こんにちは。一年生の坂下です。
現在、北大映画研究会では秋新歓を行っています。
10月13日、20日、27日には食事会も行いますので皆さん是非いらしてください。
さて、今回は映画とは関係のない話をさせていただきます。
「飯山裕志」。この名前を聞いてぱっと頭に浮かぶ方はどれくらいいるでしょうか?それほど多くはないかもしれませんね。
彼は北海道日本ハムファイターズに20年間所属し、今シーズンをもって引退する野球選手です。
なぜこのような話をするのかというと、今月3日に行われた彼の引退試合を現地で観戦させていただいたからなんですね。
飯山選手の役割は、主に試合後半の守備固めです。そのため、引退試合のスタメンには名前が挙がりませんでした(実際は本人が監督の打診を拒否したらしいのですが)。
幸いにもその試合はファイターズが10得点を挙げ、大幅にリード。多くの観客が飯山の名前が呼ばれる瞬間を待ちわびていました。
そして、試合後半でその名前が呼ばれました。
そのときの歓声は凄かったですね。観客の声が一つの塊になってぶつかってくるような、そんな感覚でした。
飯山選手がショートに入ると、8回には古くからの戦友である田中賢介選手とゲッツーを成立させ、9回にはなんとショートゴロを捌いて試合を締めくくりました。野球の神様は本当にいるのかもしれませんね。
先ほどにも述べたように、彼は守備固め要因なんです。20年間のホームラン数はわずかに1本。決して目立った成績はありません。とにかく地味。
しかし、守備に自らのあり方を見出した彼は、ベテランになってもずっと、他の誰よりも多く練習をしていたらしいのです。
来る日も来る日も平凡なゴロを拾って送球する…。本当に地味な作業です。
ですが、その地味な作業を続けることで、誰よりも長くチームに必要とされる存在でいられました。
彼を見ていると、「地味でもいいんだ」「地味でも格好いいんだ」ということを感じさせられます。
引退セレモニーのときに後ろの観客が「飯山を嫌いな奴は誰もいない」と言っていたのがとても印象に残っています。
本当にその通りだと思います。当たり前のことを当たり前のようにこなす。そのようなことができるのはごく一部の人間だけ。飯山裕志という存在は、多くの人にとって大切な教訓になるのではないでしょうか。
「地味でもいい」。そう感じさせてくれた偉大な野球選手の最後の試合を観られたことを、私は誇りに思います。