私的ベストテン2019

こんにちは。北大映研部長の熊本です。

特にブログリレーなどを行っているワケではないのですが、毎年誰かがアップしている私的ベストテンを例年同様だらだらと書いていこうと思います。最後のセンター試験を終えた未来の北大生の目に触れてもらえたら幸いです。

 

10位「COLD WAR あの歌、2つの心」

Tomasz Kot in Zimna wojna (2018)

去年、「ローマ」とアカデミー外国語映画賞を競ったラブストーリー。主人公ふたりのミクロな視点と舞台となるスターリン政権下のポーランドのマクロな視点の残酷さを、なんとも言いがたい美しさで描ききった傑作でした。これが札幌では一週間限定かつ一日一回しか上映してなかったのはなんとも残念。

 

9位「幸福なラザロ」

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今年観た映画でトップクラスにワンダフルな脚本でした。ラザロの視点からどの世界、時代にも通底する貧困や憎しみを痛感しながら、この世界のどこかにあるイノセンスに思いを馳せてしまう。ちゃんとキリスト教の知識があると見方も変わってくるのかな。

 

8位「存在のない子供たち」

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子役演出だったら文句なし1位ですね。主人公のゼインくんやその他のキャストが実人生で物語と重なるようなの壮絶な境遇を経験していることもあるのか、役者の説得力や実在感がただ事じゃないです。さらにこの映画では赤ちゃんが赤ちゃんとして演技してます。ホントです。

 

7位「ジョーカー」

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説明不要のヒット作ですね。ホアキンオンステージでした。スコセッシのMCUについての発言が議論を呼びましたが、これは映画らしい映画として納得なんじゃないでしょうか。スコセッシオマージュ満載ですし。

 

6位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

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個人的にはタランティーノの集大成にして最高傑作でした。前半2時間はニヤニヤが止まらないほど幸せで、後半40分はサスペンスフル、ラストはなんともいえない優しさで包んでくれるなんて、、、この映画のすべてが愛おしい。

 

5位「ブラッククランズマン」

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久々にスパイクリーのアクの強さが全開になったエンタメで大満足。ただ黒人白人うんぬんの話だけではなく、「国民の創世」や「風と共に去りぬ」といった現実に負のエフェクトを与えた「名作たち」に対して映画でしか出来ない回答をしているところに、スパイクリーの怒りだけではなく映画史に対する敬意も感じました。さらにそこから文字通り現実に向き合うラストにも圧倒されました。ボクは「グリーンブック」より断然「ブラッククランズマン」派!

 

4位「アイリッシュマン」

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スコセッシ、デ・ニーロ、ペシ、そこに加えてカイテル、さらにはパチーノってだけで感情のダムが決壊しちゃいます。「グッドフェローズ」や「カジノ」のようなスピーディーな語りではなく、どっしりと腰を据えた語り。それでも「僕ら」が大好きなあのスコセッシ映画になっていました。観終えた後にはスコセッシやデ・ニーロが映画史に残してくれたものへの感謝でいっぱいです。でもスコセッシはこれからも元気に映画撮ってほしいなぁー。最後のフランクシーランには次世代の映画人の到来を待つスコセッシを重ねて見てしまいました。2月からのシアターキノでの上映も楽しみ!

 

3位「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

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2016年に公開された「この世界の片隅に」の再編集版。原作漫画や元の映画版が全国民必見の名作なので、まずそちらをご覧になっていただきたいのですが、この再編集版は2016年のバージョンと違う味わいになってましたね。作中に出てくる登場人物や出来事、アイテムがより多層的な意味を持って浮かんできます。この映画は感想書きづらいですね。

 

2位「パラサイト」

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来ました!!大好きなポンジュノがついに特大ホームランをかましてくれました!この映画のすごいところは、アート性や社会性をきちんと担保しながら超絶面白いエンターテインメントに仕上げてるところ。アート性や社会性を兼ね備えた素晴らしい映画監督は数多くいますが、そのうえ作品を誰が見ても面白いエンタメに出来るのはポンジュノなんですよ!

 

1位「サスペリア」

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これは自分でもよく理解できてないところも多々ある映画なんですが、オールタイムベストに入るほどの衝撃でした。見た後しばらく呆然としてしまったほどです。「アイリッシュマン」、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」、「パラサイト」も1位に入れたいくらい好きなんですけど、この作品は特別でしたね。なんでこんなに好きなのかも自分では理解できないし、感想も「スゴいものを見た」くらいしか言えないです。すみません。

 

ランキング外だと「ドッグマン」、「マリッジストーリー」、「トイストーリー4」です。

2019年の新作の鑑賞本数は75本でした。気になる映画や好きな監督の新作で逃してしまったものも多々あるためか、なんだか頭でっかちなランキングになってしまった気もしなくもないですね。カンヌがらみが6本、ヴェネチアがらみが2本ですからね。

今年のランキングにはシリーズものが入りませんでした。エンドゲームは最高だったし、SW EP9は最低でしたけど、個人的には一本で完結してる作品が好きなのだと改めて実感しました。

今年こそ新作100本鑑賞出来るよう、浴びるように映画見ていきたいと思います。

毎年行っている映研のベストテンも集計が終わり次第結果をのせたいと思いますので乞うご期待ください。

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