こんにちは、映研のはぐれメタル(遭遇率が低く、仮に遭遇してもすぐ逃げてしまうモンスター)、2年の三浦です。
いきなりですが、推理作家 横溝正史が生んだ名探偵「金田一耕助」を知っているでしょうか。「じっちゃんの名にかけて!」の金田一ではありません。むしろ、じっちゃんの方です(横溝サイドからすれば全くの非公式の設定)。「犬神家の一族」や「八つ墓村」なんかが有名ですが、それらの作品に出てくるのが名探偵 金田一耕助です。僕は、この金田一耕助シリーズが大好きなので、これについて少し語ろうと思います。
僕の思う金田一シリーズの魅力、それは名探偵 金田一耕助の魅力に他ならないと思います。そんな、金田一耕助の魅力とは、人間らしさと人間味のなさという二面性ではないでしょうか。作中において金田一は謎を解くためだけの存在であり、本人もまた謎にしか興味がありません。だからこそ、ドロドロとした因縁やそこから生まれたおぞましい惨劇の中を飄々と飛び回ることができます。いわば、謎解きのトリックスターです。そんな金田一も、謎を解き終わるといつもひどい憂鬱を覚えるようで、人の罪を暴くことをもって身の生業としている自分に嫌悪感を抱き、孤独感を覚えてしまうという設定があります。こうした孤独から彼を救ってくれるのは、皮肉なことにまた新たな別の事件であり、新たな「謎」なのです。金田一は謎を求めてさすらい続けます。謎だけが彼を満たしてくれるのです。
作中での金田一は、ぼさぼさの髪の毛に貧相な体躯、よれよれの着物によれよれの袴を合わせたさえない男で、おまけに頻繁に吃ってしまったりする一見頼りのない男として書かれています。映画では、これまで多くの俳優が金田一を演じてきました。最もハマり役だといわれているのが石坂浩二で、原作の記述を忠実に再現しています。石坂とタッグを組んだのが名監督 市川崑であり、彼らコンビの作品は金田一シリーズの中でも高く評価されています。僕も、映画版の金田一シリーズの中で一番好きなのは彼らコンビによる作品シリーズです。前述の通り、同じ話でも多くの監督によって映画化されているため、DVDを借りるときは要チェック。ぜひぜひ、金田一の魅力を感じてみてください。
と、まあ、好き勝手に金田一シリーズについて語っただけになってしまいましたが、映研は、自分の好きな作品について語りたい人がいっぱいいて、日夜、作品への愛を語っています。多趣味な人も多く、話題は尽きません。そして、何より、はぐれメタルにも優しいです。映画好きのあなたも、小説好きのあなたも、そして金田一好きのあなたも、ぜひ気軽に映研にお越しくださいませ。