1年の中嶋です。
私が紹介する映画はアンドリュー・ニコル監督の「ガタカ」です。私はSFの中でもとりわけディストピア映画が好きで、中でも生物学的テーマを取り入れたものが大好きなのですが、この映画はそのすべてをカバーした(私にとって)数少ない理想的な作品です。
遺伝子操作が当たり前になった社会。信仰深い家庭で遺伝子操作を受けず、両親の期待を背負って生まれた主人公ヴィンセント。しかし、生まれた時点で行った遺伝子解析により、将来多くのハンディキャップを背負うことが予測されたと産婦人科医は両親に説明します。
それを聞いた両親は疲弊し、次の子には遺伝子操作を受けさせようと決めます。
両親の期待も愛情も、才能に恵まれた「適正者」である弟に注がれ、「不適正者」である主人公はもはや除け者にされていました。
家族を見返し、遺伝子情報に縛られた社会から抜け出すために彼は宇宙飛行士になることを夢見ていました。そのために寝る間も惜しんで努力しますが、面接官は彼の才能に耳も課さず、遺伝子選考で落とされてしまいます。
希望を失いかけていた主人公はDNAブローカーと呼ばれるグレーな業者に最後の希望を託します。ブローカーは事故で足が動かなくなった元水泳選手ジェロームを紹介し、彼と協力して遺伝子ごと身分を偽装する計画を提案します。(どのように偽装するかは本編を観てください!)
偽装は成功し、簡単に宇宙局「ガタカ」へ入局。努力して身に着けた圧倒的なスキルと非の打ちどころのない遺伝子によってついに宇宙への配属が決まりますが…。
(少し長いあらすじでしたがメインストーリーはここからです。ぜひ観て楽しんでください。)
ヴィンセントとジェロームが打ち解けていくシーン、ロケットが打ち上げられる直前の遺伝子検査官の台詞など人物が出てくるシーンだけでなく、遺伝子をチェックするシステム、90年代味を残した独特な近未来感など…好きな場面は上げたらキリがないほどたくさんあります。また、SFのみならず、サスペンスや恋愛など様々な要素を兼ね備えた文学的にも視覚的にも楽しめる映画だと思います。北大の北部図書館にもあるので時間があったら是非観てください。
ディストピア系のSFは星の数ほどありますが、ここまで期待させるブログは初めてです!ぜひ見てみたいです!