「悪魔の毒々モンスター」レビュー(池田)

悪魔の毒々モンスター(原題:The Toxic Avenger)

 

 

予告編

1984年アメリカ

監督、製作:マイケル・ハーツ、ロイド・カウフマン

脚本:ジョー・リッター、ロイド・カウフマン

音楽:マーク・ホフマン、ディーン・サマーズ

撮影:ジェームズ・ロンドン、ロイド・カウフマン

出演:アンドリー・マランダ、ミッチェル・コーエン、ジェニファー・バプティスト、シンディ・マニオン、ロバート・プリチャード、ゲイリー・シュナイダー、パット・ライアン・Jr、マーク・トーグル他

あらすじ

化学汚染がひどく治安も悪いニュージャージー州トロマヴィル。フィットネスクラブで清掃員として働くメルヴィン(トーグル)は不良の客からいつもバカにされていた。エスカレートしたいじめの果てに、彼は有毒廃棄物のドラム缶に転落してしまう。全身が焼けただれ死んだと思われたが、汚染物質の作用によりマッチョで醜い大男「毒々モンスター」に変身。悪を倒すという欲求が芽生え、町にはびこる悪党を退治していく。

 

 

 

 

レビュー

製作はトロマ・エンターテインメント。ロイド・カウフマン(名門私立イェール大学出身)とマイケル・ハーツが1974年に設立した映画会社である。ほとんどの作品が下品でくだらなく、劇場公開に向かないものばかりだが、一部でカルト的人気を誇る(有名人では関根勤がトロマのファン)。

 

 

登場人物は揃いも揃って間抜けで、ファッションセンスがおかしい。メルヴィンは見るからにひ弱でダサい。ジャグジーバスにモップを突っ込んで客にボコボコにされる。彼をいじめる不良グループは筋トレしながら麻薬を吸い、ロッカールームで交わり、ゲーム感覚で子供をひき殺す極悪集団。肥満体の市長は賄賂や汚職をしまくり悪を擁護。まったく感情移入できないが、このバカバカしい設定がトロマ作品の魅力かもしれない。

 

 

汚染物質を浴びたメルヴィンはモンスターに変身。ここら辺の説明は一切ない。悪を倒す欲求が生まれ、平和を乱す悪党を殺しまくる。全体的にコミカルなのに、ミキサーを口に入れたりトレーニングマシンのおもりで潰したりと殺害シーンはグロくて残虐。度を超した人体破壊もトロマの特徴である。悪人しか殺さず、一般市民には親切なのでモンスターは町の人から支持される。恋人までできる。(醜い彼をなぜ好きになれたのか、それには理由がある)

 

 

結構面白い作品だが、あまりに下品なので好き嫌いは分かれる。コメディの部類に入るがグロが無理なら見てはいけない。

豆知識

・ロイド・カウフマンはスタローン主演の『ロッキー』(1976)に出演している

・本作は全4作でシリーズ化されている。続編の「悪魔の毒々モンスター東京へ行く」(1989)の舞台は東京。安岡力也、関根勤、漫画家の永井豪(代表作はデビルマン、マジンガーZ、キューティーハニー)が出演

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