【秋新歓ブログリレー企画】私の履歴書(宇治)

 

 

こんばんは。映研5年北大経済学部5年目4年の宇治拓摩です。

例会にはあまり出れない(出れない)ので、まだちゃんと話したことがない一年生も多いのではないでしょうか。

それでは手始めに、私の映研での5年間をざっとおさらいしましょう。

 

 

【Chapter.1】 期待に胸を膨らませた1年生(1年生!)

風に長い赤毛をなびかせ私は試される大地、北海道大学の正門に立っていた。

4月の北海道は思いの外寒い。レディースのTシャツワンピにJeremy Scottのレギンスという格好は、北の地ではいささか浮いているようであった。

そんなことには気も留めず7cmのヒールを鳴らしながらメインストリートを颯爽と歩いていく。入学前に一つ心に決めていたことがあった。

「適当な友達を作らない。」空疎なくせに雰囲気の友情や繋がりを重んじる昨今の大学生にだけはなりたくない。心の奥底では人気ドラマ「オレンジデイズ」のようなザ☆青春物語に対する憧れを認めつつも、その感情を押し殺し、どこか臭い臭い臭いぷんぷん臭う大学生感に嫌悪を抱こうとしていた。

「俺はカッコいい一匹オオカミになるんだ。」

 

その決意は固く、クラスメイトとの顔合わせであるオリエンテーションにて繰り広げられたメアド交換大会では、交換した瞬間にアドレスを消去するというウルトラC級の大技を連発していた。今思えば大変に驕慢な態度でスカした野郎である。

 

サークル選びは迷わなかった。新歓に足を運ぶと真っ先に目に飛び込んできたのは金髪でモヒカン、まさに「タクシードラーバー」のトラヴィスと同じ髪型をした巨漢だった。淡々と進められる例会、新入生に全く媚びない先輩達、明らかに社会に適合出来ていないような人々。そんなアウトローな人たちが集まり映画、本、音楽、セックス、各々が好き勝手に好きなことを話す、その温かな雰囲気は魅力的だった。

当時、サークルの同期は自分よりも5歳年上の気さくな男、福本君と腰に届く程の長さまで髪を伸ばした佐賀の二人だった。友人というよりは、ただサークルにいる人というイメージだった。学校では相変わらずクラスでは友人が出来ず、授業もサボりがちだったが、持ち前の要領の良さを発揮し(試験で隣の知らない人に2000円払いカンニングさせてもらう等)なんとか単位という試練を乗り越えていた。

 

ある日、授業中に堪え難い虚無感を感じることがあり先輩を飲みに誘った。心が荒れていた私は酩酊するまで焼酎を鯨飲し、支離滅裂なことを話しまくった。確か、川端康成の文学はフランス映画的なんだ!など訳の分からないことを喚いていたと覚えている。先輩達はそんな酔漢に嫌な顔一つせず、笑いながら話を聞いてくれていた。

 

気が付くと先輩の家に横たわっていた。吐き気を催すような異臭が立ちこめている。起き上がってみると自分の寝ていた所に吐瀉物の湖が広がっているではないか。部屋を見渡すと吐瀉物にまみれた林檎や食物が散在している。やってしまった、と感じるより先に先輩が笑いながら言った。「昨日は飲んだからなぁ。母さん送ってくれた仕送りもゲロまみれだな。まぁいいよ」彼は全く責める意思はなく、純粋に気にしていないようであった。

その時、何とも言えない心地よさを感じたのを覚えている。

「人に対する寛容性」それがこのサークルの一番好きな所だ。誰に対しても拒む事無く、特別気を使って接するでもなく、多少度が過ぎたことをしても受け入れてくれる。学生のうちは背負う物が無い。それ故、「やってはいけないこと」というのもそれ程は多くは無い。一度社会に出てしまえば、社会人としての禁忌はたくさんあり、学生気分では過ごす事が出来ないだろう。だからこそ今くらいは、多少羽目を外したことをしてもいいじゃないか。一度きりの学生生活、タブーにまみれていたらつまらないじゃないか。

 

この事件以来、サークルで飲む時には真剣に、真摯に酒を飲むことにしている。もちろん誰も酒を強要しないし、飲むペースは個人の自由である。しかし、私は出来る限り酔いつぶれるまで飲みたいと思う。こんなダメな先輩ですら快く受け入れられ、居場所を作ってくれるサークルなんだということが伝われば嬉しい限りである。

 

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【Chapter.2】~【Chapter.5】割愛

また気が向いたら書く事にします。

 

それではまた。

宇治

 

 

 

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