2024年度春新歓ブログリレー#4

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2年法学部の佐藤です。映画研究部には去年の秋に入部しました。

今回のブログリレーでは、僕が一番好きな映画『アメイジング・スパイダーマン2』を中心に、「スパイダーマン」の映画の数々について紹介していきます。

『アメイジング・スパイダーマン2』の話題に入る前に、「スパイダーマン」とはそもそも一体何なのか、どんな映画があるのかについて説明したいと思います。マーベル・コミックにて、1962年に初登場したスパイダーマンは、シリーズとして長期間続き、映画化も幾度もされました。主人公のピーター・パーカーは放射性のクモに噛まれ、それ以来世界でたった一人のスパイダーマン。超人的な力を得た彼は、初めはその力を利己的な方向に使い、それが遠因となって叔父を死なせてしまいます。叔父の死に際の言葉である、「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉を受け、以後は顔を隠したヒーロー「スパイダーマン」として、ニューヨークの市民を数々の危機から救っていきます。

ヒーローとしての活動と、高校生/大学生としての活動は、両立しづらいもの。ピーターには恋人ができますが、その関係はなかなかうまくはいきません。正体を隠して、恋人を危険から遠ざけるか、正体を明かして、恋人のそばにいるか。ピーターは葛藤します。またヴィラン(敵役)であるグリーン・ゴブリンやドクター・オクトパス、ヴェノムなどとの戦いを巡って、家族・恋人を危機にさらしたり、友人と対立したりしてしまいます。このうまくいかなさ、世知辛さが、『スパイダーマン』の魅力といっても過言ではありません。

前述したように、スパイダーマンは頻繁に映画化されています。2002年スタート、ホラー映画を数多く手がけたサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』3部作。2012年スタート、マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン』2部作。2016年スタート、ジョン・ワッツ監督、トム・ホランド主演の『スパイダーマン/ホームカミング』から始まる3部作は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中に組み込まれており、アイアンマンやドクターストレンジといったほかのヒーローとの共演が見られます。

それでは本題、『アメイジング・スパイダーマン2』について紹介していきましょう。ネタバレを含みますので、悪しからず。

この作品は、『アメイジング・スパイダーマン』の続編として、2014年に公開されました。前作にてピーターは、同級生のグウェン・ステイシーと恋仲になりましたが、警官である彼女の父ジョージは死に際に、「グウェンに危機を及ぼすな」と言い残しており、ピーターはグウェンとの距離の取り方に苦しみます。またピーターは幼少期の親友ハリー・オズボーンに再会しますが、彼は病魔に侵されており、治療の為にスパイダーマンの超人的な力を狙っており、ピーターとハリーは対立していきます。さらにピーターは、幼少期に謎の死を遂げた両親に関して複雑な感情を抱いており、それが原因で残された家族である叔母ともギクシャクしてしまいます。この三重苦の状況、ピーターはさらにヴィランである「エレクトロ」との対決も余儀なくされます。両親の謎を紐解き、グウェンと復縁したピーターは、エレクトロを命からがら倒します。しかしエレクトロの背後にいた黒幕、グリーン・ゴブリンことハリーの奇襲を受け、ピーターはグウェンを寸でのところで助けきれず、死なせてしまいます。蘇るグウェンの父の言葉。ピーターは数ヶ月もの間、意気消沈します。しかしその間にもニューヨークには市民の助けを呼ぶ声が止みません。グウェンの生前の言葉、「孤独だと感じる日もあるでしょう」「そんなときにこそ、希望が必要なのです」を聞いたピーターは立ち上がり、ニューヨークの希望として再び戦いに身を投じるのです。

なんといっても、このラストシーンが素晴らしいのです。この映画のすべては、このラストシーンのためにあるといっても過言ではありません。スパイダーマンのいない街、暴れるヴィランに少年が果敢に立ち向かいますが、勝てるはずもありません。その場に現れたスパイダーマンは、「あいつは僕が倒すから、君はお母さんを守って。いいね?」とヴィランの前に立ちはだかり、攻撃を仕掛けます。その姿はニューヨーク市民の希望。悲しみに打ちひしがれたスパイダーマンは、帰ってきたのです。まさにヒーロー復活、ヒーローかくたるべし。

さらに特筆すべきは、音楽です。本作で音楽を担当したのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ダークナイト』『インターステラー』などで知られるハンス・ジマー。スパイダーマンを象徴するヒロイックな音楽と、エレクトロを象徴する重低音でリズミカルな音楽が対比的で、とても印象に残るものになっています。

この作品には、次作に向けての伏線が多くあります。ハリーに接触する謎の男、原作のヴィランであるドクター・オクトパスやヴァルチャーのものであると思われるスーツの登場などなど。ですが『アメイジング・スパイダーマン3』は製作されませんでした。というのも、当時『アメイジング・スパイダーマン2』は興行的にあまり成功せず、一方、上述したMCUが『アベンジャーズ』などの作品によって盛り上がっていました。「スパイダーマンをまた仕切り直してMCUに合流させよう」との判断でしょうか、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは打ち切られ、『スパイダーマン/ホームカミング』が製作されたというわけです。

そんなわけで、『アメイジング・スパイダーマン』の世界のピーターがその後どのような人生を辿ったかは、我々の知るところではありません。ですが、MCU版スパイダーマン3作目、『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』にて、なんとなんと、まさかの『アメイジング・スパイダーマン』版のピーターが登場。彼のその後について仄めかされているほか、エレクトロとの再びの対峙や『アメイジング・スパイダーマン2』を意識した粋な演出など、ファンには感涙ものですが、いまや幻となってしまった『アメイジング・スパイダーマン3』を見たい! という声を挙げるものは少なくありません。かく言う私もその一人です。

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