「ブラッディピエロ 100人連続切裂き」レビュー(池田)

ブラッディピエロ 100人連続切裂き(原題:100 Tears)

 

 

※予告編は掲載せず

2007年アメリカ

監督:マーカス・コッチ

脚本:ジョー・デヴィソン

製作:アラナ・ベーカー、エルマー・バーガー、ジョー・デヴィソン

音楽:クリスチャン・デイ、カール・ホーマー

撮影:ウェスリー・ウィング

出演:ジョージア・クリス、ジョー・デヴィソン、レイン・ブラウン、ジャック・エイモス、キブウェ・ドーシー、ロッド・グラント、ノーバート・サンティアゴ、ジェフ・ディラン・グラハム他

あらすじ

更生訓練施設で殺人事件が発生。新聞記者のジェニファー(クリス)とマーク(デヴィソン)は調査に乗り出す。目撃証言等から、ピエロの格好をした男によるものと判明。ピエロの犠牲者はどんどん増えていく。

 

 

レビュー

監督は特殊メイクアーティストのマーカス・コッチ。メタボなピエロが巨大な包丁で殺しまくるスプラッターホラー。殺害シーンは非常に過激で、映画開始10分で虐殺が始まる。四肢や首がポンポン飛び、血糊の量も多いが、血と内臓を詰め込んだ人形を乱雑にぶった切るという感じで安っぽい出来。それでも、慣れてない人にはかなりきつい描写だと思う。一方でストーリーや構成はかなり陳腐。グロいシーンを撮りたいためだけに作られた映画なのではと思えてくる。

 

 

殺される人の数は多い。あまりにもスピーディにサクサク殺されるので誰が誰だが分からない。邦題の100人までとはいかないが、20人近く殺されている。これは『新・13日の金曜日』(1985)(13金シリーズの5作目)の死者数21人に匹敵する。

殺人鬼のピエロには娘がおり、この娘も異常者。後半は父親と協力して無差別殺人を開始し、画面中が血の海になるが、どう見てもゴム製の腸、どう見てもマネキンの頭部など、ここでも安っぽさ全開。

 

内容以上に衝撃的だったのは日本語吹替えである。うろ覚えだが、以下に例を紹介する。

・字幕「コーヒーお待たせしました」→吹替え「うどんお待たせしました」

・字幕「今度おごらせてくれないか」→吹替え「今度ハイヒールで踏んでくれないか」

・字幕「スポール刑事から聞いた」→吹替え「クドウマサルから聞いた」

・調理人が「今夜は沖縄料理さ~。あぁ、サーターアンダギー食いたい」

・車椅子の女性が「どすこい、どすこい」

他にも、いきなり方言(茨城弁らしい)になったり、「からあげクンの食い過ぎだ」、断末魔が「痛ーい」、「ブヒッ」などバカげた吹替えが飛び交う。吹替え声優陣は聞いたことない人たちばかり。キャスト、スタッフのインタビューは字幕がないので内容は理解できず。隅から隅まで滅茶苦茶な映画だった。しかし、一見の価値ありの吹替えだと思う。バカバカしすぎるから。

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