春新歓ブログリレー #7 御入学おめでとうございます。

大学で単位を取る、進級するという事は恐らく新入生が考えているそれと比べて格段に難しい。


大切なのは日頃からの正しい生活習慣である。それは学校内だけでなく家庭でも言えることである。北大生たるもの身だしなみは常に気をつけなければならない。何時いかなる時どんな場所でも恥ずかしくないよう心がけることがひいては健やかな発育、更には心の成長に繋がる。規則を守り正しい教養を身につけることこそが北海道大学の理念である。

教養課程における大学の勉強は高校の延長であるのは間違いない。しかしながら多くの新入生が大学の数学の難解さ、高校数学とは比べ物にならない厳密性に苦労するだろう。
新入生が大学数学で挫折しないためには何をすれば良いかを私なりに考えた。
1年生で理系が履修する数学は線形代数学と微分積分学である。
1年生の微分積分学で最も難しいのは初期に習うε-δ論法だ。これは極限の定義づけになり所謂微積の基礎であるのだが任意のεに対して考えたいδの式が十分条件に出てきており、新入生にとっては初めて見る論理となるだろう。ここで初めての論理であるからイメージが湧かないというのは甘えである。初めての論理であったとしてもそこから発生する話題は高校数学で学んだことに帰結する。ε-δ論法で挫折したくないのであれば受験で嫌という程演習したであろう微分積分と必要十分条件などの論理を復習するべきだ。またこの話題に関心があるならばε-δ論法を予習しておくのもよいだろう。高校数学を超える予備知識は数学の記号以外にはない。
線形代数学は他分野に繋がる非常に重要な学問であるが挫折する1年生は微分積分学以上に多い。2012年度より高校数学の指導要領から行列が外れたことで線形代数学は新入生にとっては未知の学問になってしまった。未知の学問を学ぶ時必要なのは好奇心と勇気である。しかし線形代数を学びたての頃は計算ばかりで退屈になり、また計算結果がなんの意味を持つのか分からず好奇心が削がれてしまうかもしれない。私が思う線形代数の醍醐味は、1年生後期で学ぶ線型空間にある。線型空間はロマンである。新入生はこのことを心に留めて勉強して欲しいと思う。退屈な計算修行の末に壮大な線形代数のロマンが君を待っているだろう。微分積分学と同様にこれに関心を持ったのならばいきなり線型空間について勉強するとよいだろう。現に線形代数学の教科書には行列より先に線型空間を述べているものもある。
高校数学で得たものは必ず大学数学の勉強の助けになる。新生活が始まり大変なこと、楽しいことが溢れていると思うがたまには高校数学の復習をするとよいだろう。

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