春新歓ブログリレー⑪「映画の奇跡」

こんにちは。笹木です。僕も同じく一週間がこれほど早く感じられるのは、春休みで授業がないからです。日々をのうのうと過ごすことの怖ろしさたるや。

先日アカデミー賞が発表されましたが、やっぱり反トランプの意思表示が散見される年になったみたいです。イラン映画がアカデミー外国語映画賞を受賞したのも、助演男優・女優賞が黒人だったのも。短編ドキュメンタリー賞もシリアの映画だったわけです。政治色を見る必要のない映画祭が望ましいところと思いますが。それにしても、『ムーンライト』の作品賞受賞はめでたい。同郷出身の監督と脚本家の出会いが生んだ奇跡の映画みたいです。映像、カラーリングが凄いっていうので今から見るのが楽しみです。

前談長くなりましたが、今回は前回より更に個人的な興味の話を書きます。その名も「映画の奇跡」。これは僕が自分なりに映画が面白いと思っているところの一つで、私たちの現実と地続きになっているメディアだからこそだと思います。

①偶然性
またもや濱口竜介の話になってしまうのですが、彼の映画『PASSION』の終盤で工場前で男が女に愛を告白するシーンがあります。これはワンシーンワンカットの5分近くある長回しなのですが、フラれる際に画面横から2人の背後をトラックが通過するという瞬間が訪れるのです。これを見たときは思わず舌を巻いてしまいました。因みに、意図的ではないそうです。
ある意味この偶然性なるものを無理やり撮ろうとした作品に白石晃士の『ある優しき殺人者の記録』という擬似ワンカットの映画があります。フェイクドキュメンタリーはみな、そういう感じのジャンルと言えますね。無茶苦茶な内容でしたが、なかなか面白かったです。
要するに、「カメラが偶然捉えてしまった」というところ。意味のない偶然性には興味はありませんが。

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②二度とない瞬間を捉える
ドキュメンタリーというのはまさにこの性質と、リアルさを両輪に成り立っているものだと思います。これについては去年札幌公開の映画で『シチズンフォー スノーデンの暴露』というオスカーをとったドキュメンタリー映画がありまして、その内容はNSA(アメリカ国家安全保障局)による世界規模の通信傍受の事実を告発したエドワードスノーデンに告発前から密着するというものでした。去年もパナマ文書の流出みたいなのがありましたが、この告発も内容が内容なので全世界に衝撃を与えることになりまして、インターネットの世界ではHTTPSなどの暗号化通信が普及した原因にもなりました

要するに、歴史的な、特別な事実を捉えたところに面白さがあるということです。たまにテレビの生中継でもあるような、これぞ奇跡だと思うんですが。

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③時の経過を記録する
好きな監督の映画で『6才のボクが、大人になるまで。』というのがありまして、題名通り主人公が6才から大学生くらいになるまでの成長を描いた映画なのですが、驚いたことにそれを演じる役者は一人。12年間同じ役者で撮り続けた映画という訳で、前例のない試みをしています。まさに、現実には再現不可能な時の経過という表現をフィクションで成し得た数少ない映画だと思います。これぞまた奇跡。

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そして、最後については驚きの話題がありまして、ロバートロドリゲス監督の『100 years』という恐ろしい映画が現在製作中。もしや?と思った方、全くその通りで「100年後に公開」の映画なのです。1本のデカンタが出来上がるまでの過程を描いた映画ということですが、それまでに監督のロバートロドリゲスは死んでるし、私たちも見ることができないだろうし…つまりはこれ、見ることができたあなたはまさに奇跡の目撃者となり得る訳です。

ということで少し雑になった感じも否めませんが以上です。奇跡を演出できたら幸せですね。

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