春新歓ブログリレー㉔「Moosic Lab SP in Sapporo」

こんにちは。気まぐれ投稿の笹木です。

今日昨日と狸小路の札幌プラザ2.5で開催された Moosic Lab SP in Sapporo というイベントに行ってきたのでその感想を書くことにします。多分他に行った部員はいなかったのではないかな。

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1. Moosic Labとは?

“MOOSIC LAB”とは・・・

<むーじっく・らぼ>

新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせにより、映画制作の企画を具現化する“映画(MOVIE)×音楽(MUSIC)”プロジェクト。

そこで制作された作品をコンペティション形式の映画祭(=MOOSIC LAB)として全国の映画館で開催。

開催後も参加監督やアーティストの次なるステージへの飛躍、進化を後押しし続ける新しいスタイルの映画祭。

とのことです。今回はSPということで2016年開催分までの過去の作品から入賞作など全16作品が上映されたようでした。いつも東京で行われているイベントということもあり札幌で見られる機会があって嬉しいことですね。というわけで行ってきたのですが、都合でA,B,Eの3つのプログラムしか見ることができませんでした。見た中で印象に残った2コについて書きたいと思います。ネタバレするので注意。

 

2. 『nico』(今泉力哉×北村早樹子 62 min. 2012)

そもそもまずこのイベントに行こうと思ったのは、個人的に好きな監督の今泉力哉の作品が上映されることを知ったのがきっかけでした。去年公開の同監督作『退屈な日々にさようならを』は僕の去年の個人ベストにも入れました。ちなみに今泉力哉というのは簡単にいうと「映画なんて面白ければ何でもいい」を恋愛のジャンルでやる監督です。

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この『nico』という映画、このイベントの特徴である音楽がメタ映画の劇伴として出てくる映画製作の映画であり、監督役(小竹に似てると噂の!)芹澤興人の役名が「今泉」ということも含め、極めて私小説的な、私映画だという印象でした。

「やはりこの手の映画、始まりがアメリカの夜だ。」

メタ映画の引きのロングショット(もしかしたらただのマスターショット)と製作風景が交互に繰り返される映画でした。ただそれだけじゃつまらない、トリュフォーがやっていたように現実世界と映画世界には意味の繋がりがありましたね。

「映画のために生まれなかったすべての子供たちと」

「多くの犠牲のために生まれたすべての映画に捧ぐ」

だか(正確でない)というテロップに始まりまして、無差別殺人集団”BOB”という月1で殺人する人たちの映画を撮るのですが、「別に好きな人がいるのに他の人にできちゃった」監督の恋愛事情が挟まれることでその辺がメタ映画を見る上で色々と面白くなる映画になっていました。映画の中のBOBの人たちは常に賢者モードかのような気力のない面持ちでしたね。ちなみに言うと今泉力哉本人は数年前に”できちゃった婚”してます。

超面白かった同監督作の『こっぴどい猫』という小説家が題材の映画にかなり似てましたね。『nico』うまいこと短くまとまっていて好きでした。

 

3. 『いいにおいのする映画』(酒井麻衣×Vampillia 73 min.   2015)

まずこのタイトル、気になりますね。『Little  Forest』的な食べ物の映画か?と思っていたら全然違った。しかも照明技師が主役の吸血鬼ファンタジーでした…。

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設定を軽く説明すると、映画のヒロイン高校3年生”レイ”の幼馴染”カイト”は、幼い時に母を探しに”Vampillia”というバンドのボーカルである父”モンゴロイド”と旅に出たが結局見つからずに十数年後、レイの住む街に戻ってくる。レイはVampilliaのライブでカイトの代わりに照明技師をやることを願い出る、という感じ。

それでVampillia(実在するバンド)のメンバーの個性がそもそも異常なほど立っているので最初からツッコミ満載なのですが、進んでいくうちに父モンゴロイドの妻は白人でしかも吸血鬼、その子であるカイトも実は吸血鬼であった!…ことが明かされていきいきまして。母が天才的な作曲センスを持っていてその能力が息子にも備わっていること、人間と結ばれた吸血鬼の母は異世界へ連れ去られてしまったことなどが判明したりして、一方のカイトは吸血鬼としての衝動が抑えられずレイの血を吸う、など。シガーキッスとか初めて見ました。もはや説明するには言葉に力のないファンタジーが展開します。かといってレイは普通に学校に行って進路相談するのです。リアリティとは。

要するにリアリティのラインを超えさせてるのはどこかということなのですが、僕はそれが色であると思いました。この映画が特徴的なのは冒頭からスタンダードサイズのモノクロカラーを採用しているところで、しかも途中はパートカラーになったりというココロオドル楽しい演出があったのです。モノクロであるからには照明がしっかり仕事していていいカメラのショットもとてもたくさんありました。思うに僕の中ではモノクロという非現実的な色味がリアリティを簡単に無視できた理由だったのではないかというところ。最近はモノクロ映画はほぼ見ないですし、時代を遡ってる感じもありますから。上映後の酒井監督のトークイベントでは「カラーに変わる場面では、スタンダードサイズからヴィスタサイズに変えるつもりだったが、同時期にまだ公開前のグザヴィエドラン『Mommy』で使われていることを耳にしてやめた」とか面白いことも話していましたね。

いや、面白かった。僕はファンタジーをあまり好んで見ないのですが、見た後はこんなに自然でしかも楽しいなんて、と思ってしまいました。聞いたところこの映画すでに3回も北海道で上映されてたらしいです。知らなかった。そしてタイトルだけずっと引っかかってたんですが、なぜか見終わった時に「いいにおい」がしまして(客層は他と比べて若かったが)なんか久々に驚きと感動に満たされました。軽々しくも。4dxじゃあるまいし。

 

という感じであまり客の入りはよくなかったみたいですが、いいイベントでした。機会があれば、行って見るといいでしょう。札幌映画サークルのイベントとか、短編映画祭とか。

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