「ランボー」レビュー(池田)

ランボー(原題:First Blood)

 

 

1982年アメリカ

予告編

監督:テッド・コッチェフ

脚本:マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイム、シルヴェスター・スタローン

原作:デヴィッド・マレル

製作:バズ・フェイシャンズ

音楽:ジェリー・ゴールドスミス

撮影:アンドリュー・ラズロ

出演:シルヴェスター・スタローン、リチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒー、ビル・マッキニー、ジャック・スターレット、マイケル・タルボット、クリス・マルケイ他

あらすじ

ワシントン州。ベトナム戦争から帰還した兵士ジョン・ランボー(スタローン)は戦友を訪ねてきたが、彼は化学兵器の後遺症でこの世を去っていた。失意の中、市街地へ来たランボーを、保安官ティーズル(デネヒー)はトラブルを起こしそうだと決めつけてパトカーで街外れまで連れ出す。それでも戻ってくるランボーをティーズルは逮捕、保安官事務所へ連行し拷問のような取り調べを行う。戦争時の記憶がフラッシュバックし、ランボーは周囲の保安官を倒して山へ逃走。一人の帰還兵VS数百人の警察・軍隊の戦いが始まる。

レビュー

デヴィッド・マレルの小説『一人だけの軍隊』の映画化。『ロッキー』シリーズと並ぶスタローンの代表作。たった一人で警察に抵抗する帰還兵の攻防とベトナム戦争の苦悩を描いている。

 

 

主人公ランボーは思った通りに行動する男。街外れで降ろされてもUターンして戻ろうとする。それが原因で連行されるのだが、見た目で判断され保安官から殴る蹴る、水を浴びせるなどの暴行を受ける。剃刀を顔に当てられる寸前に戦争を思い出して逆上。大暴れして山へ逃げる。

 

自然の中ではランボーの独壇場。銃を持った保安官らを、弓や罠など原始的な武器で次々と戦闘不能にする。プレデターのよう。

 

保安官は軍の協力を要請するがそれでも歯がたたない。ランボー、強すぎる。駆けつけた彼の元上官トラウトマン大佐(クレンナ)にも「先に仕掛けたのはあいつらの方だ」と聞く耳を持たない。幾多の修羅場をくぐり抜けた末「暴力には暴力で」という考えに至ったのだろうか。降伏せずに戦い続けるランボーの行動は好ましくはないが身を守るためであり、悪とは言い切れない。というより登場人物に完全な悪人が存在しない。(序盤の取り調べはさすがに理不尽すぎだが)

終盤、ランボーは泣きながら自身の悲痛な心情を大佐に吐露する。このシーンがいい。「命をかけて国のために戦ったのに、アメリカは帰って来た俺たちを称えるどころか非難する!」うろ覚えだがたぶんこのようなことを言っていた。ベトナム帰還兵の心の内を代弁していたのだろうか。

 

「やられたら徹底的に抵抗する」。「大人気ない」だの「やり返したらそいつと同じだ」だの日常ではマイナスに思われるこの行動がこの映画では全編にわたって行われる。だから面白い。

豆知識

・映画では死者数は少ないが、原作ではかなり死ぬ。一般市民も巻き添えになる

・原作の舞台はケンタッキー州

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