春新歓ブログリレー#14「映画を見る」ということについて

こんにちは、映画研究会二年目、大学院生の宮本です。私は、大学院から北大に入学して、映画研究会に入部しました。たま~に飲み会に出没したり、たま~に新歓のビラ配りを手伝ったり、たま~にチョイ役で映画に出演させていただいたり、という程度の活動しか行っていませんが、ブログを書けるくらいには馴染めている、はずです(いつも気を遣ってくれて、ありがとうございます)。映研、いいサークルですよ。

今回は、前回とは打って変わって、落ち着いたトーンで文章を書いています。これは「映画を見る」などと言う変に真面目なブログタイトルをつけてしまったせいです。今回はタイトルの性質上、「映画を見る」ことにフォーカスを当てて筆を進めます。「映画を作る」ことに関しては、他の部員のブログを読んでね。

さてさて。みなさんは、「いつ」「どこで」「だれと」「どんな」映画を見ていますか?最近は、ネットフリックスやアマゾンプライムと言った定額映画配信サービスが充実してきたので、「ベッドの中でスマホの小さい画面で見てる~」なんて意見も多いかもしれません。かく言う私も、最近、空き時間を見つけては、アマゾンプライムでクレヨンしんちゃんの歴代映画を追っています。小さいとき、親にねだり続けて、やっと連れて行ってもらっていた頃と比べると、なんて贅沢なんだ・・・とハッとします。こんな時代がくるとはね。

ちょっと昔の話で申し訳ないのですが、小さい頃の「映画を見る」って、けっこう一大イベントだったような気がします。家族の週末のスケジュールを合わせて、郊外の映画館に車で行き、ポップコーンとジュースを買って、トイレを済ませて・・・。帰りの車の中で「お父さん、なんで寝ちゃったの!」と責めるまでが「映画を見る」でした。つまり、「映画を見る」という一つの言葉には、たくさんの動作が内包されていると、私は考えます。

これを示すちょうどいい例があります。大学一年生になりたての頃、「映画を見る」デートをしたことがありました。大して映画のことも知らないのに背伸びをして、わざわざ新橋までフィルム映画を見に行きました。やっていた映画は「ニューシネマパラダイス」。てきとうに行ったわりに映画のチョイスはよかったなと思います。実はこの映画、映画好きのための映画の金字塔(なんとも言えないわかりにくい表現ですね・・・)として、高く評価されている作品です。映画を見た後、感想を言い合ったりしながら、東京の街を散歩をしました。道中、蕎麦をすすったりしながら、結局、銀座の歩行者天国まで歩いてしまったような気がします。きっと別れが名残惜しかったのでしょうね。その日はよく晴れていて、「なんか村上春樹の「ノルウェイの森」のワタナベくんと直子の散歩みたいだな」と思ったりもしました。その後、デートをしたお相手の方とは、色々あって疎遠になってしまいましたが(大学生によくあることです)、この「映画を見る」デートはとてもいいデートだったので今でも折に触れて思い出します。

このように、たくさんの動作を行い、苦労をして「映画を見る」と、その時の記憶は、見た映画とともに残り続けることがあります。その記憶は、写真や日記よりも鮮明です。私はこれこそが映画の醍醐味だと思っています。

「人生の夏休み」とも言える大学生生活は、時に永遠に続くように感じられ、時に刹那的に感じられるものです。この長くて短い生活を深く自分の心に刻みつけるのに、映画は最適であると考えます。家にこもって一人で映画を見るのもいいですが、ぜひ映画研究会で、我々とともに、あなたの青春時代を映画に残してみてはいかがでしょうか?

以上をもって、新歓ブログとしたいと思います。ご静聴、ありがとうございました。

秋新歓ブログリレー#2『趣味の合わない人、趣味の合わない映画』

こんにちは、北大映研一年目、工学院一年の宮本です。
私は大学院受験で学歴ロンダを敢行し、縁もゆかりもない北海道の地にやってきました。ちなみに大学院について簡単に説明しておくと、大学院とは大学を無事に卒業できた人だけが入院できる高等教育機関であり、全治二年コースと全治五年コースがあります。(稀に退院できない場合もあります。)
エアポート急行の窓から真っ白な風景を見て、「もしかしてとんでもないところに来ちゃったんじゃないの・・・?」と不安な気持ちになってから6ヶ月も経つんですね。早いなあ。引っ越しを終えた三月末、CDやらレコードやら文庫本やらで散らかっていた一人の部屋で、「このままサブカルを語り合える知り合いをつくれずにもう一度冬を迎えたら、確実に孤独死してしまう!」と生命の危機を感じ、大学院生ながら北大映研に入部することにしました。如何せん院生なので、なかなか例会に顔を出せませんが、それでもなんとなく馴染めているっぽい(?)ので、秋新歓で入る方は絶対に馴染めると思います!!

さて、今回のブログリレーのテーマは「人生ベストの映画1本!」らしいんですが、20数年しか生きていない小娘がこんなテーマで語っちゃっていいの???!?大丈夫??!?検索ヒットで来た一人でミニシアターに行っちゃうタイプのマニアの方にコメント欄でDisられたり、ツイッターで炎上したり、フェイスブックで個人情報特定されたりしない??!?と不安です。そもそも「人生ベストの映画」ってなんでしょう。劇中の台詞で人生変わった〜〜!とかですかね。今まで観たあまり多くない映画の数々を思い浮かべてみるものの、うーん・・・、そんな経験、ないなあ・・・。

と、ここまで映画の題を一つも出さずにヘラヘラと映研のブログを書きすすめてきたのですが、そろそろ怒られそうなので、重い腰を上げてテキトーに映画を取り上げとこうと思います。
今回は、エマ・ワトソンのリメイク版も公開された「美女と野獣」の話を。あの実写、野獣のCGが思いの外「野獣」でしたね。「いつだって歌っちゃう☆いつだって超ポジティブ☆悪い奴は全員高いところから落ちて死ね☆」なディズニー映画があまり好みではないサブカル女界隈の中でも、比較的人気度が高い作品(宮本調べ)です。もちろん私も「美女と野獣」は小さい頃から大好きです。
まず、主人公のベルちゃんのキャラクターが最高です。ただ可愛い量産型お姫様じゃなくて、オタク気質なファザコンなのがグッときます。現代風に言うと、ブルーバックス読んでるバイト充美人女子ってとこですかね。どんな子かめっちゃ興味あるので一回サシ飲みしてみたいです。お店は居酒屋よりスペインバルみたいなところの方が、「バイトが・・・」って嫌そうにしながらも来てくれそう。
ファザコンなのに、劇中、お城で暮らすうちに楽しくなっちゃってすっかりパパのこと忘れちゃうのも結構好きです。初めて観た時、「絶対これベルちゃん忘れてるよな〜〜。野獣と楽しくやって完全に浮かれとるもん・・・。ーーー(ベルちゃん思い出す)ーーーほら!やっぱ忘れとったやん!てか!いや!忘れちゃうのかよ!お父さんやん??!?」って5歳ながらにも思いましたもん。意外とうっかりなところがあるのかもしれません。そして、ガストン(脳筋メンヘラ)に求婚されても、「いや〜〜ちょっと好みじゃねえわ〜〜」と全然取り合わないのもいいですね。予防接種みたいな感じで、ある一定の歳に達した女の子全員にベルちゃんの爪の垢を煎じて飲ませたら、世に蔓延る恋愛トラブルはかなり減少すると思います。

ああだこうだと色々書きましたが、個人的に一番好きなシーンは、野獣がベルに図書館をプレゼントするシーンです。ああいうのたまらないですよね。ベルちゃん、クリスマスに4℃のピンキーリングとか贈っても微妙な空気になりそうだし、野獣はいいチョイスしたなーって思います。多分野獣ってベルちゃんほどに本好きじゃないのに、プレゼントしてるし。それがいいんですよね。その人の趣味の世界がわからなくても、喜んでもらえるように考えるっていうの、健気で素敵だと思います。
大森靖子の「JI・MO・TOの顔かわいいトモダチ」という曲に「好きなカルチャーで踏み絵して 大体同じ青春の友達できて 世界変わったて錯覚してさ 地元帰ったら話通じない」っていう歌詞があるんですけど、その歌詞を聴くたびに「美女と野獣」のこのシーンを思い出します。私は残念ながら自他共に認める根暗サブカルチャー大好き人間ですが、思春期には分かり合えない人も多く、自分から心を閉ざしてしまうことが多かったです。でも、周りには自分の趣味の世界がわからなくても、歩み寄ろうとしてくれた人もきっといたはずなんですよね。そういう人の優しさを踏みにじっていたのではないか、今もそういう人が周りにいるのにおざなりにしているのではないかと、このシーンを見るたびにハッと我にかえります。はあ〜、ほんとに日々反省って感じですね・・・。受け入れられなくてメンゴ・・・。

サークルや部活はそれこそ「好きなカルチャーで踏み絵して 大体同じ青春の友達」ができる場だと思います。そういう場は、先ほど書いた通り自分も熱烈に欲していましたが、本当に大事です。でも最近、そういうつながりじゃない、所謂「合わない人」も仲良くできるようにならんとな・・・と院生になってひしひし感じます。小さい頃から観ている「美女と野獣」ですが、今もめちゃめちゃ心に響くという意味では人生ベストかもなあ〜・・・、いやでもディズニー映画がベストはちょっと映研部員としてどうなの?と思う今日この頃でした。でもやっぱカラオケでミスチル歌い出す人はやっぱり苦手です。(おしまい)