九月の初め、現部長から一緒に映画を見ないかと誘われた。サッポロファクトリーにて『ブレードランナー』を二週間限定でIMAX上映するらしい。部長には普段からお世話になっているため二つ返事で了承した。
『ブレードランナー』話にはよく聞くが内容は全く知らない。タイトルにランナーとついてるので大方走る話、つまりはスポ根映画であろうなどと意味の分からないことを考えていたが、仮にも映画研究会の一員なのであるから多少なりと調べて行くことにした。
1982年公開のSF映画であり、原作は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。科学が発展した近未来、人を殺し逃亡中のアンドロイド「レプリカント」を「ブレードランナー」である主人公が追跡する、というあらすじ。
素直に調べておいてよかったと思った。ブレードランナーとは警察組織の名前で、ランニングチームの名前などではなかった。部長曰くこの作品は所謂サイバーパンクと呼ばれるジャンルであり、東京にインスパイアされたとか。なるほど確かに作中ではビルにでかでかと日本の広告が映し出されていたし、近未来の街並みは当時の日本のそれと同じ趣を感じる。
あえてここで『ブレードランナー』の話はやめにしよう。私の陳腐な感想で映画のイメージを悪くしたくないし、なにより『ブレードランナー』についてお話したいのであれば映画研究会に直接来てほしいからだ。私よりもこの映画について語れる人はこのサークルには沢山いる。
映画研究会は不思議なところだ。奇人変人常識人理系文系お洒落な人ダサい人単位がやばい人成績優秀な人、歳は十代から院生まで、いろんな人がいる。しかしながら皆がなにかしら楽しげに話しているところを見ると、きっとあなたにとっても居心地の良いところになると思う。