間軸もばらばらで、同じ出来事が何度も違う視点から描かれることもあり単純に楽しめる。ただずっと長回しで歩いている人物の背中を撮り続けたりして、この人は頭がおかしいのかと思った。ガス・ヴァン・サントの映画はあと『小説家を見つけたら』ぐらいしか観てないけどそれは割とまともな撮り方だったが。
9位 許されざる者 (クリント・イーストウッド 1992年)
実はこんなに有名な映画を観てなかった。「最後の西部劇」と言われるこの映画、とにかくかっこいい。イーストウッドの渋さに度肝を抜かれた。ラストの酒場の殺しのシーンのゾクゾクするような緊迫感の演出は素晴らしかった。俳優業も監督業も一流で活躍してるこのじいさんはやはりすごい。
8位 バッファロー‘66 (ヴィンセント・ギャロ 1998年)
本当に傑作。映研の鑑賞会で観た気がする。あのイケメンが童貞でクソダサい。ギャロが主演・監督・脚本・音楽を全部自分でやってあの映画を作ったと思うとなんかおもろい。とにかくクリスティーナ・リッチのかわいさだけでも観れる映画。
7位 14才 (廣末哲万 2007年)
なんかズンと来る映画。映研の先輩にすぐにでも見ろと言われて観た。本当に10代のうちに観て良かったと思う。多感な14才を、対大人という構図で描くのではなく、かつては確かに14才だった大人側から、対14才の構図で描く。14才がする行動の理由なんて結局最後までわからない。
6位 吠える犬は噛まない (ポン・ジュノ 2001年)
韓国ってレベルたけーと思った。まあたいして韓国映画観てないんだが。映像の中からほこり臭さみたいのが伝わってきてすごく良かった。あれは絶対本物の犬を使ってる。そういう細部にリアリティがあると作品にグッと引き込まれる。話の作りもしっかりしてるし、演出も素晴らしい。これが長編デビューとかすごい。
5位 パリ・テキサス (ヴィム・ヴェンダース 1984年)
あのガラスのシーンは鳥肌が立ってやばかった。こんなことあっていいのかと思った。でも仮にあのガラスのシーンが無くても十分いい映画。子供と道路を挟んで歩くシーンとか主人公が最初なぜか何も喋らないとかなんかいちいちいい。本当に良作。
4位 歩いても歩いても (是枝裕和 2008年)
事件なんて何も起きない。ただある夫婦が夫の弟の命日に実家に帰省するだけの話。とにかく超地味な映画だけど素晴らしくいい。家族、夫婦、兄弟の方が実はお互いわかってないことが多いのかなと思った。つくづく何も起きない映画を作るのが一番難しいんじゃないかと思うが、是枝の演出力はすごい。それにしても自分の中ではワンダフルライフはいまいちだった。
3位 ゆれる (西川美和 2006年)
映研の人はもうわかったよって感じかもしれないですが。最近までは蛇イチゴの方が好きだったが、もう一回観るとゆれるはやっぱいい。ラストの香川照之の表情が一回目観た時と二回目観たときとでは違うように見えた。香川照之の脚に水滴が落ちるカットでみじめさを演出するなど演出力もすごい。2012年の秋には新作『夢売るふたり』が公開するみたいなのですごく楽しみ。
2位 台風クラブ (相米慎二 1985年)
今野さんも入れてましたが、この映画には本当に度肝を抜かれた。世の中には長回しを好む監督はたくさんいるが、相米の長回しは異質。どやっ!!!!という感じ。これでもか!と言わんばかりに考えられない長回しを連発。演出も役者の演技も全部長回しという技法に従属しているような感じがする。あまりの衝撃に鑑賞中何度も叫んだのは初めてかもしれない。観てない人はぜひ。
1位 愛のむきだし (園子温 2009年)
衝撃のでかさで言ったら、やはりこの映画が1位。『紀子の食卓』ももちろん素晴らしく、甲乙付け難いが、あの4時間という尺の中で一度も飽きることなく画面に食いついていた映画は他にないかもしれない。ゆうとようこの海岸でのシーンは最高。ここぞという時のあの長回しは一気にもっていかれた。いちいちエピソードとか演出もバカバカしくて最高だし、ラストの疾走感もいい。名監督と呼ばれる人はたくさんいるが、園子温は「怪物」って感じがする。
以上です。やはり去年は映研の人達にすすめられて観た映画は素晴らしいものばかりだったので、知ってるよおってものしかないと思うんですが勘弁です。見返してみると上位4位は全部邦画でした。しかも割りと最近のやつ。なんでかはわかりません。古典映画ももちろん観てます。中道さんや今野さんみたいにその映画のすごさや良さをうまく表現できないのが悔しいです。本当に悔しいです。映画を語るにはまだまだ映画を観てなさすぎだと思いました。
一応去年一番がっかりだった映画を発表します。
悪人 (李相日 2010年)
日本アカデミー賞優秀監督賞の作品ということで期待が大きかったからかもしれないが、がっかり感が大きかった。the遺族、the最近の若者、theマスコミというかなんというか。こうですよね?はいはいわかったわかったって感じ。でも評価されてるから自分の好みの問題なのか、、、

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