春新歓ブログリレー⑯ 合格おめでとうございます

どうも、映研の激務から逃れるべく中欧の方に一人旅に行っていた三浦です。つい先ほど帰ってきました。おかげさまで僕のいない間に様々な仕事が着々と片付いているようです。愉快愉快。というのは冗談で、みなさんお疲れ様です。手伝えなくて申し訳ございません。てか、今日俺でいいのか?担当曜日狂いまくっててよくわかりません。勝手にあげます。間違ってたらごめんなさい。

せっかくなんで中欧の旅行記でも書きたいんですけど、写真あげたりとか色々めんどくさいんで、それはまた来週で。今回はこないだの『騎士団長殺し』の感想の続きと、旅行先で読んでいた『パイの物語』という本に関して少し話そうと思います。

『騎士団長殺し』
こちら全部読み終わりました。こないだ同様箇条書きで感想を挙げていきたいと思います。
⑤第2部も350ページくらいまでは普通
第1部が350ページまで、非常に読みやすいというのは前回も述べた通り。そして、第2部も同様に350ページまでは(第1部でのシュールな部分を除いて)、極めて現実的なレベルで話が続く。
⑥第2部の後半は怒涛の村上ワールド
さて、普通な感じだなぁと思いながら読んでるといきなり村上ワールド全開に。ファンからの人気も高い『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』に近い展開が繰り広げられる。
⑦第3部は出るのか?
これはかなり微妙。第2部の最後で物語はすごい勢いで収縮していく。少なくとも1Q84の2巻目のようなぶち切り感は全くなく、一見きれいに終わってるように思える。しかし、もしこれで終わりなら第1部、第2部という呼称ではなく上下巻でいいはず。そして、物語本編が始まる前にプロローグのようなものがあるのだが、それが放ったらかしになっているという問題がある。

全編読んだ後の新たな感想としては上記の3つでしょうか。やはり読者としての1番の関心ごとは第3部が出るか否かでしょう。物語全体をいわゆる「行きて帰りし物語」と考えるなら、第2部までで完結しているため、第3部が出るとしたらかなり新しい展開になるかもしれません。あと、今回は東日本大震災に少し触れていますね。その辺は読んでからのお楽しみということで。

 
『パイの物語』
こちらは今旅先で読んでいる小説で、ブッカー賞受賞作です。ブッカー賞って響きは本が好きな方は一度くらい耳にしたことあると思いますが、僕は数ある世界文学賞の中でも一番あてにしてるのが、このブッカー賞っていう賞なんですね。その他の文学賞(ノーベル賞、ピューリッツァー賞、エルサレム賞など)っていうのは、なんか賞の理念みたいなのに雁字搦めにされている部分があるんですね。それに対して、ブッカー賞は「対象作品が英語で書かれていなければならない」という縛りを除けば、非常にフェアな賞で(最終候補作のみでなくすべての候補作を審査員が読む、審査員が毎年変わるなど)、純粋に面白い小説が毎年選ばれてると感じます。
前置きが長くなりました。まぁ、この小説、実は『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日間』という題で映画化されていて、アカデミー監督賞とかも受賞してます。映画の予告を見たときは「どうせ『人間と動物の友情に感動!!!』みたいなくだらない映画だろ」と思っていたんですが、映像が結構すごそうだったんで、時間が空いたときにIMAXで観に行ったんですね。そしたら、あまりの傑作でびっくり仰天。一種の予告編詐欺で、まんまと騙されました。
まず、この映画、邦題が変ですよね。なんで、227日間の話のはずなのに「ライフ」なのか?そして、本編始まっても全然漂流しないんですね。最初の45分くらいは、幼い主人公がいろんな宗教を試してみるって話が延々と続くんですよ。それで、やっと漂流したと思ったら、今度はちょっと常識的にありえないだろってシーンの連続なんですね。これは実は映画全体が複雑な入れ子構造をしていて、宗教とはなんなのか?ってことに関する一種の寓話になっているんですね。
なんか、小説の話というより映画の話になってしまいましたが、小説は映画よりさらに宗教性が強くなってますね。また、物語自体が「信頼できない語り手」という手法を用いてるんですが、これは小説の方が効果的に使われてます。まぁ、映画も原作もオススメなんで興味ある方は是非という感じです。

 

めんどくさいとか言っといて長くなりましたね。まぁ、映画だけじゃなくて本も好きですよって話です。あと、音楽も好きです。映研はそんな感じの人、非常に多いんで興味ある方は是非新歓に。じゃあ、また。

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