春新歓ブログリレー㉛ 21世紀最高の映画 Part2

すみません、だいぶ遅くなりました。50本の映画にコメントするのが予想以上にめんどくさかったです。もう新歓始まってますが、Part1と言った以上2もやりますよ。

50. 「黒衣の刺客」(2015年/ホウ・シャオシェン監督)◯

この映画、予告編観るとアクション映画かと思うんですけど、すごい静かな映画なんでね、眠くなっちゃう人もいるかもしれません。

49. 「さらば、愛の言葉よ」(2014年/ジャン=リュック・ゴダール監督)✖︎

この監督はもう80歳くらいの巨匠中の巨匠です。これは最新作で監督初の3Dらしいですが、未見です。すみません。

48. 「ブルックリン」(2015年/ジョン・クローリー監督)◎

こんなにランク高いのかって感じです。これはアイルランドからアメリカへ渡った移民を主人公の女の子に象徴させて描いてるんですが、それをわかってないと「なんだこの女は!」みたいな感じになりかねます。

47. 「リヴァイアサン」(2014年/ルーシャン・キャステーヌ=テイラー、ヴェレナ・パラヴェル監督)△

リヴァイアサンってタイトルの映画多すぎるんですよね。リヴァイアサンって怪物の名前かなんかなんで、B級映画とかホラー映画でよく使われますね。まぁ、もちろんこれはそんなんじゃなくてドキュメンタリー映画です。漁船漁業についてのドキュメンタリーなんですが、映像がとにかくすごいんですね。ドキュメンタリーっていうとハードル高く感じるかもしれませんが、これはちょっと観てほしいですね。

46. 「トスカーナの贋作」(2010年/アッバス・キアロスタミ監督)◯

これは前回の記事の98位で紹介した「10話」って映画と同じ監督の作品です。これは映画内で2人の男女が夫婦を演じるんですが、観てるうちにその2人が夫婦を演じてるだけなのか本当の夫婦なのかわかんなくなっていくっていう不思議な作品ですね。この監督作品の中では見やすい方の映画です。

45. 「アデル、ブルーは熱い色」(2013年/アブデラティフ・ケシシュ監督)◯

レズビアンの映画なんですが、性描写がかなり激しいんで、話題になりましたね。主演女優2人の体当たり演技が物凄いんで観てほしいですね。

44. 「それでも夜は明ける」(2013年/スティーブ・マックイーン監督)◎

アカデミー賞作品賞受賞作品ですね。これは北部の自由黒人がいきなり拉致られて、12年間奴隷の身になってしまったっていう実話の映画化なんですが、ただ単にそれを描くんじゃなくて、主人公の体験を観客に追体験させるような映画になってるのがすごいですね。

43. 「メランコリア」(2011年/ラース・フォン・トリアー監督)◯

これは惑星が地球に衝突して滅びるって話なんですが、全然ディザスタームービーみたいな感じじゃないんですね。主人公が鬱病で精神不安定なんですが、惑星が近づくにつれて鬱病から解放されていくっていうすごい変な映画なんですね。でもこの監督作の中じゃ一番好きです。

42. 「愛、アムール」(2012年/ミヒャエル・ハネケ監督)△

この監督はすごい嫌な映画ばっかり撮る人なんですが、この作品だけはすごい優しい映画になってますね。老人介護の描写がほんとに見てて辛くなってきます。

41. 「インサイド・ヘッド」(2015年/ピート・ドクター、ロニー・デル・カルメン監督)◎

ピクサーの映画ですね。頭の中を映画化してるんで、子供にはちょっと難しかったんじゃないかなって気がしますね。

40. 「ブロークバック・マウンテン」(2005年/アン・リー監督)◎

カウボーイのゲイの映画ですね。この監督は台湾人ですが今やハリウッドでバンバン撮っててこの映画と「ライフ・オブ・パイ」という映画で2回アカデミー監督賞受賞してます。個人的には「ライフ・オブ・パイ」の方が好きです。

39. 「ニュー・ワールド」(2005年/テレンス・マリック監督) ◯

この監督はこの頃くらいまでは、まぁまともな映画撮ってましたね。まともといってもかなり意味不明ではありますが。この監督は照明を使わないで自然光で撮影するんで、映像がすごいんですね。ただセリフも説明も少なすぎて観てる側としては「わかんねえよ!」って気分になります。

38. 「シティ・オブ・ゴッド」(2002年/フェルナンド・メイレレス監督)◎

これはブラジルのスラムにおけるギャング抗争の映画。ギャング抗争っていうとスーツに葉巻のイカした男が殺しあってる印象かもしれませんが、この映画で殺しあってるのはまだ10代の子どもたちなんですね。よくこんなとこでオリンピックやったなと思います。

37. 「ブンミおじさんの森」(2010年/アピチャッポン・ウィーラセクタン監督)△

アピチャッポン監督は3度目の登場。すごいですね。この監督の映画は4本観てますが個人的にはこれが一番好きですね。まぁ、すごー く不思議で幻想的な映画です。

36. 「禁じられた歌声」(2014年/ アブデラマン・シサコ監督)✖︎

イスラム過激派が題材の映画はだそうですが、未見です。すみません。

35. 「グリーン・デスティニー」(2000年/アン・リー監督)◎

中国の映画ですね。この映画の影響でハリウッドで一時期ワイヤーアクションっていうのがめちゃくちゃ流行りましたね。人がワイヤーで吊るされて、飛んでくやつです。まぁ、これは普通に面白い映画なんで観てほしいですね

34. 「サウルの息子」(2015年/ネメシュ・ラースロー監督)△

これは去年のベストに入れました。ホロコーストの掃除役をやらされたユダヤ人の話なんですが、ピントがボケボケで何が起こっているのかがよくわからないんですね。でも、それが逆に恐ろしい。凄まじい映画です。

33. 「ダークナイト」(2008年/クリストファー・ノーラン監督)◎

これはバットマンの映画ですね。この映画はアメコミの映画化を極めてリアリスティックに撮ろうってコンセプトで撮られてるんですね。なによりもすごいのがバットマンの宿敵・ジョーカーを演じるヒース・レジャーの演技。彼はこのジョーカー役にのめり込みすぎて、薬物中毒で死んでしまいました。ほんとに命かけてます。

32. 「善き人のためのソナタ」(2006年/フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)◎

これは東ドイツで反逆者の諜報をやってる男が主人公なんですが、諜報してるうちに徐々に今の自分の仕事とか国の体制とかに疑問を抱いていくっていう話で、めちゃくちゃ面白い映画です。

31. 「マーガレット」(2011年/ケネス・ローナガン監督)✖︎

今度「マンチェスター・バイ・ザ・シー」って映画が公開されますが、その監督の1個前の作品ですね。未見です。すみません。

30. 「オールド・ボーイ」(2003年/パク・チャヌク監督)◎

これは以前、韓国映画の記事のところでも紹介しましたが、めちゃくちゃ面白いですね。話も面白いし、バイオレンスも凄まじい、演技も素晴らしい。おすすめです。

29. 「ウォーリー」(2008年/アンドリュー・スタントン監督)◎

最近のピクサー映画の中じゃ、一番好きです。ロボットが主人公なんですが、人間とか人間らしさとかを考察しているんで、ほんとに素晴らしいと思いますね。子供も大人も楽しめるところがすごい。

28. 「トーク・トゥ・ハー」(2002年/ペドロ・アルモドバル監督)◎

この映画はちょっと話すとネタバレになるんで、紹介が難しいんですが、昏睡状態の女性とそれを介護する男の話です。これ以上は言えませんが、観る人によってはちょっと気持ち悪く感じる人もいるかもしれません。

27. 「ソーシャル・ネットワーク」(2010年/デヴィッド・フィンチャー監督)◎

この映画はほんとにすごい映画なんですね。一見、普通の映画なんですが、細かく見ると構図とか編集とかCGの使い方とか技術的な面でほんとに完璧といって差し支えないレベルです。偉大な映画ランキングみたいので必ず上位に来る「市民ケーン」って映画があるんですが、この「ソーシャル・ネットワーク」はそれを完全にアップトゥデートしてるんで、すごいですね。

26. 「25時」(2002年/スパイク・リー監督)◯

これは主人公が麻薬ディーラーで、捕まってしまうんですね。で、この映画は主人公が収監されるまでの25時間を描いてるんですね。 ただ普通と違うのはこの映画は9.11をひとつの題材としていて、主人公の姿と9.11以降のアメリカっていうのを重ねて描いてるんで、少し深読みできる映画となってます。

25. 「メメント」(2000年/クリストファー・ノーラン監督)◎

この映画はすごい変わった映画で、時系列が逆になってるんですね。まぁ、説明すんのがちょっとめんどくさいんで観てほしいんですけど、主人公は記憶障害を抱えていて、10分しか記憶が持たないんですね。だから、忘れちゃいけないこととかを自分の体にタトゥーにして彫ってるんですね。で、奥さんを昔、殺されたんで、その真相を探っていくって話ですね。この映画は監督のその後の作品、「ダークナイト」、「インセプション」、「インターステラー」とかの原点になっているのが面白いです。

24. 「ザ・マスター」(2012年/ポール・トーマス・アンダーソン監督)◯

この映画はサイエントロジーっていう新興宗教が一応、題材になっていますが、わけわからん映画になってますね。監督が自分の撮りたい映像を撮って、脈絡なくぶち込んでるんで、よくわかんないんですね。ただ、映像はすごいですよ。

23. 「隠された記憶」(2005年/ミヒャエル・ハネケ監督)◯

この監督はほんとに胸糞悪くなるような映画ばっか撮ってるんですね。この映画は主人公の家に自分の家を盗撮してる映像が送りつけられてくるんですね。この映画、面白いのは「誰が盗撮映像を送ってきたのか?」って謎から「なぜ主人公はそんな映像を送られるハメになったのか?」って謎に焦点がシフトしていくんですね。で、その謎を通じて、フランス人にとってタブーになっている事件(ドイツにとってのホロコーストや日本人の南京虐殺のようなもの)を抉り出そうとしているんですね。だから、フランス人にとってはかなり観るのが厳しい映画だと思います。もちろん、これはフランス人のみじゃなくて、全世界における潜在的な人種差別意識とかに対する批判になってます。

22. 「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年/ソフィア・コッポラ監督)◯

日本人には評判の悪い作品ですね。まぁ、日本に来て、コミュニケーションができずに孤独を感じている外国人を描いてるんですが、日本人の描き方に問題があるんじゃないかってよく言われるんですね。ただ、この描き方っていうのは半ば意識的にやってる部分があるんじゃないかなってところがあって、狭い視点で描かれた映画だから逆に面白いって部分があると思うんですね。でも、それを除いても映画として面白いかと言われると微妙だと思います。

21. 「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年/ウェス・アンダーソン監督)◎

この監督の映画っていうのはセットがすごい凝ってて、全編おもちゃみたいな可愛いビジュアルになってるんですね。この映画がすごいのはそんなめちゃくちゃ可愛いビジュアルで、おもしろおかしい話を通じて、戦争の怖さとかを描いてるんですね。この監督柵のなかじゃ、一番好きです。

20. 「脳内ニューヨーク」(2008年/チャーリー・カウフマン監督)◯

これはすごい変な映画ですね。なにもかも上手くいかなくなった主人公が、自分の頭の中にある理想のニューヨークを本物のニューヨークのなかにつくろうとするっていう、まぁ、これだけ言ってもわけわかんない映画なんですね。で、徐々にその主人公の脳内のニューヨークと現実のニューヨークがごった煮になっていくっていう途方もない映画なんですが、ラストはすごい人生賛歌になっていて、よくわからないけど幸せになれるという映画です。

19. 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年/ジョージ・ミラー監督)◎

これは一昨年の北大映研のベスト1位でしたが、とにかくひたすらハイテンションな映画ですね。最初から最後まで全編クライマックスっていう異常な映画なんですが、ちょっとこれは言葉では言い表せないですね。観てください。

18. 「白いリボン」(2009年/ミヒャエル・ハネケ監督)◯

これは23位の「隠された記憶」と同じ監督の映画なんですが、この映画はナチスをテーマにしてつくられてるんですね。これはあるドイツの村で医者が事故死に見せかけて殺されたり、障害をもつ子どもがリンチされたりして、これは一体誰の仕業なんだ?って話なんですね。で、この間、相模原障害施設殺傷事件っていう、安倍政権支持の若者が障害者を大量に殺すって事件がありましたけど、その事件のニュースを見たとき、真っ先にこの映画を思い出したんですね。ほんとにこの映画そのまんまの事件で、ちょっと笑えない映画ですね。

17. 「パンズ・ラビリンス」(2006年/ギレルモ・デル・トロ監督)◎

この監督は「パシフィック・リム」って映画で、日本人のアニメファンを熱狂させた人ですね。ただ、この映画は「パシフィック・リム」とは全然雰囲気の違う映画で、スペイン内戦下の女の子が主人公なんですが、その女の子が家の近くに森の迷宮を見つけて、冒険していくっていうファンタジーなんですね。で、この映画は宮崎駿の特に「となりのトトロ」にかなり影響されていて、「となりのトトロ」をもっともっとダークにした映画なんですね。ラストがすごい切ない映画です。

16. 「ホーリー・モーターズ」(2012年/レオス・カラックス監督)△

これもすごい変な映画ですね。ある男がリムジンに乗って、いろんなところに行って、様々なキャラクターを演じていくってだけの映画なんですが、なぜその男がそんなことをするのかとかそれが虚構なのか現実なのかとかが全然わからないんですね。で、最後は車が喋り出す始末で、ほんとによくわからない。何が言いたいんですかね。

15. 「4ヶ月、3週と2日」 (2007年/クリスチャン・ムンギウ監督)✖︎

これはカンヌ国際映画祭でパルムドール取ってましたね。未見です。すみません。

14. 「アクト・オブ・キリング」(2012年/ジョシュア・オッペンハイマー監督)◯

これはインドネシアのドキュメンタリー映画ですね。インドネシアでは1960年代に共産主義者の大虐殺が行われていて、その虐殺した人々が未だに国民の英雄として祭り上げられてるんですね。で、この映画は虐殺した側に「その虐殺をもう一度再現してください」って頼んで、その再現の様子を記録してるんですね。で、最初は虐殺した側の人も嬉々として、やってるんですが、徐々にそれが変化していくって映画なんですね。で、最後はほんとにすごいことになっていくんですね。ぜひ観てもらいたい映画です。

13. 「トゥモロー・ワールド」(2006年/アルフォンソ・キュアロン監督)◎

この映画はまず、カメラワークがものすごいんですね。まぁ、そのへんは映画を観てください。話としては、全く子供が産まれなくなった世界が舞台で、世界中で戦争が起こってるんですね。そんな世界で何十年ぶりかに妊娠した女性が出てきて、その子供を全力で守り抜くって話なんですね。で、その話を通じて、戦争がいかに無意味かってことに言及してるんですね。この映画はその後の映像技術とかにもすごい影響してますね。

12. 「ゾディアック」(2007年/デヴィッド・フィンチャー監督)◯

これは観客からあまり人気がないけど、批評家からは絶賛されてるっていう典型的な例ですね。これはゾディアックっていう連続殺人鬼を追い詰めていく記者が主人公なんですね。で、なんで観客に人気がないかって言うと、すごい映画自体が長く感じるんですよ。ただ、観客が長く感じるっていうのは監督が狙ってやっている部分があって、主人公のいくら追いかけても犯人を追い詰められない感覚っていうのを観客に共有させようとしてるんですね。あとこの映画は地味なところにとんでもないCGを使ったりしててすごいですね。

11. 「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(2013年/ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督)◯

これは1960年代のフォーク歌手が主人公ですね。で、フォーク歌手を夢見るけど、いつまでもどん詰まりになってしまうっていう失望をすごいシニカルに描いてますね。このコーエン兄弟って監督はほんとにひとを小馬鹿にしたような映画を撮ってて、僕は大好きですね。この映画も主人公のどこまで行ってもどうにもならない様子を非常に細かく描いていて、面白いです。

10. 「ノーカントリー」(2007年/ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督)◎

これもコーエン兄弟の映画です。ある男が麻薬の密売現場に遭遇して、そこにあったお金を持ち逃げしてしまうんですね。ただ、その現場で瀕死状態で「水が欲しい」って言っていた男のことが忘れられなくて、水を持って現場に戻ると、とんでもない殺人鬼に追っかけられる羽目になるって話ですね。これが面白いのは「金を持ち逃げしたんだから狙われてもしょうがない」っていう因果応報みたいな話じゃなくて、「水を持っていってあげるという良心のせいで命を狙われる」っていう非常に不条理な話になってるんですね。で、この映画はこのあと、ひたすら「え?」って展開になっていって、不可解な話になっていくんですね。じゃあ、つまらないか?と言われるとけっしてそんなことなくて、ガンアクションとかがめちゃくちゃカッコよくて、観客を惹きつけて離さないんですね。娯楽性と芸術性の両方を兼ね備えた傑作だと思います。

9. 「別離」(2011年/アスガル・ファルハーディー監督)◯

これはイランの映画ですね。離婚の危機に瀕した夫婦とその子供の話なんですが、些細な嘘とか不誠実さが、イランの政治とか宗教に絡んでいって、とんでもない悲劇につながっていくって話なんですね。話自体がとても複雑なんですが、イランの知識等なくても十二分に楽しめる映画だと思います。

8. 「ヤンヤン 夏の想い出」(2000年/エドワード・ヤン監督)✖︎

この監督はすごい有名なんですけど、観たことないんですよね。情けない。今、この監督の「牯嶺街少年殺人事件」って映画のリマスターが劇場でやってるんでね、観に行きたいです。

7. 「ツリー・オブ・ライフ」(2011年/テレンス・マリック監督)△

この映画はほんとに意味不明です。監督のすごい個人的な家族の思い出とか家族への感情と宇宙の歴史とかを結びつけて、ごちゃ混ぜに描いてるうえになんの説明もないんですね。ただひたすら映像がすごい。この監督はこれ以降、ずっとこんな感じの映画ばかりですね。勘弁してくれ。

6. 「エターナル・サンシャイン」(2004年/ミシェル・ゴンドリー監督)◎

これは失恋した男が昔の恋人の記憶を除去する手術を受けようとするって話ですね。ただ、記憶を消していく過程で恋人との嫌な記憶だけじゃなくて、楽しかった記憶とかも思い出して、徐々に記憶を消したくなくなっていくんですね。これは生きていくためには辛い記憶とか悲しい記憶とかも必要なんだって話になってますね。ピクサーの「インサイド・ヘッド」って映画がありましたけど、あれも悲しみの感情っていうのは必要なものなんだって話でしたね。そーいう点で2つはよく似た映画だなと思います。

5. 「6才のボクが、大人になるまで。」(2014年/リチャード・リンクレイター監督)◎

この映画は6歳の男の子が18歳になるまでの話を俳優を変えないで撮ってるんですね。だから、主演の男の子が6歳から18歳になるまでの12年間撮り続けてるんですね。なにか特別なことが起こる映画では決してないんですが、男の子がほんとに成長していくんで、12年間っていう時の重みがずっしり来るような映画になってますね。で、ラストに主人公があるセリフを言うんですが、そのセリフもすごい重みがあるものになってますね。

4. 「千と千尋の神隠し」(2001年/宮崎駿監督)◎

これはみなさん知ってますね。この映画は都市伝説とかじゃなくてほんとに風俗の話なんですね。神様相手に体を売るって話は世界中どこにでもあるような話なんですね。これは売春婦=巫女っていう、世の中の一番底辺にいる人間が実は神に一番近いっていうとても奇妙な考え方が根底にあるんですね。それを念頭において、もう一度見直すと面白いかもしれません。

3. 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007年/ポール・トーマス・アンダーソン監督)◯

これは20世紀初頭の石油業界と伝道宗教師の対立を描いた映画ですね。主演がダニエル=デイ=ルイスっていうアカデミー主演男優賞をこの映画含め、3回も受賞してるすごい人ですね。この人「リンカーン」って映画でリンカーン大統領演じて、とんでもなくそっくりだったんですが、とんでもなく狂った突発性暴力障害みたいな役ばっかりやってますね。この映画でもラストで「お前のミルクセーキを飲んでやる!」って意味不明な言葉を吐きながら、暴走しまくってて、爆笑でしたね。

2. 「花様年華」(2000年/ウォン・カーウァイ監督)◯

これはある男女の不倫を描いただけの映画なんですが、説明描写が極端に少ないんですね。すごく細かいとこまで見ないと登場人物の行動の動機がよくわからない。ウォン・カーワイって監督は海外での評価がめちゃくちゃ高い人なんで、この映画しか入ってないっていうのはちょっと意外ですね。

1. 「マルホランド・ドライブ」(2001年/デヴィッド・リンチ監督) △

この映画が1位でいいのかって思いますね。っていうのもこの映画は元々連続ドラマにする予定だったんですよ。海外ドラマ観たことある人はわかると思いますが、あれって結末が決まってなくて、人気が出たらいくらでも続けるんですね。で、海外ドラマって製作する前にパイロット版っていう、ワンシーズン分の話を1時間に要約したようなものを作って、人気が出そうだったら製作を決定するんですね。で、これは人気が出なかったんですね。で、その後に映画化の話が出たんです。だから、前半はパイロット版で、後半は映画化するための伏線回収なんですね。ただ、パイロット版ははっきり言って何も考えずに作ってるんで、伏線を回収しきれてないんですね。でも、つまらないかって言われると決してそんなことないんですが、これが1位かぁって感じですね。

 

はい、終わりました。しんどかった。僕が凄いなって思う映画っていうのはやっぱり、アート性と娯楽性の両方を兼ね備えてる映画なんですね。そういう観点で、この100本から5本選べと言われたら「ヒストリー・オブ・バイオレンス」、「ソーシャル・ネットワーク」、「トゥモロー・ワールド」、「ノーカントリー」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」ですかね。この5本は映画としての完成度が本当に高いんで、是非みてほしいですね。

さて、春新歓も残すところ1週間となりましたが、皆さん是非お越しください。

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